第6章: 災害復旧

その名のとおり、災害とは非常に悪いことが起きることです。バックアップ戦略では、損害を受けたデータを復旧できるように災害時の計画を組み込むことも必要です。この章では、その方法について説明します。災害には、単なるハード ディスク ドライブ障害やコンピュー
タの盗難だけでなく、火災や洪水などの物理的な災害の発生も含まれます。

災害復旧の概要

災害復旧の基本方針は単純ですが、きわめて重要なものです。つまり、すべてをバックアップしなければ、すべてを復元することはできないということです。そのため、お気に入りフォルダのコンテンツだけでなく、保護するすべてのコンピュータのフル バックアップをバックアップ計画全体の一部として含める必要があります。こうすることで、フル バックアップの内容を使用して、すべてのデータを復元できます。

災害からの復旧が必要な場合、復元対象のコンピュータが起動できない場合がよくあります。たとえば、コンピュータのハード ディスク ドライブに障害が発生したときの交換用ディスクには、通常、オペ
レーティング システムがないインストールされていません。
Retrospectでは、バックアップの実行方法に応じて、このタイプの
「ベア メタル」リカバリを複数の復旧方法で行うことができます。

災害復旧の準備

Retrospectには、2種類のバックアップ方法があります。1番目の方法は、バックアップと呼ばれる従来のアーカイブ方法で、新規および変更済みファイルが1つまたは複数のメディア セットに追加され、基本的にRetrospectから認識されるすべてのファイルのアーカイブが作成されます。この方法では、削除済みファイルと旧バージョンのファイ
ルの両方が保存され、ポイント イン タイムでバックアップされた
ファイルをリカバリできます。バックアップからの復元を実行するには、Retrospectアプリケーションを使用する必要があります。

2番目のバックアップ方法は、コピーと呼ばれるクローンに似た処理で、ファイルおよびフォルダを元の形式でターゲットにコピーすることで、ターゲット ディスクとソース ディスクの状態を同じにすることです。この方法は、起動可能なソース ディスクのコピー(元のディスクに起動可能なオペレーティング システムが含まれている場合)を作成できるという利点があるだけでなく、ソースから削除されたファイルをコピーに保存するという選択肢もあります。ただし、この方法には古いバージョンのファイルは保存されないという難点もあり、また、コピーを起動可能にする場合は、保護対象のディスクごとに固有のターゲット ディスクが必要になります。

バックアップおよびコピー処理の実行方法については、第5章の『Working with Retrospect(Retrospectの使い方)』を参照してくだ
さい。

バックアップとコピーのどちらの方法でデータを保護する場合も、基本的な手順は同じで、 別のMacまたは外付けハード ディスク ドライブ(ソースと呼びます)からデータを復元するコンピュータ(ター
ゲットと呼びます)を起動します。

災害およびベア メタル リカバリのオプションでは、機能しているハード ディスクが搭載されたMacをバックアップまたはコピーから完全に復元する必要があることを想定しています(破損、障害、または紛失したハードウェアが交換または修理されている場合)。

カタログの使用

Retrospectのメディア セットには、それぞれに対応するカタログ(実体はデータベース)があり、メディア セットに含まれているファイル、メディア上のファイルの保存場所、およびその他の情報を正確にRetrospectに伝えます。メディア セットから復元するには、メディア セットに関連するカタログにアクセスする必要があります。カタログ ファイルがない場合は、Retrospectのメディア セット ビューの[再構築]ボタンをクリックして、まずカタログ ファイルを再構築する必要があります。メディアをスキャンしてすべてのファイルを読み取る必要があるため、メディア セットのカタログの再構築には時間がかかる場合があります。

デフォルトでは、カタログ ファイルはRetrospectサーバの

/Library/Application Support/Retrospect/Catalogs/ に格納されます。カタログを別のハード ディスク、書き込み可能なDVD、フラッシュ ドライブ、ネットワーク上の別のコンピュータなどの別のストレージ メディアに定期的にコピーしておくことをお勧めします。

カタログ ファイルを保護する手順については、第7章の『カタログおよび構成のバックアップ』を参照してください。カタログを再構築する手順については、同章の『メディア セットの再構築』を参照してください。

