# retro.ini [Options] MaxFileBlockLevelBackups=30 NumDaysAllowedSinceLastBlockLevelBackup=31
Retrospect には更新されたファイル部分のみをバックアップする機能が付きました。Window 向け Microsoft Outlook や FileMaker など多くのアプリケーションには、常に少しずつ更新されている大容量ファイルがあります。バックアップスクリプトでブロックレベルの増分バックアップを有効にした後、次に行うのは修正ファイルのフルバックアップです。大容量ファイルについては、その後バックアップスクリプトを用いて増分バックアップが行われ、前回のバックアップから更新されたブロックのみが保存されます。この機能を用いてバックアップファイルを復元させる場合、Retrospect はまずフルバックアップ、次にそれ以降の増分を復元させます。例えば、5度バックアップされたファイルを復元するには、 Retrospect はそのファイルの最初のフルバックアップを復元し、それから4回の増分をそれぞれ復元することになります。
ブロックレベルの増分バックアップは既存の Retrospect のファイルレベル機能と連携します。バックアップにセレクターやルールを使う場合、選択したファイルだけにフルバックアップまたは増分バックアップが行われます。マッチングを有効にすると、バックアップセットにマッチングバージョンのあるファイルが全てスキップされます。ソフトウェア圧縮を有効にすると、ブロックレベルの増分が圧縮されてバックアップセットに保存されます。ファイルのブロックレベルの増分バックアップを含むスナップショットやバックアップセットを転送すると、そのファイルの完全版につながる一連の過去の増分が自動的に転送されます。グルーミング時にグルーミング方針に従ってファイルの増分が保存される場合、そのファイルの完全版につながる一連の過去の増分が自動的に保存されます。
ブロックレベルの増分バックアップは様々な種類のバックセット (ディスク、ファイル、テープ等) と連携します。
ブロックレベルの増分バックアップが有効化されると、特定の大容量ファイルをバックアップする時にストレージの大量保存が可能な場合があります (時として日常利用の90%超)。
Application | File Type | Use | Savings |
---|---|---|---|
Microsoft Outlook 2013 for Windows |
.pst |
Daily use with 100 new emails |
95% |
Microsoft Outlook 2011 for Mac |
Database |
Daily use with 100 new emails |
93% |
Microsoft Entourage 2008 for Mac |
n/a |
Daily use with 100 new emails |
95% |
Microsoft Exchange 2013 |
.edb |
Daily use |
90% |
FileMaker Pro 13 |
.fmp12 |
Add 20 records |
85% |
VMware Fusion 5 for Mac |
.vmdk |
Install 100 Windows Updates |
60% |
VMware Fusion 5 for Mac |
.vmdk |
Install Office then VM snapshot |
70% |
特定のアプリケーションがどのようにデータを保存・修正するかによって、ブロックレベルの増分バックアップによるストレージ保存が異なる場合があります。Retrospect は、ブロックレベルの増分バックアップのメリットが得られない既知のあらゆるファイルタイプを自動的に排除します。その他は簡単に追加できます。詳しくは オプション を参照してください。
ブロックレベルの増分バックアップはスクリプトとウィザードのオプションで、全ての種類のバックアップセットやメディアセットと一緒に利用できます。この機能はデフォルトではオフになっていますが、有効無効にいつでも切り替えられます。ブロックレベルの増分バックアップが一旦有効になると、各新規ファイルや更新ファイルは初回にフルバックアップされます。それ以降のバックアップでは、適用ファイルの更新ブロックだけがバックアップされます。詳しくは 技術的な詳細 を参照してください。
オプションはバックアップ、アーカイブおよびプロアクティブスクリプトのオプションで選択できます。
ブロックレベルの増分バックアップが有効化されると、100MB以上のファイルはデフォルトで増分バックアップされます。それより小さなファイルは、リストアのオーバーヘッドが増分バックアップのメリットを上回るため自動的にフルバックアップされます。詳しい情報は オプション を参照ください。
