What's New in Retrospect – Retrospect Backup 19 + Retrospect Virtual 2022 + Retrospect Cloud Storage

クラウドバックアップ - クラウドストレージによるデータ保護のベストプラクティス

Cloud Backup



title: kb.cloud_best_practices.title created_at: 2016.03.01 updated_at: 2016.03.01 category: Cloud Backup --- :toc: macro :toc-title:


企業データは常に不慮の事故、悪意ある脅威、自然災害によるデータ損失のリスクにさらされています。したがって、オフサイトのデータ保護はあらゆるビジネスのデータ保護戦略に不可欠な要素です。重要データのコピーを別の場所で保存することはデータ損失への防衛手段であり、より一層の保護を提供することになります。さらに、オフサイトでは使われなくなったアーカイブされたコンテンツを安全に保存できます。

サードパーティのクラウドストレージプロバイダーを使ってクラウドバックアップすることで、RetrospectユーザーはWindows、Mac、Linux環境のオフサイトをシームレスに保護することが可能になります。Retrospectは世界的なクラウドストレージプロバイダーのAmazon S3とGoogle Cloud Storage、地域クラウドストレージプロバイダーのDreamHost、Dunkel、ArubaCloud、Numergyをクラウドストレージとして認定しています。認定プロバイダーの一覧はCertified Cloud Storage Providersでご確認ください。

パブリッククラウドストレージの利点

Gartner’s 2015 Magic Quadrant for Public Cloud Storage Services [1] によれば、「カスタマーはコンテンツ配布、メディアストリーミング、アーカイブ、バックアップ、災害復旧などに使用するために、オンプレミス環境をパブリッククラウドストレージで拡張することを検討すべきです」。ガートナーのレポートではAmazon]]とGoogleがパブリッククラウドストレージ市場でのリーダーに指定され、2社の積極的な価格設定と継続的なイノベーションに関して触れています。

Retrospectのクラウドバックアップサポートには多くの利点があります:

  • 費用効率 – AmazonやGoogleなどのパブリッククラウドストレージプロバイダーは、数段階のストレージ容量に対する定額料金体系ではなく、使用分に対して支払う料金体系で最も低いストレージ料金を提供しています。

  • ゼロ知識証明 – 業界標準AES-256暗号化方式で、カスタマーは利用中のクラウドストレージプロバイダーがセキュリティ侵害にさらされても、データと暗号鍵を自分達で確実に保持できます。

  • クラウドストレージへの非依存 – クラウドストレージ分野は急速に進化を遂げています。カスタマーは複数のプロバイダー間を移行しながら常に独自の環境に最適なプロバイダーを見つけることができます。

  • 高度シーディングと大規模リカバリのサポート – バンド幅はクラウドバックアップの制限要因です。Retrospectは初期バックアップにシーディングオプションと大規模リストア状況には大規模リカバリをサポートします。

クラウドバックアップはRetrospectに完全に統合されています。また、セレクターやルール、バックアップセットやメディアセット転送、グルーミング、カタログ再構築など、Retrospectの強力なすべての機能がサポートしています。

クラウドストレージ向けのシーディング

クラウドにアップロードするには時間がかかります。この時間を短縮するため、多数のクラウドストレージプロバイダーがシーディングを提供しています。シーディングを利用すると、お客様はデータをローカルのハードドライブにバックアップしてから、そのハードドライブをクラウドストレージプロバイダーに送信することができます。その後、クラウドストレージプロバイダーが受信したデータをお客様の保管場所にインポートします。この処理方法であれば、お客様は大量のデータをアップロードするより迅速にプロバイダーに送信できるようになります。データのインポートが終われば、お客様はそのRetrospect内の一式データの場所をクラウドの格納先に変えて増分バックアップを開始できます。これは大規模環境で大幅なパフォーマンス向上を実現するシンプルなプロセスです。以下のスクリーンショットを参照してください。

