What's New in Retrospect – Retrospect Backup 19 + Retrospect Virtual 2022 + Retrospect Cloud Storage

ハードウェア

この章では、Retrospectがさまざまなバックアップ デバイスとどのように連携するか、そしてRetrospectからハードウェアがどのように見え、どのように制御するかについて説明します。

ソースとストレージ デバイス

Retrospectでは、ハードウェアはサイドバーからアクセスできる2つの異なるプログラム領域、[ソース]と[ストレージ デバイス]に表示されます。

ソース

1つ目の領域、[ソース]には、Retrospectバックアップ エンジンを実行しているコンピュータに接続されているハード ドライブと、そのハード ドライブ上に定義されたお気に入りフォルダが表示されます。Retrospectでは、お気に入りフォルダは別個のソースとして、お気に入りフォルダ自体が配置されているハード ドライブにかかわらず
バックアップできます。[ソース]には、Retrospectに詳細を指定したネットワーク ボリュームも表示されます。ネットワーク ボリュームは、ファイル サーバやNAS(ネットワーク接続型ストレージ)などのネットワーク共有としてマウントされるか、Retrospectクライアント(Retrospectクライアント ソフトウェアを実行しているコンピュータ)としてマウントされます。Retrospectクライアント、NASデバイス、
ネットワーク共有に関する操作の詳細については、第4章を参照してください。

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[ソース]リストでは、表示するソースのタイプに応じて異なるアイコンが使用されます。

03fig02.tiffハード ドライブ:Retrospectサーバ マシンに接続されているものと、Retrospectクライアント マシンに接続されているものがあります。

03fig03.tiffRetrospectクライアント:三角ボタンと共に表示されます。クリックして開くことで、Retrospectクライアント マシンに接続されているハード ドライブを表示できることを示します。

03fig04.tiffAFPやSMBなどのファイル共有プロトコルを使用してログインされているネットワーク ボリュームまたは共有です。

03fig05.tiffお気に入りフォルダです。

Retrospectでは、Macデスクトップにマウント可能な任意のメディアをソースとして使用することができます。したがって、メディアがハード ドライブか、ネットワーク共有か、Retrospectクライアント マシンに接続されたハード ドライブ、さらにはフラッシュ メモリ ドライブや、リムーバブル メディアを挿入したディスク ドライブかに関係なく、すべて[ソース]リストに表示されます。

[ソース]ツールバーの使用方法

[ソース]リストの上にある[ソース]ツールバーでは、[ソース]リストで選択したアイテムに対して、さまざまなアクセスを実行できます。選択したソースに応じて、ツールバーのそれぞれ異なるアイテムがアクティブになったり、ならなかったりします。

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ツールバーのボタンには次の機能があります。

  • 追加:ダイアログを開き、ネットワーク共有やRetrospectクライアント コンピュータを[ソース]リストに追加できます。

  • 削除:選択したRetrospectクライアント コンピュータ、ネットワーク共有、またはお気に入りフォルダが[ソース]リストから削除されます。

  • お気に入りの追加:選択したソース上のフォルダを選択して、お気に入りフォルダとして指定できます。

  • 名前の変更:選択したRetrospectクライアントの名前を変更できます。この変更でRetrospect内のクライアント名が変更されますが、実際のマシン名は変更されません。つまり、Retrospectの
    [ソース]リストに表示されるクライアント名のみが変更されます。

  • クロックの設定:選択したRetrospectクライアント コンピュータの日付と時刻を変更し、Retrospectサーバの日付と時刻に一致させます。

  • 更新:選択したRetrospectクライアント コンピュータへの接続をテストし、IPアドレスや接続速度などの情報を更新します。

  • 検出:既存のRetrospectクライアントをスクリプトから一切削除することなく、そのクライアントに新しいアドレスを関連付けることができます。

  • 更新:選択したコンピュータのRetrospectクライアント ソフトウェアを更新できます。

  • パスワード:選択したネットワーク共有またはRetrospectクライアント コンピュータのログイン情報を変更します。

  • 取り出し:選択したネットワーク共有をアンマウントします。

  • 消去:選択したソースからすべてのデータを消去します。この操作は元に戻せないため、実行する際は十分に注意してくだ
    さい。

スコープ バーの使用方法

Retrospectで管理するソースの数は非常に多いため、[ソース]リストのアイテムを2つの方法でフィルタできるスコープ バーが用意されています。リストに表示されるソースをフィルタするには、スコープ
バーのボタンのいずれかをクリックします。

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1つ目のグループでは、ソースで使用されているオペレーティング システムを基準に[ソース]リストのアイテムをフィルタできます。

[サーバ]ボタンをクリックすると、リストが限定され、サーバ オペレーティング システムを実行しているコンピュータのみが表示されます。これには、任意のバージョンのMac OS X Server、Windows Server、NAS(ネットワーク型ストレージ システム)で使用される
サーバ ソフトウェアが含まれます。[デスクトップとラップトップ]ボタンをクリックすると、リストが限定され、Retrospectでサポートされているサーバ オペレーティング システム以外(完全なリストについては第1章の『要件』を参照)を実行しているRetrospectクライアント コンピュータのみが表示されます。

2つ目のグループでは、[ソース]リストのアイテムをタイプ別にフィルタできます。[ローカル]ボタンをクリックすると、Retrospectサーバ コンピュータに接続されているソースのみが表示されます。[クライアント]ボタンをクリックすると、Retrospectクライアント コン
ピュータのみが表示されます。[共有]ボタンをクリックすると、
ネットワーク共有のみが表示されます。

注: スコープ バーの2つのボタンのグループはインタラクティブです。スコープ バーの1つ目のグループのボタンをクリックすると、2つ目のグループのボタンでさらにフィルタする場合に表示されるアイテムが影響されます。たとえば、ネットワークにNASデバイスが接続されているとします。1つ目のグループで[すべて]または[サーバ]
フィルタを選択した場合、2つ目のグループで[共有]を選択するとNASが表示されます。しかし、1つ目のグループで[デスクトップと
ラップトップ]を選択した場合、NASはフィルタで除外されるため、
2つ目のグループでは何も表示されません。

