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管理
ここでは、バックアップセットやスクリプトを管理するためのさまざまな作業を実行する方法やレポートの参照、スクリプトの管理について説明します。いくつかのバックアップ計画も示します。また、Retrospect の使用方法についてのアドバイスや、オープンファイルバックアップについての、また Retrospect を他のソフトウェアと組み合わせる際のヒントなど、より効果的なバックアップのためのテクニックについても説明します。
バックアップ計画
本項では、ご使用のコンピュータ、またはネットワーク全体のバックアップ計画について紹介します。各案を検討し、お使いの状況に合った計画を選んでください。その計画を、ご自身の状況やニーズに合わせて調整します。いずれの計画も利用せず、ご自身で独自に計画を立案してもかまいません。ここで紹介する計画は事例にすぎず、Retrospect では、多種多様な計画を何件でも作成することができます。ただし、バックアップ計画を作成する際は、バックアップの基本ルールを覚えておいてください。
計画の作成を成功させるためには、Retrospect で使用可能なさまざまなバックアップ動作を組み合わせることが不可欠です。詳しくは、バックアップ動作を参照してください。
バックアップの基本ルール
Retrospect はデータを安全に保護するための高度な機能を備えていますが、その機能は以下の基本的なバックアップルールに従うことで、最大限に発揮することができます。
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定期的なバックアップを行うこと。バックアップしていないデータを復元することはできません。たとえば、最も新しいバックアップが 1 週間前のもので、今日ハードディスクが故障してしまったら、1 週間にわたって蓄積してきたデータを失うことになります。スクリプト設定による自動バックアップ機能は確実に実行されるので、すべてのデータを頻繁にバックアップするのに効果的です。
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複数のバックアップを保管すること。各種バックアップセット間でローテーションを行うこと。バックアップセットの数が多ければ、メディアの紛失や損傷によって、データを失う可能性が少なくなります。
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古いメディアは、定期的なスケジュールに従って、使用を停止してください。定期的に新規バックアップセット バックアップを実施して、新しいメディアを追加してください。すべてのバックアップを 1 つのメディアセットに入れておくのは、障害への脆弱性の点で非常に危険です。(バックアップセット内の1つのテープが破損するだけで、バックアップ全体が使用できなくなります。)バックアップ計画における新しいメディアの利点は、復元の速度にもあります。メンバーが多いメディアセットやバックアップを繰り返したメディアセットから復元するよりも、少数のメディアメンバーから復元する方が実行速度が速くなります。
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バックアップセットの名前には、その内容やローテーションの頻度を表す、意味のある文字列を使用してください。その名前を記したラベルを、メディアの分かりやすい位置に貼り付けます。
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火災、盗難、その他の自然災害から保護するため、最低でも 1 つのバックアップセットを通常とは別の離れた場所に保存すること。
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バックアップコンピュータ自体もバックアップすること。Retrospect の設定やカタログ作成には、おそらく相当の時間や手間がかかっているはずです。
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バックアップメディアを慎重に取り扱うこと。メディアは保管環境によって損傷を受けやすいものです。メディアは数百回程度の使用で磨耗することもあります。詳しくは、メディアの寿命と保存を参照してください。
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バックアップを必ず検証すること。バックアップ中に「完全」か「メディア」のいずれかの検証オプションを使用するか、バックアップ終了後に検証スクリプトか「メディアの検証」コマンドを使用します。