Mac OS 緊急ツール ディスクの作成

災害復旧の準備を行う場合、復元するマシンの起動に使用可能な緊急用の外付けハード ディスクを作成すると、非常に便利で多くの時間を節約できます。このディスクには、次を含める必要があります。

  • Mac OS X(起動可能にするため)
  • Retrospectコンソール アプリケーションおよびエンジン(Retrospectバックアップ サーバを復旧する場合)
  • インストール済みのMac Retrospectクライアント(緊急ツール ディスクを使用して、ネットワーク上のRetrospectサーバから
    データを復元する場合)
  • Mac、Windows、Linuxマシン向けのクライアント ソフトウェアが含まれたRetrospectクライアントのインストール フォルダ、およびRetrospectのインストールにより使用するパブリック/プライベート キーのコピー
  • MicromatのTechTool ProやAlsoftのDisk Warriorなどの便利なその他のユーティリティ ソフトウェア

接続方式(USBとFireWire)の選択

緊急ツール ディスクを作成する場合は、USBとFireWire(一部のドライブには両方が装備)のどちらで接続した外付けディスク ドライブを使用するのかを決める必要があります。いずれの接続方法も問題なく機能します。AppleではFireWireをまったく搭載していないIntelベースのマシンも一部で製造されているため、USB接続のドライブを選択する方がお勧めです。ただし、最終的には組織で使用しているMacのモデルに基づいて決定する必要があります。

ディスク パーティション スキームに関する注記

外付けハード ディスク ドライブからMacを起動するのは簡単ですが、いくつかの重要なポイントを覚えておくことが大切です。Intel MacとPowerPC Macでは、それぞれ異なるディスク パーティション スキームが必要になるため、Intel Macの起動用に作成されたディスクからPowerPC Macを起動したり、その逆を行うことはできません。Intel
ベースのMacは、GUIDパーティション テーブル スキームを使用するディスクからのみ起動できます。また、PowerPCベースのMacは、Appleパーティション マップ スキームを使用するディスクからのみ起動できます。

このため、Macを起動するディスクでディスク パーティション スキームが使用されていることを確認する必要があります。Appleディスク ユーティリティ アプリケーションを実行し、チェックするハード
ディスクを選択して、表示されるパーティション スキームを確認することで、使用されているパーティション形式を調べることができます。ディスクの再パーティションを実行してパーティション スキームを変更すると、ディスク上のデータはすべて消去されるので注意が必要です。

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緊急ツール ハード ディスク ドライブを準備するとき、ネットワーク上にIntel MacとPowerPC Macの両方が存在する場合は、それぞれに
フォーマットされた個別の緊急ツール ハード ディスク ドライブを作成する必要があります。

IntelベースのMacでは、USBデバイスが接続されているMacと互換性のあるMac OS X 10.4.5以降が含まれている外付けUSBストレージ デバイスからの起動をサポートしています。復元するMacのバージョンより古いバージョンのMac OS Xは、使用しないでください。Retrospectコンソール アプリケーションには、Mac OS X 10.5.5以降が必要です(ただし、Retrospectクライアントおよびエンジンは、Mac OS X 10.4.11以降でも実行できます)。

注: Mac OS 10.6(Snow Leopard)では、PowerPCベースのMacのサ
ポートを中止したため、PowerPCベースのマシンの起動には使用できません。Mac OS X 10.5.8(Leopard)をオペレーティング システムとして緊急ツール ディスクにインストールすることをお勧めします。

通常バックアップからのMacの復元

Retrospectのバックアップ方法を使用して、ターゲットとなるMacを以前にバックアップしたことがある場合は、バックアップ済みデータはメディア セットに含まれているため、Retrospectを使用して復元する必要があります。

FireWireターゲット ディスク モードの使用

FireWireポートが装備されたMacには、ターゲット ディスク モードと呼ばれる、災害復旧の際に役立つ特別なハードウェア機能があります。この機能により、Mac(この場合はデータを復元するMac)をFireWireを介して別のMac(ネットワークの代わりにFireWireを介した高速リストアができるため、Retrospectサーバが望ましい)に接続できる外付けハード ディスク ドライブに変えることができます。ターゲット ディスク モードは、FireWire 400またはFireWire 800ポートで動作します(FireWire 800を使用した方がデータ転送は高速になります)。