詳細領域の使用方法

[ソース]リストの下の詳細領域には、[ソース]リストで選択し
たソースに関する追加情報が表示されます。詳細領域には、[サマ
リー]、[オプション]、[タグ]の3つのタブがあります。

概要: [サマリー]タブには、選択したソースに関する情報が表示されます。表示される情報は選択したソースの種類に応じて変化し
ます。

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[概要]セクションには、クライアントの名前、前回のバックアップおよび次回にスケジュールされているバックアップの日付、バックアップ ステータスなどの主要な情報が表示されます。[詳細]セクションには、ソースの容量、ネットワーク アドレス情報、バックアップ パフォーマンス速度に関する情報が表示されます。

オプション[オプション]タブでは、Retrospectクライアント マシンのアイテムのみがアクティブになります。

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[暗号化ネットワーク リンク]の横のチェックボックスをオンにすると、選択したRetrospectクライアント コンピュータとRetrospectサーバの間の転送が暗号化されます。スリープ中のクライアント コンピュータでプロアクティブ バックアップ アクティビティを実行するために起動させたい場合は、[ウェイクオンLANを有効にする]の横のチェックボックスをオンにします。

[ボリューム]セクションでは、[バックアップ]ポップアップ メニューから[すべてのボリューム]、[選択されたボリューム]、または[起動ボリューム]を選択できます。[選択されたボリューム]を選択した場合、バックアップするボリュームの横にチェックマークが付いていることを確認します。

ヒント:[選択されたボリューム]を使用することで、Retrospectの他の機能ではバックアップ対象として選択されるマシンのボリュームを除外することができます。たとえば、タグを使用して(タグの詳細については後述)、特定のRetrospectクライアント マシンを選択することができます。この場合、デフォルトでは、そのマシンに接続されているすべてのボリュームがバックアップされます。[選択されたボ
リューム]を使用することで、必要なボリュームのみをバックアップできます。

タグ: [タグ]タブはデフォルトでは空です。ここでは特定のソースに適用できるタグを作成できます。これらのタグをスクリプトで使用することで、特定のタグ付きのアイテムのみを対象にRetrospect処理を実行できます。タグを使用して、複数のボリュームをグループ化し、整理することができます。ユーザーが作成したタグは、[ソース]タブの[スクリプト]カテゴリに表示されます。

たとえば、会計部門のボリュームを含む「会計」タグを作成できます。その後、バックアップ スクリプトを作成するときに、個々の会計ボリュームを1つずつ選択するのではなく、「会計」タグを選択するだけで、そのグループに含まれるすべてのボリュームが自動的に選択されます。また、すべてのポータブルRetrospectクライアント マシン用に「ラップトップ」タグを作成しておけば、プロアクティブ バック
アップ スクリプトに含まめるマシンを選択するときに、簡単にこれらのマシンを選択できます。

新規タグを作成するには、[タグ]タブの下にある[+](プラス)ボタンをクリックします。ダイアログでタグの名前を入力すると、リストに新しいタグが表示されます。

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ソースに1つ以上のタグを割り当てるには、[ソース]リストでソースを選択してから、目的のタグの横にあるチェックボックスをオンにします。同様に、ソースからタグを削除するには、[ソース]リストからソースを選択し、削除対象のタグの横にあるチェックボックスをオフにします。

Retrospectからタグ自体を削除するには、タグを選択してから[タグ]タブの下にある[-](マイナス)ボタンをクリックします。このアクションの実行を確認するプロンプトが表示されます。タグを削除する操作を誤った場合に元に戻すことはできないため、十分に注意してください。タグを削除すると、そのタグを適用したすべてのボリュームからそのタグが削除されますが、ボリュームにそれ以外の影響はありません。削除したスクリプトを使用しているスクリプトをすべて
チェックする必要があります。

タグによるソースの検索

ソースフィルターにタグ条件が加わり、Retrospect のキーワードタグ検索はこれまでより強力にな りました。例えば、組織内のポータブルコンピュータすべてに "laptop (ノートパソコン)" という タグが付けられたとします。この場合の検索方法を、以下に説明します。

"laptop" のタグでソースを表示するには :
  1. サイドバーでソースをクリックします。

  2. [ レポートを保存 ] ボタンの隣にあるプラス記号(+)ボタンをクリックすると、フィルター ツールバーが表示されます。

  3. 左端のドロップダウンリストをクリックして、タグを選択します。

  4. 次のドロップダウンから次を含むを選択します。

  5. テキスト入力フィールドに laptop と入力し、Return キーを押します。

"laptop" タグのついたソースがすべて表示されます。

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ソース]リストのカスタマイズ

[ソース]リストはカスタマイズできます。ほとんどの列は、列見出しをクリックすることで、昇順または降順にソートできます。選択した列がハイライト表示され、列見出しに上または下向きのソート失印が表示されます。列の順番は、列見出しをドラッグすることで変更できます。2つの列見出し間の線をクリックしてドラッグすることで、列の幅を変更できます。

[ソース]リストのデフォルトの選択は、 [ステータス]、[名前]、[マシン]、[オペレーティング システム]、[使用領域]、[合計容量]、[最後のバックアップの日付]、[ファイルを参照]です。任意の列見出しを右クリックすることで、コンテキスト メニューが開き、 [パス]、[インターフェイス]、[タイプ]、[接続]、
[ファイル システム]、[エージェントのバージョン]、[空き領域]、[次のバックアップ日付]を選択して追加できます。

ストレージ デバイス

Retrospectでバックアップ ハードウェアが表示されるもう1つの場所は、サイドバーの[ストレージ デバイス]カテゴリの下です。ここに表示されるデバイスは、テープ ドライブやライブラリ(ローダー、オートチェンジャー、オートローダーと呼ばれることもあります)など、直接Retrospectによって制御されるデバイスです。

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[ストレージ デバイス]リストについてさらに詳しく説明します。デフォルトでは、 [名前]、[ステータス]、[場所]の3つの列から構成されます。各列の機能は次のとおりです。