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カタログファイルは、専用のバックアップセットにバックアップしてください。詳しくは、カタログのバックアップを参照してください。
1 台ごとのバックアップ計画
単一のコンピュータをバックアップする場合には、以下の計画が役立つでしょう。複数のコンピュータをバックアップすることが必要な場合には、ネットワークのバックアップ計画を参照してください。
1 台ごとの計画 1- 起動書類
スケジュールを持たないバックアップスクリプトを作成し、起動書類として保存します。詳しくは、スクリプトの手動実行を参照してください。バックアップ動作を標準に設定します。同じスクリプトから 2 つめの起動書類を作成しますが、今回はバックアップ動作を書き替えに設定します。
標準バックアップの起動書類は、毎日など、バックアップが必要だと思うときに起動してください。書き替えバックアップの起動書類は、毎週など、バックアップセットの量や項目が増えてきたときに実行してください。
他のメディアセットとのローテーションや運用環境外でのメディアの保管を行うため、「オプション」タブの「メディア制御」に関する説明に従ってバックアップセットを設定し、定期的に新規バックアップセットを作成して新規メディアを導入してください。
1 台ごとの計画 2- スケジュールされたスクリプト
バックアップスクリプトを作成し、スケジュールを設定して自動実行します。曜日指定スケジュールを追加して、月曜日から木曜日までは標準バックアップを実行し、金曜日には書き替えバックアップを実行します。
各スケジュールは、次のようになります。
他のメディアセットとのローテーションや運用環境外でのメディアの保管を行うため、「オプション」タブの「メディア制御」に関する説明に従ってバックアップセットを設定し、定期的に新規バックアップセットを作成して新規メディアを導入してください。
ネットワークのバックアップ計画
クライアントコンピュータから構成されるネットワークをバックアップする必要がある場合には、どの種類のバックアップスクリプトを使用するかを決定する必要があります。以下の表は、ProactiveAI Backup スクリプトと通常のバックアップスクリプトのどちらが適しているかを示します。
ProactiveAI Backup が適切な状況 | バックアップスクリプトが適切な状況 |
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専用のバックアップコンピュータがある。 |
バックアップコンピュータは他の役割も果たしている。 |
非常に多くのデータを持つ、非常に多くのクライアントがあるため、一晩ですべてをバックアップするのは困難。 |
クライアントコンピュータの朝の使用が始まる前に、スケジュールされたバックアップは完了する。 |
バックアップの遅れを取り戻すために、通常のバックアップスクリプトでは完全にはバックアップできない特定のクライアント用に、特別なスクリプトと基本バックアップを作成している。 |
クライアントコンピュータの朝の使用が始まる前に、スケジュールされたバックアップは完了し、バックアップのやり残しが生じることはまれ。 |
ランダムにネットワークに出現する、モバイルのクライアントやポータブルドライブのボリュームがある。 |
ネットワークにあるのはデスクトップ型コンピュータだけで、リムーバブルディスクやノート型コンピュータはない。 |
バックアップデバイス内にどんなメディアがあるかにはかかわりなく、Retrospect でそのメディアにバックアップを行うことを望む。 |
自動バックアップを行う際には常に、前もって正しいメディアを挿入しておくことが可能。 |
ProactiveAI Backup を含む計画の使用を決めた場合は、ネットワーク計画 4- 基本的な ProactiveAI Backupに進んでください。
ネットワーク計画 1- スケジュールされたスクリプト
バックアップスクリプトを作成します。3 つのバックアップセットを使用するよう、宛先を設定してください。曜日指定スケジュールを追加して、3 週ごとに 1 週間、特定のバックアップセットを宛先とするスクリプトを毎日実行します。同様のスケジュールを追加して、やはり 3 週ごとに 1 週間(最初のスケジュールの翌週)、第 2 のバックアップセットを宛先とするスクリプトを毎日実行します。同様のスケジュールを追加して、やはり 3 週ごとに 1 週間(第 2 のスケジュールの翌週)、第 3 のバックアップセットを宛先とするスクリプトを毎日実行します。
3 つのスケジュールは、次のようになります。
この計画には、書き替えバックアップと新規バックアップセット バックアップのスケジュールは含まれていません。そのため、適切な時期に書き替えバックアップと新規バックアップセット バックアップを行うためのバックアップセットを、手動で設定する必要があります。詳しくは、「オプション」タブを参照してください。