FireWireターゲット ディスク モードを使用して復元を実行するには、次の手順に従います。

  1. ターゲットMac(データを復元するマシン)をターゲット ディスク モードで起動するには、マシンの電源を投入した直後に
    キーボードのTキーを押し続けます。FireWireのシンボルが表示され、画面上を動き出したら、Tキーを離します。これで、Macはターゲット ディスク モードになり、FireWireケーブルを使って別のMacと接続できます。
  2. ソースMac(Retrospectエンジンがインストールされている必要があるMac)の電源が入っていることを確認し、ターゲットMacとソースMacをFireWireケーブルで接続します。ターゲットMacのハード ディスクは、他の外付けドライブであるかのように、ソースMacのデスクトップに表示されます。
  3. ソースMacの[Finder]で[情報を見る]をクリックし、復元するターゲットMacのボリュームの情報を表示して、[このボ
    リューム上の所有権を無視]オプションがオフになっていることを確認します。このオプションがオンになっている場合、
    ファイルおよびフォルダの権限をターゲット ディスクに正しく復元できなくなります。
  4. Retrospectコンソールを起動します。
  5. (オプション)カタログ ファイルが使用できない場合は、バックアップ メディアから必要なカタログを再構築します。手順の詳細については、第7章の『メディア セットの再構築』を参照してください。カタログ ファイルをバックアップからコピーした場合は、Retrospectにカタログ ファイルを認識させる必要があります。[メディア セット]カテゴリーで[検出]をクリックし、カタログ ファイルの保存場所に移動し、[OK]をク
    リックしてカタログを利用可能なメディア セットのリストに追加します。
  6. Retrospectツールバーで[リストア]をクリックします。[アシスタントの復元]ウィンドウが表示されます。
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  8. 「ソース ボリューム全体またはお気に入りフォルダを前の時点に復元する」を選択し、[続行]をクリックします。[バックアップの選択]パネルが表示されます。
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  10. 復元する特定の時点を反映するバックアップを選択します。
  11. 注: リストでは、ポイント イン タイムを選択した場合、特定バックアップの実行時にバックアップされたファイルだけが表示されることがあるため、それらのファイルだけが復元の対象になると思われがちですが、 手順7で選択した内容に従って、ソース ボリュームのすべてのファイルが復元されます。

    たくさんのバックアップがある場合、[マシン]または[メ
    ディア セット]でリストを並べ替えると見つけやすくなります。並べ替えの基準となる列の見出しをクリックします。並べ替え順を逆にするには、再度見出しをクリックします。希望のバックアップを見つけ、それを選択したら、[続行]をクリックします。[デスティネーションの選択]パネルが表示され
    ます。

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  12. 宛先ボリュームの名前の横のラジオ ボタンをクリックし、[続行]をクリックします。コピーのソースと宛先を再マップした[リストア オプション]パネルが表示されます。
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  14. 復元を実行する準備ができたら、[今すぐ開始]をクリックします。
  15. 復元が完了したら、ターゲット ディスク モードのMacのディスクを取り出し、通常どおりに起動します。

Restoring a Mac using an Emergency Tools disk

In this method of disaster recovery, you will start up the Mac using your previously prepared Emergency Tools hard drive. Follow these steps:

  1. Connect your Emergency Tools hard drive to the Mac you want to restore. Turn on the drive and then start the Mac. Since the Mac should not have an operating system, the Mac should find and boot from the Emergency Tools hard drive. If necessary, hold down the Option key on the keyboard to choose which disk will be used as the startup disk.
  2. Launch Retrospect and add the catalog file for the Media Set that you want to restore from.
  3. In the Retrospect toolbar, click Restore. The Restore Assistant window appears.
  4. Choose “Restore an entire source volume or favorite folder to a previous point in time,” then click Continue. The Select Backup pane appears.
  5. Look through the list of backups until you find the backup that reflects the point in time to which you want to restore. When you have found and selected the backup you want, click Continue. The Select Destination pane appears.
  6. Click the radio button next to the name of the destination volume on the client to be restored, then click Continue. The Restore Options pane appears, recapping the source and destination of the copy.
  7. When you are ready to perform the restore, click Start Now.
  8. When the restore is complete, shut down the Mac by choosing Shut Down from the Apple menu.
  9. Disconnect the Emergency Tools disk, then start the restored Mac normally.