  • 名前:ストレージ デバイス、マガジン、またはメディアの名前が表示されます。Retrospectによる制御と使用が可能なデバイスの名前の左には、グレーの三角ボタンが表示され、そのデバイスで利用できるメディアの表示/非表示を切り替えることができます。トップ レベル名の横にグレーの三角ボタンがないデバイスが表示された場合、Retrospectではそのデバイスをバックアップ先として使用できないことを意味します。

  • ステータス:ストレージ デバイスによって報告されるデバイスのステータスが表示されます。たとえば、ほとんどのテープ ドライブでは、書き込み可能なテープがドライブに装填されているときに[準備完了]と報告されます。下のスクリーン
    ショットでは、デバイスはテープ ライブラリなので、1台目のドライブのデバイス ステータスは、「6: 準備完了」となっています。これは、スロット6のテープがドライブに装填され、使用する準備が整っていることを意味します。

  • 場所:コロンで区切られた3つの数字(n:n:n)が表示されま
    す。それぞれ、バス:ID:LUNを表しています。内蔵ATAPI
    (DVD+RWドライブ)、内蔵SATA、FireWire、USB、SCSIは、それぞれ独自のバスで表されます。IDはそのバス上のデバイスのIDです。LUN(論理ユニット番号)は、SANまたは一部のiSCSI構成で論理ボリュームのIDを表すために使用されます。

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詳細領域の使用方法

[ストレージ デバイス]リストの下の詳細領域には、リストで選択したデバイスの詳細情報が表示されます。詳細領域には、 [サマリー]と[オプション]の2つのタブがあります。

概要:[サマリー]タブには、選択したストレージ デバイスまたはメディアに関する情報が表示されます。表示される情報は、選択したデバイスやメディアの種類に応じて変化します。

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[概要]スクリプトには、タイプ、ベンダー、モデル、ファームウェア バージョン、インターフェイス、報告されたステータスなど、デバイスに関する重要な情報が表示されます。[詳細]セクションには、デバイスの場所とテープ ドライブの場合ドライブのクリーニング間隔および最後の既知のクリーニングに関する情報が表示されます。[メディア]セクションは、選択したデバイスに装填されているメディアに関する情報が表示されます。表示される情報には、バーコード(一部のテープ ライブラリで使用)、テープが初めて使用された日付、テープ上のデータが圧縮されているかどうか([フォーマット]に表示)、その他のテープ属性が含まれます。

オプション: [オプション]タブには、選択したストレージ デバイスに関する情報が表示されます。このタブのコントロールは、選択したデバイスに種類に応じてアクティブまたは非アクティブになります。

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詳細領域上部のコントロールは、テープ ドライブ用です。[テープ
アラート]をオンにすると、テープ ドライブ エラーのアラートがログに追加されます(エラーを表示するには、[表示]>[ログ]を選択)。一部のテープ ライブラリは、バーコード リーダでテープを追跡できます。Retrospectでバーコード付きのテープを使用するには、
[バーコード スキャンを有効にする]をオンにします。また、クリーニング間隔の時間数を入力することで、定期的なスケジュールでテープ ドライブをクリーニングするよう設定することもできます(デフォルトの「0」はテープ ドライブのクリーニングについて一切通知しないことを意味します)。[マガジンごとのスロット数]設定は、多数のスロットを備えるライブラリを使用する場合に便利です。スロットをグループ化することで、[ストレージ デバイス]ビューでの表示と管理が簡単になります。グループに含める最大スロット数を設定すると、ライブラリはRetrospectによって自動的に整理されます。たとえば、ライブラリに60個のスロットがあり、マガジンごとの最大スロット数を「15」に設定すると、それぞれ15個のスロットを持つ4つのマガジン コンテナが作成されます。数を指定するときに、スロットまたはマガジンの実際の物理的なグループと同じにする必要はありません。表示目的のみに使用されます。

光学ドライブには[書き込み速度の設定]ポップアップ メニューを使用します。デフォルト設定にした場合、ドライブが処理できる最高速度でデータが書き込まれます。特定の記録可能メディアが最速で処理できないことを知っている場合など、特別な必要性がある場合は、
ポップアップ メニューから[高速]、[中]、または[時間がかかる]から選択できます。

[ストレージ デバイス]リストのカスタマイズ

[ストレージ デバイス]リストはカスタマイズできます。ほとんどの列は、列見出しをクリックすることで、昇順または降順にソートできます。選択した列がハイライト表示され、列見出しに上または下向きのソート失印が表示されます。列の順番は、列見出しをドラッグすることで変更できます。2つの列見出し間の線をクリックしてドラッグすることで、列の幅を変更できます。

前述のリストのデフォルト列に加えて、任意の列見出しを右クリックすることで、コンテキスト メニューが開き、そこから [タイプ]、
[メディア セット]、[ベンダー]、[製品]、[ファームウェア]、[インターフェイス]を選択して追加できます。

ハードウェアの概要

バックアップ デバイスにRetrospectとの互換性があることを確認するには、Retrospect Webサイトで最新の互換性情報およびサポートされているデバイスの具体的な詳細を確認してください。

ハードウェアおよびソフトウェアのインストールが有効であることを確認したにもかかわらず、Retrospectとバックアップ デバイスに問題が発生した場合は、第8章『トラブルシューティングとサポート資料』を参照してください。

Retrospectとハードウェアの操作

ほとんどの時間、バックアップ ハードウェアはRetrospectの制御下で動作します。しかし、ハードウェアを直接監視したり、問題をトラブルシューティングしたりすることが必要になることがあります。このセクションでは、特定のタイプのハードウェアでの操作について説明します。

バックアップ デバイスの表示

バックアップ デバイスがRetrospectから見えており、Retrospectによって使用されていることを確認するには、デバイスのタイプに応じて、デバイスが[ソース]リストまたは[ストレージ デバイス]リストに表示されることを確認します。Retrospectサーバのデスクトップからデバイスにアクセスできる場合、そのデバイスはRetrospectでも表示されるはずです。ただし、Retrospectからrootユーザーとしてアクセスするネットワーク共有は例外です。[ストレージ デバイス]リストに表示されるべきデバイスでデバイスが表示されない問題が発生した場合、最初に[ストレージ デバイス]リストの上のツールバーにある[再スキャン]ボタンをクリックしてください。[再スキャン]をクリックした後、[ストレージ デバイス]リストにデバイスが表示されるまでに、最大で2分ほどかかることがあります。バックアップ コンピュータに正しく接続されているすべてのバックアップ デバイスは、Appleのシステム プロファイラ アプリケーションにも表示されるはずです。これらのデバイスが表示されない場合は、デバイスのマニュアルで設定に関する情報を確認してください。