ネットワーク計画 2- 書き換えと新規メディアローテーションを行うスクリプトスケジュール
バックアップスクリプトを作成します。3 つのバックアップセットを使用するよう、スクリプトの宛先設定を変更してください。曜日指定スケジュールを追加して、3 週ごとに、月曜から木曜まで、最初のバックアップセットに標準バックアップを実行します。曜日指定スケジュールを追加して、3 週ごとの金曜に、最初のバックアップセットを宛先とする書き替えバックアップを行います。2 番目と 3 番目のバックアップセットに関しても、同様のスケジュールを追加します。ただし、それらの開始日付は、それぞれ 1 週間および 2 週間後に設定します。最後に、繰り返し間隔スケジュールを追加して、6 週ごとに、バックアップセットの 1 つに対して、新規バックアップセット バックアップを行います(新規バックアップセット バックアップの後に、古いバックアップセットのメディアは、安全に保管できるよう、運用環境外に移してください)。
スケジュールは、次のようになります。
ネットワーク計画 3- 毎日バックアップセットのローテーションを行うスクリプトスケジュール
5 つの宛先バックアップセットを持つスクリプトを作成します。5 つのバックアップセットには、Monday から Friday までの英語の曜日名を付けます。それぞれ、対応するバックアップセットにバックアップを行う、5 つの曜日指定スケジュールを追加します。5 つの繰り返し間隔スケジュールを追加します。4 つは 月曜 から 木曜 までのバックアップセットにそれぞれ対応しており、第 1 週は 月曜、第 2 週は 火曜 のように、対応するバックアップセットに 4 週間に一度、置き換えバックアップを行うようにします。残り 1 つの繰り返し間隔スケジュールは Friday に対応しており、繰り返し間隔スケジュールを月の最終金曜日に設定して、この日に Friday バックアップセットに新規バックアップセット バックアップを実行させます。(古いバックアップセットのメディアは、安全に保管できるよう、運用環境外に移します)。
スケジュールは、次のようになります。
この新規バックアップセット バックアップは、曜日指定スケジュールによる Friday への標準バックアップと同じ時刻に実行されるようにスケジュール設定してください。Retrospect は、新規バックアップセット バックアップが標準バックアップと同じ時刻に設定されている場合、新規バックアップセット バックアップだけを実行します。時刻が異なっていると、両方のバックアップが実行されます。
ネットワーク計画 4- 基本的な ProactiveAI Backup
すべての元クライアントをバックアップする、ProactiveAI Backup スクリプトを作成します。ユーザの仕事の妨げにならないように、週中は午後 7:00 から午前 7:00 まで、そして週末は一日中、動作するように設定します。バックアップ間隔は 12 時間に設定します。
ネットワーク計画 5- モバイルコンピュータを含む基本的な ProactiveAI Backup
上記の基本的な ProactiveAI Backup スクリプトを複製します。モバイルクライアントだけが元ボリュームになるようにします。それらのボリュームをオリジナルのスクリプトから削除します。新しいスクリプトは、18 時間のバックアップ間隔で、1 日 24 時間動作するように設定します。
ProactiveAI Backup を含む計画を立てる場合は、ProactiveAI Backup に関するヒントとテクニックを参照してください。より効率的な計画を立てる上で役立つ情報が含まれています。
ネットワーク計画 6- オンデマンドの ProactiveAI Backup
すべての元クライアントをバックアップする、ProactiveAI Backup スクリプトを作成します。スケジュールは、1 日 24 時間動作するように、アクティブなままにしておきます。バックアップ間隔オプションは、Retrospect が 99 日ごとにバックアップを行うように設定します。早期バックアップを許可するスクリプトオプションはオンにしておきます。この計画を初めて実行する際の最初のバックアップと、それ以後の 99 日ごとのバックアップを除くと、クライアントは、コントロールパネルから指示を与えない限りバックアップされません。この計画では、ユーザに対して、各自の責任をはっきり伝えておくことが必要ですし、できれば、通常のバックアップスクリプトを併用するのが最善です。
段階的バックアップ計画