緊急ツール ディスクを使用したMacクライアントの復元

この災害復旧方法では、以前に準備した緊急ツール ハード ディスク ドライブを使用してターゲットMacを起動し、Retrospectクライアント コンピュータとして復元します。次の手順を実行します。

  1. 緊急ツール ハード ディスク ドライブをターゲットMacに接続します。電源を投入し、ターゲットMacを起動します。ター
    ゲットMacにはオペレーティング システムがないため、緊急
    ツール ハード ディスク ドライブから起動する必要があります。必要に応じて、キーボードのOptionキーを押し続け、起動ディスクとして使用するディスクを選択します。
  2. Retrospectサーバで、復元するクライアントにログインします。
  3. Retrospectツールバーで[リストア]をクリックします。[アシスタントの復元]ウィンドウが表示されます。
  4. 「ソース ボリューム全体またはお気に入りフォルダを前の時点に復元する」を選択し、[続行]をクリックします。[バックアップの選択]パネルが表示されます。
  5. ポイント イン タイムを反映する復元対象のバックアップをバックアップのリストから見つけます。希望のバックアップを見つけ、それを選択したら、[続行]をクリックします。[デス
    ティネーションの選択]パネルが表示されます。
  6. 復元するクライアント上の宛先ボリュームの名前の横のラジオ ボタンをクリックし、[続行]をクリックします。コピーの
    ソースと宛先を再マップした[リストア オプション]パネルが表示されます。
  7. 復元を実行する準備ができたら、[今すぐ開始]をクリックします。
  8. 復元が完了したら、Appleメニューから[システム終了]を選択して、Macをシャットダウンします。
  9. 緊急ツール ディスクの接続を切断し、復元されたターゲットMacを通常どおりに起動します。

ライブ リストアの実行

ライブ リストアは、Macの現在使用中の起動ディスクよりも新しい
バージョンまで復元する方法です。これは、機能しているMacを以前のポイント イン タイムに復元する必要がある場合にいつでも使用でき、復元を実行するための2番目のコンピュータまたは緊急ツール起動ディスクがない場合にも使用できます。次の手順を実行します。

  1. Macが起動しない場合は、Mac OS XをターゲットMacにインストールします。この場合、オペレーティング システムのバー
    ジョンは、バックアップ済みデータのバージョンと同じにする必要があります。より新しいバージョンのMac OS Xをインストールしなければならない場合は、この章で後述する『新しいMacのOSがバックアップされたOSより新しい場合の対処方法』の手順を参照してください。
  2. Retrospectクライアント ソフトウェアをターゲットMacにインストールします。
  3. Retrospectサーバで、復元するクライアントにログインします。
  4. Retrospectツールバーで[リストア]をクリックします。[アシスタントの復元]ウィンドウが表示されます。
  5. 「ソース ボリューム全体またはお気に入りフォルダを前の時点に復元する」を選択し、[続行]をクリックします。[バックアップの選択]パネルが表示されます。
  6. ポイント イン タイムを反映する復元対象のバックアップ(通常は最新のバックアップ)をバックアップのリストから見つけます。希望のバックアップを見つけ、それを選択したら、[続行]をクリックします。[デスティネーションの選択]パネルが表示されます。
  7. ターゲットMacクライアントの起動ボリュームである宛先ボ
    リュームの名前の横にあるラジオ ボタンをクリックし、[続行]をクリックします。コピーのソースと宛先を再マップした[リストア オプション]パネルが表示されます。警告メッセージの「警告: <ディスク名>の他のファイルはすべて削除されます」は、バックアップに含まれているファイルより新しいファイルがディスク上に存在する場合、新しいファイルは削除されることを示しています。
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  9. 復元を実行する準備ができたら、[今すぐ開始]をクリックします。
  10. 復元が完了したら、Appleメニューから[再起動]を選択して、Macを再起動します。再起動すると、Macは復元された状態になります。