トラブルシューティングのヒント:

SCSIデバイスの場合、各デバイスの電源が入っていること、ケーブルがしっかりと接続されていること、各デバイスに一意のIDが割り当てられていること、SCSIチェーンが正しく終端処理されていることを確認します。各デバイスとコンピュータ自体の電源が切られてない限り、SCSIチェーンのデバイスの構成を変更しないでください。

SCSIチェーンの接続と終端処理が正しく行われていない場合、またはIDが競合している場合、さまざまな問題が発生します。最も無害な問題は、デバイス ステータス リストにデバイスが表示されないことです。より深刻な(それでも小さな)問題は、バックアップ コンピュータとバックアップ デバイスの通信障害とその結果のデータ損失です。最も深刻な問題は、コンピュータまたはSCSIチェーン上のSCSIデバイスへのダメージです。

[ソース]または[ストレージ デバイス]リストに表示されないドライブは、Retrospectでサポートされていないか、特別な要件が必要である可能性があります。最新の互換性情報およびサポートされているデバイスの詳細については、Retrospect Webサイト(http://www.retrospect.com)を参照してください。

Finderでマウント可能なドライブ

Retrospectでは、バックアップ先としてFinderでマウントできる任意のドライブ(光学ディスクを除く)がサポートされています。たとえば、Retrospectサーバに直接接続されている内蔵および外付けハード ドライブや、ネットワーク経由で接続されているハード ディスクなどです。また、Retrospectでは、Finderでマウントできるリムーバブル メディアおよびSSD(ソリッド ステート ドライブ)もサポートされています。

Retrospectで使用できるボリュームを確認するには、サイドバーで
[ソース]をクリックして、[ソース]リストを表示します。

メディア セット タイプの選択

マウント可能なディスク ドライブは、ファイル メディア セットとディスク メディア セットどちらのデスティネーションとしても使用できます。これら2種類のメディア セットには大きな違いがあります。ディスク メディア セットは、次の理由により最大限の柔軟性とパフォーマンスを提供します。

  • ネットワーク ボリュームを含む複数のディスクへの分散

  • ディスクのグルーミングを自動的に実行し、ディスク容量を確保するオプション

  • NASデバイスおよびサーバへのバックアップの最大のサポート

  • 同一のメディア セットをある操作ではデスティネーションとして使用し、同時に、別の1つまたは複数の操作のソースとして使用可能

さらに、ディスク メディア セットには、ファイル メディア セットのようなファイル サイズ制限がありません。ディスク メディア セットでは、一連のファイルがデスティネーション メディアに書き込まれ、各ファイルが 600 MB を超えることはありません(バックアップ データを他のストレージにレプリケートする場合に便利です)。

注: Mac OS X 10.6「Snow Leopard」より、AppleはFinderのファイル サイズの計算方法を変更し、従来の1 MB = 1,024 * 1,024バイトではなく1 MB = 1,000 * 1,000バイトと計算されるようになりました。この結果、見かけ上のRetrospectメディア セットのファイル サイズは692 MBになります。

ハード ディスクに保存する場合、ファイル メディア セットでもディスク メディア セットでもメディア セット データ ファイル以外のファイルを格納し、アクセスすることができます。

ヒント: 前バージョンのRetrospectを使用していて、ファイル バックアップ セットを広範に使用していた場合、Retrospectではディスク メディア セットに移行してください。

マウント可能ディスクを使用するための準備

ディスクを実際に使用する前に、メディア セットのメンバーとして追加し、準備しておくことをお勧めします。Retrospectでスクリプトを実行していて、ディスク メディア セットにストレージを追加する必要がある場合、それまでにメディア セットに追加されているディスクが自動的に使用されます。

メディア セットにディスクを追加するには、第5章の『メディア セットへのディスクの追加』を参照してください。

ディスク グルーミング

デフォルトでは、ディスク メディア セットのメンバーであるディスクが一杯になる(または割り当てたディスク領域がすべて使用されている)と、ファイルやフォルダのコピーを続行するための新しいディスクを要求されます。

既存のディスクを使用し続ける場合は、ディスク領域を空けるためのグルーミング オプションを使用すれば、古いファイルやフォルダが削除されるため、新しいディスク用の領域を確保できます。

ディスク グルーミングを有効にして、グルーミング ポリシーを指定すると、容量が必要になった場合に(ポリシーに基づいて)自動的に古いファイルとフォルダが削除されます。メディア セット作成ウィザードのディスク グルーミング設定オプションの詳細については、第7章の『ディスク メディア セットのグルーミング オプション』を参照してください。

警告: グルーミングを実行すると、ファイルとフォルダがバックアップ メディアから削除されます。削除されたファイルやフォルダはリカバリできません。グルーミングを有効にする前に、重要なファイルとフォルダを保護するバックアップ ポリシーが設定されていることを確認してください。

ディスク メディア セットのグルーミング オプションはいつでも変更またはオフにできます。特定の時点でバックアップを保護する場合は、バックアップを「ロック」することで、Retrospectにグルーミングされないようにすることができます。また、ポリシーによってグルーミング対象から外れた特定のバックアップをメディア セットから手動で削除することも可能です。

グルーミングは段階的バックアップ戦略の一部として使用すると便利です。詳細については、第7章の『段階的バックアップ戦略』を参照してください。

テープ・ドライブ

Retrospectでは、追加のソフトウェアをインストールしなくても、ほとんどのテープ ドライブがサポートされています。サポートされているテープ ドライブのリストについては、
http://www.retrospect.com/supporteddevices`/`を参照してください。

シーケンシャル アクセス メディアは、比較的安価かつある程度の容量があり、安定した転送速度が得られます。このため、テープはバックアップ、特にバックアップの一部を安全のためにオフサイトで保管したり、長期的なアーカイブを作成する場合に適しています。