デジタルメディアファイルについては、一部のメディアオーサリングアプリによりほんの僅かな編集でもファイルが大幅に変更されてしまいます。このような場合、ブロックレベルの増分バックアップのメリットは限定的なものとなります。
バックアップの実行中に、Retrospect はバックアップしているファイル全体のサイズを表示します。完了すると Retrospect は実際にバックアップされた増分のサイズを表示します。
以下の例は2つの更新ファイルのバックアップ完了を示すオペレーションログです。一つのファイル全体のサイズは100MBで、そのうち5MBが前回のバックアップから更新されています。もう一つのファイルサイズは1MBで、ブロックレベルの増分バックアップのデフォルト要件を満たしていないためフルバックアップされています。この結果、実際のバックアップサイズは約6MB (6,147KB) になりました。このバックアップではソフトウェア圧縮がオフになっているため、94%圧縮というログ数値はブロックレベルの増分バックアップによりバックアップサイズが94%縮小されたことを示しています。
ブロックレベルのインクリメンタルバックアップが有効になると、進捗パネルで表示されるデータの量はオペレーティングログに一覧で表示される量と異なる可能性があります。Retrospect はファイルのサイズに基づいてバックアップされるべきデータを計算します。しかしログの最終的な数字はデータがどれだけバックアップされたかに基づいています。この最終的なサイズはブロックレベルのインクリメンタルバックアップおよびソフトウェア圧縮の両方を通してどれだけ保存されたかによって異なります。
ブロックレベルの増分バックアップが有効になると、100MB 以上のファイルはデフォルトで増分バックアップされます。それより小さなファイルは、リストアのオーバーヘッドが増分バックアップのメリットを上回るため自動的にフルバックアップされます。これはブロックレベルフィルタというルールやセレクターでカスタマイズが可能です。ブロックレベルフィルタはファイルのバックアップ方法を制御します (すなわち、ファイルをフルバックアップするか増分バックアップするかを決定します)。バックアップするファイルを選択するには、バックアップスクリプトの代わりに他のルールやセレクターの一つ (キャッシュファイルやユーザーファイルを除く全てのファイルと設定など) を選択します。
「コンフィギュア」のブロックレベルフィルタ > セレクター:
ブロックレベルの増分バックアップには他に2つの閾値 (バックアップ回数と前回のバックアップから経過した日数) があります。ファイルの最近30件のバックアップが全て増分かまたは直近のバックアップからの経過日数が31日を超えている場合、増分バックアップの連続性を壊してしまう (一部のバックアップを復元不能にしてしまう) ストアレージメディアの喪失リスクを減らすため、Retrospect はフルバックアップを自動的に行います。これらの設定は retro.ini でカスタマイズできます。
# retro.ini [Options] MaxFileBlockLevelBackups=30 NumDaysAllowedSinceLastBlockLevelBackup=31
ブロックレベルの増分バックアップは旧バージョンの Retrospect では復元できません。ブロックレベルの増分バックアップのためにバックアップスクリプトを有効にすると、関連するバックアプセットが旧バージョンの Retrospect で作成されている場合、それらをアップグレードするよう指示されます。バックアップセットと旧 Retrospect バージョンの互換性を維持するには、アップグレード指示をキャンセルすれば、ブロックレベルの増分バックアップは無効のままになります。
ブロックレベルの増分バックアップの速度とサイズは、特定のアプリケーションがどのようにデータを保存・修正するかによって左右されます。Apple Mailのようなアプリケーションは各アイテム (電子メールや文書) を別個のファイルとして保存します。これらの小さなファイルが変更されると、Retrospect はファイル全体を迅速にバックアップします。他のアプリケーションには沢山のアイテム、データベース、ディスクイメージが保存されているので、ブロックレベルの増分バックアップを使えばこれらのバックアップパフォーマンスが最も向上します。映画、写真、音楽などのアイテムについては、編集しない限りファイル自体に変更はありません。Retrospect の対応機能を備えた標準バックアップで十分間に合います。
バックアップスクリプトでブロックレベルの増分バックアップを有効化した後、次回の新規ファイルや更新ファイルのバックアップはフルバックアップになります。以降のバックアップでは、適用ファイルの2MBブロックをそれぞれ過去のバックアップのチェックサムと比較して、更新のあったブロックだけがバックアップされます。ブロックレベルの増分バックアップを利用できないファイルについてはフルバックアップが行われます。