Macをコピーから復元する

Retrospectのコピー処理を使用した場合、災害復旧はきわめて簡単に実行できます。その名のとおり、コピー スクリプトを実行すると、ソース ディスク上のすべてのファイルとまったく同じコピーが別のハード ディスク上に作成されるため、起動可能なディスクになります。コ
ピーが含まれているディスクから交換用Macを起動すると、すぐに作業に戻ることができますが、他のバックアップの場合と同様、最後にコピーが実行されてから作成または変更されたファイルは利用できないというのが唯一の欠点です。

コピーからの起動と復元

多くの場合、コピー処理は1台の外付けハード ディスク ドライブで実行します(ただし、複数ドライブを搭載したエンクロージャなど、非標準のハードウェア設定を使用することもできます)。修理済みMacの内蔵ドライブに復元するには、次の手順に従います。

  1. コピーが含まれているハード ディスク ドライブを、起動して復元するMacに接続します。
  2. 外付けドライブの電源を投入し、Macの電源を投入します。Macにオペレーティング システムがインストールされている場合は、電源の投入時にOptionキーを押したままにします。これにより、起動マネージャが起動され、起動が可能なボ
    リュームが表示されます。
  3. キーボード上の左矢印および右矢印キーを使用して、使用するボリューム(この場合は、コピー バックアップが含まれた外付けドライブ)を選択します。
  4. キーボード上のReturnキーを押して、選択したボリュームからコンピュータを起動します。
  5. 起動プロセスが完了したら、バックアップ ディスクから起動したコンピュータを使用できます。
  6. Retrospectのコピー アシスタントを使用して、バックアップ
    ディスクの内容を内蔵ドライブにコピーし、内蔵ドライブの
    ファイルを置き換えます。手順の詳細については、第5章の
    『コピー アシスタントの使用方法』を参照してください。

コピーから復元してからライブ リストアを実行する

災害復旧が必要なMacのバックアップが複数存在する場合があります。たとえば、最新のコピーと、それよりも新しい通常のバックアップがある場合です。この場合、コピーを使用してターゲットMacを迅速に復元し、通常のバックアップに含まれているより新しいファイルを使用して最新バージョンのファイル、アプリケーション、および
ユーザー設定を復元するのが理想的です。

このような復元処理を実行するには、この章で前述した『コピーからの起動と復元』の手順を実行してから、『ライブ リストアの実行』の手順に従います。

新しいMacのOSがバックアップされたOSより新しい場合の対処方法

場合によっては、バックアップ済みの古いバージョンのMacより新しいバージョンのMac OS Xを使用する必要があるターゲットMacへの復元が必要になることがあります。 このような場合は、対処法として次の2つの方法があります。

  1. 古いMacの最新のバックアップを外付けハード ディスク ドライブに復元し、新しいMacの移行アシスタント アプリケーションを使用して、アプリケーションとユーザー データを外付けドライブからコピーします (最適な結果が得られるのは、この方法です)。
  2. Retrospectの[選択したファイルとフォルダを復元する]オプションを使用して、復元するアイテムを手動で選択します(この方法は面倒なやり方なので、外付けハード ディスク ドライブを購入して、1番目の方法を実行することをお勧めします)。選択したファイルおよびフォルダの復元に関する詳細については、第5章の『復元アシスタントを使って復元ファイルとフォルダを見つける』を参照してください。

Windowsクライアントの復元

次の手順では、ネットワーク上のWindowsクライアントのボリューム全体を復元する方法について説明します。これらの手順では、新たに消去したディスクに、以前バックアップしたマシンにインストールされていたのと同じバージョンのWindowsの新しいコピーがインストールされていることを想定しています。

バックアップ コンピュータから実際に復元処理を実行する前に、まずクライアント コンピュータがネットワークで機能することを確認する必要があります。

下記の手順では、クライアント コンピュータのハード ディスク ドライブの内容を以前のバックアップの内容(「すべてのファイル」の
バックアップ)に完全に置き換えます。