Retrospectを使用してボリュームをテープにバックアップする場合、
データはテープの先頭から末尾に向けてシーケンシャルに書き込まれます。テープにバックアップを追加すると、前回のデータの末尾に続けて書き込まれ、テープの最後に到達するまで同様に追加されます。

テープをドライブに入れたときに、バックアップ コンピュータでもRetrospectでもFinderにマウントされることはないため、テープがMacのデスクトップに現れることはありません。

ヒント: 一度ディスクにバックアップしてから、バックアップを
テープにコピーする段階的バックアップ戦略を用いることで、テープへのバックアップの全体的なパフォーマンスが向上します。これは、使用するメディアのタイプに応じてD2D2T(disk-to-disk-to-tape)またはD2D2D(disk-to-disk-to-disk)バックアップと呼ばれます。第7章の『段階的バックアップ戦略』を参照してください。

テープ容量

あるテープに格納できるデータの実際の量は、さまざまな要因によって変化します。テープの容量は、バックアップ コンピュータとテープ ドライブの相対的な速度差の影響を大きく受けます。

低速のソース(低速のコンピュータ、低速のハード ドライブ、ネットワーク上の共有ボリュームなど)から高速のテープ ドライブにバックアップした場合、ソースからテープ ドライブに安定した速度でデータを供給できないため、テープの容量は少なくなります。テープが仕様通りの容量のデータを格納できなくても驚かないでください。一部のテープ ドライブは、日々の使用で格納可能な容量より大容量として表記されていることがあります。これらの表記は、テープ ドライブの
ハードウェア圧縮機能で圧縮される前の容量を指しており、このとき高い圧縮率が使用されている可能性があります。

圧縮

Retrospectまたは対応テープ ドライブによって実行される圧縮により、格納するデータのサイズを縮小してスペースを節約することができます。圧縮によって実際にメディアの容量が大きくなることはありません。ディスクまたはテープが格納できるデータの量は常に一定です。圧縮とは、データをテープに書き込む前に元のデータのサイズを小さくすることで、より多くのファイルをテープに書き込めるようにする技術です。

テープ ドライブでは、ハードウェア データ圧縮がよく用いられます。Retrospectでは、ドライブが対応していれば常にハードウェア圧縮が使用され、必要に応じてRetrospectのソフトウェア圧縮が自動的にオフになります。

ヒント: Retrospectのソフトウェアベースの圧縮ルーチンよりハードウェア圧縮の方がはるかに高速です。

圧縮率はバックアップするデータのタイプによって変わります。一般にテキスト ファイルは高い圧縮率で圧縮できますが、アプリケーションやシステム ファイル、およびオーディオ、ビデオ、PDFファイルなどすでに圧縮済みのファイルの圧縮率は低くなります。一般論としては、さまざまなコンテンツが混在するソース ボリュームを圧縮した場合、元のサイズの約2/3になります。

暗号化を使用している場合、Retrospectではハードウェア圧縮が無効になります。これは暗号化したデータの圧縮率が低くなるためです。暗号化と圧縮を両方使用する場合は、Retrospectのソフトウェア圧縮オプションを使用してください。この場合、暗号化の前に圧縮が実行されます。これはハードウェア圧縮ではできません。

テープ アラートのサポート

多くのテープ ドライブとライブラリでは、テープ アラート メッセージがサポートされています。これらのデバイスでは、ハードウェア エラーを報告するテープ アラートが生成されます。アラートには次の
3つのカテゴリがあります。

  • 情報

  • 警告

  • クリティカル

Retrospectでは、3種類の方法でテープ アラートがサポートされます。この統合により、次のことが可能になります。

  • エラーの性質を説明するダイアログ ボックスの表示

  • [アクティビティ]リストへのエラーの記録

  • 操作ログへのエラーの記録

この動作は、Retrospectサーバからアクセス可能でテープ アラートをサポートしている任意のテープ ドライブまたはライブラリに対して有効または無効にできます。

注: ほとんどのテープ ドライブでは、テープ アラートは自動的に有効にはなりません。この章の『ストレージ デバイスのオプション』の説明を参考に手動で設定できます。

WORMテープのサポート

コンプライアンス規制その他の要因の結果、多くのテープ ドライブおよびライブラリでWORM(Write Once Read Many)テープがサポートされるようになりました。その名前から分かるように、WORMテープはデータが書き込まれると、削除や再利用ができません。

Retrospectでは、WORMは特別なアイコンで表示されるため、簡単に区別できます。通常のテープでは青いテープ アイコンが使用されますが、WORMテープのアイコンは黄色です。

警告: WORMテープを使う際は、Retrospectの[空のメディアへ自動的にスキップ]設定がオフ(デフォルト設定)になっていることを確認してください。この設定にアクセスするには、[Retrospect]>[環境設定]を選択して[メディア]タブをクリックします。

WORMテープの操作

Retrospectでは、WORMテープは通常のテープとは扱いが異なるため、WORMテープは、テープWORMメディア セットだけで使用することをお勧めします。

新しいメディア セットを作成する際に、テープWORMメディア セットを作成するよう選択できます。詳細については、第5章の『メディア セットの作成』を参照してください。

テープWORMメディア セットは、通常のメディア セットとは扱いが異なります。テープWORMメディア セットをデスティネーションとして使用する自動処理(スクリプト処理)では、ファイルは正しい名前のWORMテープに書き込まれます。正しい名前のWORMテープが見つからなかった場合は、自動的に空のWORMテープのみが使用されます。Retrospectによって自動的に空の通常のテープがテープWORMメ
ディア セットに追加されることはありません。

同様に、通常のテープ メディア セットをデスティネーションとして使用する自動処理では、自動的に空のWORMテープが通常のテープ メ
ディア セットに追加されることはありません(追加されるのは空の通常のテープのみ)。

アクティビティ実行時にRetrospectからメディアを要求された場合や、Retrospectのテープ メディア セットへのメンバーの追加機能を使用することで、テープWORMメディア セットに通常のテープを手動で追加したり、通常のテープ メディア セットにWORMテープを手動で追加したりすることができます。