クラウドストレージ向けの大規模リカバリー

クラウドからのダウンロードにも時間がかかります。ダウンロード速度はアップロード速度よりはるかに高速ですが、大容量を復元するとなるとお客様は高速オプションが必要です。「クラウドストレージ向けのシーディング」と同様で、クラウドストレージ向けの大規模リカバリーを使うと、お客様はご利用のクラウドストレージプロバイダーにバックアップセット一式を要求できるようになります。ご利用のプロバイダーがこのサービスを提供する場合は、お客様は自社のデータが入っているハードドライブを発注してお客様の事業所に配送してもらえます。ハードドライブが届いたら、Retrospectを立ち上げ、クラウドセットメンバーの場所を新しいローカルバージョンに編集します。これでRetrospect は大容量の復元を直ちに開始できる状態になります。


バックアップ戦略: Disk-to-Disk-to-Cloud

どんなバックアップ戦略にもローカルおよびオフサイトのデータ保護を組み込んでおく必要があるのですが、Retrospectはこれをクリック2回で可能にしています。効率的な戦略ではお使いのコンピューターのローカルバックアップを実行し、すぐさまそのデータを高速ローカルディスク装置上で保護してから、後でクラウドに転送します。つまり、クラアイントコンピューターを確保して長時間にわたる転送を夜間または週末にずらすというものです。このワークフローは「Disk-to-Disk-to-Cloud」と呼ばれています。

セットアップは簡単です。まず、その週に実行するローカルディスク装置上でお使いのコンピューターを保護するためのバックアップスクリプトを設定します。次に、週末にかけてこれらのバックアップをクラウドセットに転送するため、下に示すように転送スクリプトまたはコピースクリプトを作成します。バックアップスクリプトは毎日お使いのコンピュータをローカルストレージにバックアップし、転送スクリプトは毎週これらのバックアップをクラウドストレージに転送します。

Windows インターフェイス

Mac インターフェイス


バックアップ戦略: 重要文書のオフサイトストレージ

Retrospectなら、クラウドストレージ上の重要文書を迅速かつ容易に保護します。まず、お使いのクラウドストレージ用のクラウドセットを作成します。次に、宛先としてのクラウドセットが入っているコンピューター用のバックアップスクリプトを作成してください。その次に、「オフィス文書」用のセレクターやルールを作成します。拡張子 ("doc"、"pptx"、"xlsx") やパス ("Documents and Settings/John Smith/My Documents/") でファイルを含めることもできますし、除外 ( "mp3" または "m4p" ファイルは対象外) によって対象を絞り込むことも可能です。最後に、下に示すようにバックアップスクリプト用のセレクターやルールを選択します。これでバックアップスクリプトはセレクターやルールに一致する全ファイルをクラウドストレージにバックアップします。

Windows Interface

Mac Interface

複数の戦略を Retrospectに結合することも簡単です。例えば「Disk-to-Disk-to-Cloud」戦略を実行する場合に、「オフィス文書」のセレクターやルールを使って「オフィス文書」のみをクラウドストレージに転送できます。転送スクリプトまたはコピースクリプト用のセレクターやルールとして「オフィス文書」を選ぶだけで、スクリプトがオフィス文書をローカルバックアップからクラウドストレージに転送してくれます。


技術注記

検証の無効化

クラウドストレージをご利用の際は「検証」から「検証なし」に切り替えてください。Retrospectバックアップは自動的に「詳細な検証」に設定されています。この検証プロセスではバックアップセットに書き込まれたファイルと元のソース上のファイルを比較し、バックアップセットとバックアップソースの両方から新しいデータを効果的にリードバックします。 バックアップ検証はこのモードの既定値に設定されているのですが、これはセットが保存される基本的な記憶媒体に関わる問題をRetrospectが直ちに特定できるようにするためです。

ただし、これはクラウドバックアップには不要です。パブリッククラウドストレージプロバイダーは、格納するデータの安全性を保証するため自社のシステムに冗長性とエラーチェックを組み込んでいます。そのうえ、バックアップ中にメディア検証か詳細な検証の検証が有効になっていると、Retrospectは新たに完了したバックアップをクラウドストレージからダウンロードするため、このプロセスにより時間とクラウドデータダウンロード料金の両面で経費を増やす可能性があります。


Last Update: 2016年03月01日