  1. 新しいWindowsシステム ソフトウェアを新たにフォーマットしたハード ディスクにインストールします。このボリュームから再起動します。
  2. セットアップ プログラムを使用して、第1章の『Microsoft Windowsを実行しているマシンへのRetrospectクライアント エージェントのインストール』の説明に従って、Retrospectクライアント ソフトウェアをインストールします。
  3. Retrospectコンソールの[ソース]カテゴリーで、古いクライアントを削除し、新しいクライアントを追加します。
  4. Retrospectツールバーで[リストア]をクリックします。[アシスタントの復元]ウィンドウが表示されます。
  5. 「ソース ボリューム全体またはお気に入りフォルダを前の時点に復元する」を選択し、[続行]をクリックします。[バックアップの選択]パネルが表示されます。
  6. ポイント イン タイムを反映する復元対象のバックアップをバックアップのリストから見つけます。希望のバックアップを見つけ、それを選択したら、[続行]をクリックします。[デス
    ティネーションの選択]パネルが表示されます。
  7. 宛先ボリュームの名前の横のラジオ ボタンをクリックし、[続行]をクリックします。コピーのソースと宛先を再マップした[リストア オプション]パネルが表示されます。
  8. 復元を実行する準備ができたら、[今すぐ開始]をクリックします。
  9. クライアント コンピュータを再起動します。
  10. Retrospect Helperサービスが自動的に実行され、レジストリおよびシステム状態の復元が終了します。処理が終了すると、コンピュータは使用できるようになります。

Linuxクライアントの復元

次の手順では、ネットワーク上のLinuxクライアントのボリューム全
体を復元する方法について説明します。これらの手順では、新たに消去したディスクに、Linuxオペレーティング システムのディストリ
ビューションの新しいコピーがインストールされていることを想定しています。

バックアップ コンピュータから実際に復元処理を実行する前に、まずクライアント コンピュータがネットワークで機能することを確認する必要があります。

下記の手順では、クライアント コンピュータのハード ディスク ドライブの内容を以前のバックアップの内容(「すべてのファイル」の
バックアップ)に完全に置き換えます。

  1. 新しいLinuxオペレーティング システム ソフトウェアを新たにフォーマットしたハード ディスクにインストールし、元のシステムと同じマウント ポイントを必ず作成します。このボリュームから再起動します。
  2. セットアップ プログラムを使用して、第1章の『Linuxを実行しているマシンへのRetrospectクライアント エージェントのインストール』の説明に従って、Retrospectクライアント ソフト
    ウェアをインストールします。
  3. Retrospectコンソールの[ソース]カテゴリーで、古いLinuxクライアントを削除し、新しいクライアントを追加します。
  4. Retrospectツールバーで[リストア]をクリックします。[アシスタントの復元]ウィンドウが表示されます。
  5. 「ソース ボリューム全体またはお気に入りフォルダを前の時点に復元する」を選択し、[続行]をクリックします。[バックアップの選択]パネルが表示されます。
  6. ポイント イン タイムを反映する復元対象のバックアップをバックアップのリストから見つけます。希望のバックアップを見つけ、それを選択したら、[続行]をクリックします。[デス
    ティネーションの選択]パネルが表示されます。
  7. 宛先ボリュームの名前の横のラジオ ボタンをクリックし、[続行]をクリックします。コピーのソースと宛先を再マップした[リストア オプション]パネルが表示されます。
  8. 復元を実行する準備ができたら、[今すぐ開始]をクリックします。
  9. クライアント コンピュータを再起動します。

Mac OS X の「リカバリ HD」パーティションについて

Mountain Lion および Lion のインストールプロセスにより、Mac の起動ディスクには非表示の「リカバリ HD」パーティションが追加されます。プライマリの起動ボリュームに問題が発生した場合、Mac の起動に使用できます。このパーティションは、Retrospect やディスクユーティリティでは表示されません。

Retrospect ユーザーは、リカバリ HD パーティションに関する情報を把握しておいてください。

  • このパーティションを作成すると、起動ボリュームのサイズが変更されるので、Lion または Mountain Lion にアップデートした後、Retrospect が起動ボリュームを 2 回ソースビューに表示する可能性があります。この場合、ソースリストの元のボリュームを削除し、他の任意のフォルダを再定義してください。
  • リカバリ HD パーティションを含むディスクは再パーティション化され、ディスクユーティリティなどのアプリケーションで消去されます。新しいハードドライブをインストールすると、リカバリ HD パーティションは存在しなくなります。 このディスクで OS X インストーラを実行すると、リカバリ HD パーティションを再作成します。