注: WORMテープは、通常のメディア セットの一部として使用されている場合でも、消去したり再利用したりすることはできません。通常のテープは、WORMメディア セットに追加されている場合でも消去したり再利用したりすることが可能です。

テープ ドライブのクリーニング

定期的なクリーニングは、パフォーマンスの信頼性を確保する上で重要です。ドライブ ヘッドの汚れは、テープ ドライブの問題やメディア障害報告の主な原因を引き起こします。この場合、Retrospectではログ エラー-206(「ドライブから障害、ヘッド汚れ、不良メディア等が報告されました」)が報告されます。

ほとんどのテープ ドライブでは、クリーニングは非常に簡単で、特別なテープ クリーニング カートリッジを挿入し、ドライブ自体にクリーニングを実行させるだけです。メーカーによるクリーニング推奨手順については、ドライブのマニュアルを参照してください。

テープ ドライブの機能によっては、多数のテープ クリーニング オプションが使用できることがあります。

Retrospectでは、すべてのテープ ドライブにクリーニング間隔を設定するオプションが用意されています。このオプションにアクセスするには、サイドバーで[ストレージ デバイス]を選択し、詳細領域で
[オプション]タブをクリックし、[ドライブのクリーンアップ:使用時間が[空白]時間であれば、ドライブをクリーンします。]の横に数値を入力します。デフォルト設定のゼロは、ドライブのクリーニングを実行しないことを意味します。

バーコード読み取りをサポートするテープ ライブラリを使用している場合は、クリーニング テープ(クリーニング バーコード ラベル付き)をクリーニング スロットにロードしておくと、指定した間隔で自動的にクリーニングが実行されます。バーコード読み取りをサポートしていないテープ ライブラリを使用している場合でも、クリーニング スロットを指定し、クリーニング テープを挿入しておけば、自動的にテープのクリーニングが実行されます。

ライブラリ内のスロットをクリーニング スロットとして指定するには、次の手順を実行します。

  1. クリーニング テープをライブラリの空のスロットにロードし
    ます。

  2. サイドバーの[ストレージ デバイス]をクリックします。

  3. [ストレージ デバイス]リストでテープ ドライブを選択します。必要に応じて、三角ボタンをクリックして、すべてのライブラリ スロットを表示します。

  4. クリーニング テープの入ったスロットを右クリックします。コンテキスト メニューから[クリーニング スロットとして有効にする]を選択します。

  5. リスト内のテープの名前が「クリーニング テープ」に変更されます。

*テープ ドライブを手動でクリーニングするには、次の手順を実行し

ます。*

  1. 単一テープ ドライブを使用している場合は、クリーニング テープを挿入します。ほとんどのテープ ドライブでは、クリーニング テープが認識され、クリーニングが実行された後、クリーニング テープが排出されます。テープ ライブラリを使用している場合は、前述のようにスロットがクリーニング スロットとして指定されていることを確認します。

  2. テープ ライブラリの場合、クリーニング テープの入ったスロットをリストのドライブ アイコンにドラッグします。クリーニング テープがドライブに移動され、クリーニング サイクルが自動的に開始します。一部のライブラリでは、テープ ドライブを右クリックして、コンテキスト メニューから[クリーニング]を選択することもできます。ドライブのクリーニングを実行することを確認するメッセージが表示されます。[クリーニング]をクリックします。

テープ ステータスの表示

Retrospectを使用して、バックアップに使用するテープや使用したテープに関する情報を表示できます。

テープ情報を表示する前に、使用するデバイスが[ストレージ デバイス]ウィンドウに表示されていることを確認します。使用するデバイスがウィンドウに表示されていない場合は、この章で前述した『バックアップ デバイスの表示』を参照してください。

テープ ステータスを表示するには、次の手順を実行します。

  1. サイドバーの[ストレージ デバイス]をクリックします。

  2. テープをドライブに挿入します。

テープがロードされると、そのステータスがリストの[ステータス]列に表示されます。ステータス メッセージの意味は次のとおりです。

  • 準備完了:メディアにRetrospectデータが含まれているか、メディアが準備の整ったメディア セットのメンバーであることを示しています。

  • 消去済み:空のメディアを示します。

  • 内容不明:テープは空ではないが、有効なRetrospectデータが含まれていないことを意味しています。このステータスは、他のバックアップ ソフトウェアで書き込まれたテープを挿入した場合に表示されることがあります。

  • 間違ったバージョン:別のバージョンのRetrospeで書き込まれたテープが挿入されていることを意味しています。ドライブのファームウェア バージョンがRetrospectでサポートされていない場合にも表示されることがあります。

  • 書き込み保護:テープがロックされていることを意味してい
    ます。

  • 巻き戻し中:テープが巻き戻し中であることを意味しています。

  • Pending(待機中):テープはドライブにロードされているが、まだ読み込まれていないことを意味しています。

  • ハードウェア エラー:デバイス エラーが発生したことを示しています。

  • 未ロード:通常は、テープがドライブ内にあるが、巻き戻されており、使用するには排出と再挿入が必要であることを意味しています。このメッセージは、テープ ライブラリ内でテープが交換されているときに表示されることもあります。

  • メディアの移動中:テープがあるスロットから別のスロットにテープ ドライブ機構を通して移動中であることを意味してい
    ます。

  • 動作中ビジー:ドライブがビジーであることを示しています。

  • Empty(空):ドライブ内にテープが存在しないことを示しています。

テープの使用準備

無人でスクリプトが実行されているときに新しいテープが必要になると、消去済みまたは正しい名前の適切なテープが自動的に使用されます。事前にテープを消去またはフォーマットして、使用するメディアを準備しておくことをお勧めします。

また、Retrospectがテープを必要とする前に、メディア セットにテープを追加しておくこともできます。

メディア セットにテープを追加するには、次の手順を実行します。
  1. 単一テープ ドライブにテープが挿入されていること、または
    テープ ライブラリにテープがあることを確認してから、サイドバーの[メディア セット]をクリックします。

  2. メンバーを追加するテープ メディア セットをクリックして選択します。

  3. [メディア セット]リストの下の詳細領域で、[メンバー]タブをクリックします。

  4. リストの下の[+]ボタンをクリックします。

  5. 挿入したテープまたはライブラリ スロット内のテープを選択します。必要に応じて、三角ボタンをクリックして、すべてのライブラリ スロットを表示します。

  6. [追加]をクリックします。

  7. [追加]をクリックします。

単一テープ ドライブ用のコマンド

[ストレージ デバイス]リストのドライブを右クリックし、コンテキスト メニューからコマンドを選択することで、次のテープ ドライブ操作コマンドを使用できます。このメニューのその他のコマンドは、
テープ ライブラリ用のコマンドです。これらについては、この章の
『テープ ライブラリ用のコマンド』で後述します。

  • 取り出し:選択したテープをドライブからアンロードします。

  • 消去:選択したテープの内容を消去します。一部のテープ ドライブ機構の場合は、メディアを再利用するための処理が実行されます。

  • 保存:選択したテープを末尾まで早送りしてから巻戻し、張力とアライメントを均一化します (一部のタイプのテープでは、操作中に自動的にリテンションが行われ、このコマンドを使用して手動でリテンションを行うことはできません)。テープを長期間使用していなかった場合、またはストレージ環境の気温または湿度が大幅に変化した場合は、リテンションを実行する必要があります。

  • フォーマット:選択したテープを完全に再フォーマットします。このプロセスには、消去より長い時間がかかることがあります。サポートされているのは一部のテープ ドライブに限られます。

テープ・ライブラリ

テープ ライブラリ(ローダー、オートチェンジャー、オートローダーと呼ばれることもあります)とは、複数のテープを保持するマガジンまたは固定ストレージ スロットからドライブ機構にテープを機械的に出し入れするハードウェア ユニットです。テープは任意の順番で並べることが可能で、無人バックアップの実行に必要なテープがRetrospectによって特定されます。テープ ライブラリは、1本のテープが一杯になると自動的にテープが交換され、メディアが使用できないことによるダウンタイムを限定できるため、大規模ネットワーク バックアップに便利です。多くのテープ ライブラリが利用可能です。各テープ ライブラリは使用可能な多数のテープ ドライブ機構の1つまたは複数を使用します。詳細については、ライブラリのマニュアルおよび
http://www.retrospect.com/supporteddevices/``の『Device』セクションを参照してください

Retrospectでは、バーコード読み取りライブラリがサポートされており、バーコードIDに基づいてカートリッジを管理できます。Retrospectのメディア要求、バックアップ セットのプロパティ、操作ログのイベント、[ストレージ デバイス]ウィンドウに、テープのメンバー名
(ある場合)に加えてバーコードが表示されます。CLNコード付きのクリーニング カートリッジは自動認識されます。

Retrospectでは、ライブラリ内およびライブラリからカートリッジを移動するための複数のインポート/エクスポート スロットがサポートされています。インポート/エクスポート スロットは、[ストレージ デバイス]リストに表示されます。インポート/エクスポート スロットとの間でテープをドラッグして移動できます。

複数のドライブを備えたテープ ライブラリと「先進的なテープのサ
ポート」アドオンを使用している場合、複数のドライブを同時に使用して操作を実行できます。

テープ ライブラリに対するRetrospectの動作

Retrospectの動作は、ライブラリでバーコード読み取りがサポートされているかどうかによって異なります。

Retrospectでは、バーコード読み取りライブラリがサポートされており、バーコードIDに基づいてカートリッジを管理できます。Retrospectのメディア要求、メディア セットのプロパティ、ログ イベント、
[ストレージ デバイス]ウィンドウに、テープのメンバー名(ある場合)に加えてバーコードが表示されます。さらに、Retrospectでは、CLNコードの付いたクリーニング テープが自動認識されます。
バーコード サポートがある場合、ライブラリ内のストレージ スロットがすばやくスキャンされ、その中味が特定されます。

バーコード読み取りをサポートしていないライブラリの場合、各テープの名前を取得するためにライブラリのスキャンが必要になります。ライブラリから各テープがテープ ドライブに挿入され、テープの名前と場所がRetrospectに記録されます。

Retrospectの起動、ライブラリのドアの開閉、またはマガジンの変更が行われるたびに、ライブラリの中味は変わっている可能性があるため、最新の情報を維持するためにスキャンが必要になります。

バーコード サポートのないライブラリの場合、Retrospectではライブラリの2回目以降のスキャンを高速化するため、「ストレージ スロット メモリ」と呼ばれる機能が用いられます。Retrospectを終了するたびに、ライブラリ内の各スロットとドライブの状態が記録され、設定ファイルにこの情報が保存されます。

テープ ライブラリのステータスの表示

テープ ライブラリのステータスを表示するには、ロード済みのマガジンを挿入し(デバイスが該当する場合)、サイドバーの[ストレージ デバイス]をクリックすると、[ストレージ デバイス]リストが表示されます。このリストにライブラリ、テープ スロット(インポート/エクスポート スロットを含む)、ドライブが表示されます。

03fig20callout.ai

Retrospectでは、ライブラリ、テープ ドライブ、各ストレージ スロットに関する情報(ステータス、場所、バーコードなど)が表示されます。アイコンと追加ステータス情報は、各スロットの中味を示しています。

03fig21.png

スロットにテープが入っていません。

03fig22.png

テープがドライブに移動されたため、スロットにテープはありません。どのスロットからテープがドライブに移動したかは、ライブラリによって記録されているため、これは確かです。

03fig23.png

(不明):スロットはRetrospectによってスキャンされていま
せん。

03fig24.png

このスロットは、Retrospectによってクリーニング テープ スロットとして指定されています。クリーニング テープには緑色のアイコンが使用されます。

03fig25.png

名前付きのテープは、Retrospectがテープを前回スキャンしたと
きにスロットにあったものですが、それからスロットの中味が変わっている可能性があるため、ステータスは不確実です。

03fig26.png

名前付きのテープは、Retrospectがテープを前回スキャンしたときにスロットにあったものです。それからスロットの中味は変更されていないため、ステータスは確かです。

03fig27.png

テープへの書き込み中にメディア エラーが発生しました。この
テープは自動実行(スクリプト)には使用されません。このテープを再利用するには手動で消去する必要があります。

03fig28.pngこのテープは、WORM(Write Once, Read Many)としてフォー
マットされています。この章で前述された『WORMテープのサ
ポート』を参照してください。

テープ ライブラリに関する作業

[ストレージ デバイス]リストでは、アイコンをドラッグ アンド ドロップすることでテープを移動できます。テープ アイコンの上にポインタを置き、スロットからスロットへ、ドライブからスロットへ、あるいはドライブからドライブへテープをドラッグします。

テープ ライブラリ用のコマンド

[ストレージ デバイス]リストのライブラリ、ドライブ、またはス
ロット アイコンを右クリックし、コンテキスト メニューからコマンドを選択することで、次のテープ ライブラリ操作コマンドを使用できます。このメニューの一部のコマンドは、すべての種類のテープ デバイスに使用できます。これらについては、この章で前述された『単一
テープ ドライブ用のコマンド』を参照してください。

  • 無視:Retrospectがこのデバイスをスキャンまたは使用しないようにします。

  • バーコードを消去する:すべての既知のテープからバーコード情報のリンクを解除します。この機能は、Retrospectに不正確なバーコード情報またはテープ名が表示された場合、またはRetrospectテクニカル サポートによって実行するように指示された場合のみ使用してください。

  • 要素の初期化:ライブラリに要素の初期化コマンドを送信します。ライブラリのすべての要素のステータスが強制的に更新されます。このコマンドは、[ストレージ デバイス]ウィンドウに表示される情報がライブラリの実際の状態と一致しない場合のみ使用してください。

  • クリーニング スロットとして有効にする:選択したスロットをクリーニング スロットとして指定します。Retrospectがメディアを検索するときにクリーニング スロットはスキャンされません。ライブラリがバーコード読み取りをサポートしている場合、Retrospectでは、CLNコード付きのクリーニング テープが自動的に認識され、そのスロットはクリーニング専用として予約されます。テープあたりのクリーニング回数とテープ ドライブをクリーニングする頻度は、ドライブまたはテープの[プロパティ]ウィンドウから指定できます。

  • スキャン:ライブラリ内の選択したスロットを巡回し、各テープをスロットからドライブに移動して、テープの名前を記録します。テープ ドライブでバーコードがサポートされている場合は、このコマンドを使用する必要はありません。

インポート/エクスポートのサポート

一部のライブラリには、ドアを開かなくてもテープをライブラリに出し入れできる独立したポートが用意されています。Retrospectでは、この機能を「インポート/エクスポート スロット」と呼びます。その他にも「メール スロット」、「I/E要素」「コール スロット」と呼ばれることがあります。ライブラリにインポート/エクスポート スロットがあり、有効になっている場合、Retrospectでは、他のスロットのリストの上に独立したスロットとしてそれらが表示されます。ソース ドライブまたは任意のスロットからインポート/エクスポート スロットにテープをドラッグ アンド ドロップすると、ライブラリによって、選択した
テープがポートに移動されます。テープをポートに入れると、Retrospectのインポート/エクスポート スロットの横に「メディア利用可能」と表示され、そこからドラッグ アンド ドロップで任意のスロットまたはドライブに移動できます。

Retrospect では、無人操作中にインポート/エクスポート スロットはスキャンされません。スクリプト バックアップなど無人操作でテープを使用する場合は、インポート/エクスポート スロットにテープを入れないでください。

テープ ライブラリのメディア要求

即時操作や自動操作では、Retrospectによってライブラリのスキャンと適切なメディアの検索が実行され、必要なテープがロードされます。新規または消去済みのテープが必要な場合、条件を満たす最初のテープがロードされ、使用されます。

適切なテープが見つからなかった場合は、[アクティビティ]リストにメディア要求アラートが表示されます。メディアを挿入するまで操作は続行できません。

テープ ライブラリのメディア障害

Retrospectでメディア障害が発生すると、致命的エラーとしてすべての操作が停止します。

テープ ライブラリでは、Retrospectの[書き込み失敗後には新しいメ
ディアを自動的に使用]設定をオンにして、すべての操作の停止を避けることができます。この設定を有効にしているときに、Retrospectでメディア障害が発生すると、次に使用可能なテープが検索され、代わりに使用されます。

メディアの寿命と保管

メディアの寿命はメディアの保管方法と保守方法によって大きく影響を受けます。メディアを保管する際は、メディアの劣化の原因となる湿度、熱、粉塵汚染を避ける必要があります。メディアが劣化すると整合性が失われたり、データ自体が失われることがあります。

磁気メディアの最大の敵は湿気です。直射日光を避け、ヒーターの近くに置かないようにします。過度の気温の変化を避けます。埃やたばこの煙など空気中の粉塵もメディアの劣化の原因となることがあり
ます。

テープは潤滑剤を使うユニークなメディアです。ドライブのヘッドを何度も通過すると、テープの潤滑剤が次第に失われ、故障が発生しやすくなります。1本のテープで数千回のヘッド通過に耐えられるはずですが、テープ操作を実行するたびにヘッドを数回通過する点に注意してください。

防火防煙対策と温湿度管理に対応した建物が理想的なメディア保管場所です。少なくとも、メディアを元の箱に入れ、キャビネットや机の中に保管してください。

複数のバックアップ デバイスに対するRetrospectの動作

運用中、Retrospectは使用可能なバックアップ デバイスから適切なメ
ディアを検索します。メディアが一杯になった場合、または何らかの理由で別のメディアが必要な場合、また使用可能なドライブが検索されます。これは、たとえば、1台のドライブにRetrospectで使用できるテープがあり、夜間に1本目のテープが一杯になったときのためにもう1台のドライブに空のテープを用意されているような場合に便利です。ドライブは2台のLTOドライブなど類似した機構を使用している必要があります。

Retrospect for Macintoshに「先進的なテープのサポート」アドオンがインストールされている場合、複数のドライブに同時に書き込むことが可能です。詳細については、RetrospectのWebサイトを参照してくだ
さい。