Retrospect は、単独のコンピュータと、ネットワーク上のコンピュータ群のどちらにも、段階的バックアップを実行できるように設計されています。段階的バックアップとは、ディスクへのバックアップを実行し、その後でテープにバックアップを転送するバックアップ形態のことです。このバックアップでは、ディスクとテープの両方の利点が活かされます。
ディスクは、ネットワーク上のコンピュータから転送される膨大なデータを速やかに格納するメディアとして優れており、テープに直接バックアップする場合に比べ、より高速にバックアップできます。ディスクにバックアップしたデータは、容易にテープに転送できます。ディスクからテープへの転送では、ネットワークのボトルネックが存在しないため、データが安定した速度で効率的に供給され、テープドライブも最大限の性能を発揮できます。バックアップを保存したテープは、運用環境外の安全な場所に保管できます。ディスクのバックアップは運用環境に残し、迅速な復元に利用できます。
Retrospect には、段階的バックアップ計画の立案に役立つ多くの機能があります。ここでは、それらの機能を組み合わせる方法のいくつかを示します。実際には、以下の機能を柔軟に組み合わせて、きわめて多様な段階的バックアップ計画を作成することが可能です。
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Retrospect Web サイトには、ディスク-ディスク-テープ段階的バックアップ計画の導入に関する詳細を記載したページがあります。
段階的バックアップ計画 1- グルーミングとバックアップセット転送
すべての元クライアントをバックアップする ProactiveAI Backup スクリプトを最初に作成します。このスクリプトが営業日には午後 7 時~午前 7 時の間、週末には一日中動作するようにスケジュールを設定します。バックアップ間隔は 12 時間に設定します。
グルーミングを有効にしたディスクバックアップセットを宛先として使用し、バックアップ元のクライアントごとに、少なくとも最新 10 回分のバックアップが保持されるようにグルーミングオプションを設定します。この設定によって、過去 10 日分のクライアントデータを速やかに復元できる環境が整います。
指定するグルーミングポリシーは、バックアップするデータの量と、バックアップ先のディスクの容量に左右されます。
ディスクバックアップセットのデータを 1 週間に一度、テープバックアップセットに転送するバックアップセット転送スクリプトを作成します。バックアップを保存したテープは運用環境外の安全な場所に保管しておき、グルーミングによってディスクバックアップセットから削除された古いデータの復元に使用できます。
バックアップセットをテープに転送すると、ディスクバックアップセットの完全な冗長コピーが確保されます。テープにはディスクバックアップセット内のすべてのスナップショットが含まれ、これらの各スナップショットが作成された時点の状態に、クライアントコンピュータを復元できます。
段階的バックアップ計画 2- グルーミングとスナップショット転送
すべての元クライアントをバックアップする ProactiveAI Backup スクリプトを最初に作成します。このスクリプトが営業日には午後 7 時~午前 7 時の間、週末には一日中動作するようにスケジュールを設定します。バックアップ間隔は 12 時間に設定します。
グルーミングを有効にしたディスクバックアップセットを宛先として使用し、バックアップ元のクライアントごとに、少なくとも最新 10 回分のバックアップが保持されるようにグルーミングオプションを設定します。この設定によって、過去 10 日分のクライアントデータを速やかに復元できる環境が整います。
指定するグルーミングポリシーは、バックアップするデータの量と、バックアップ先のディスクの容量に左右されます。
ディスクバックアップセットのデータを 1 週間に一度、テープバックアップセットに転送するスナップショット転送スクリプトを作成します。復元元スナップショットウィンドウで、「各復元元に対する最新のスナップショット」の転送を選択します。最初の転送の結果は、「代用フル」バックアップと呼ばれます。代用フルバックアップには、同じ時点でフルバックアップを実行した場合と同じファイルが含まれますが、バックアップに要する時間とネットワーク負荷はフルバックアップより大幅に少なくなります。続いて行われる各転送では、復元先に存在しないスナップショットとファイルだけがコピーされます。
バックアップを保存したテープは運用環境外の安全な場所に保管しておき、グルーミングによってディスクバックアップセットから削除された古いデータの復元に使用できます。
最新のスナップショットをテープに転送すれば、毎週、週末の時点(転送スクリプトの実行時点)における全クライアントのフルバックアップを確保できます。このフルバックアップには、同じ週の前日までのスナップショットは_含まれません_(これらのスナップショットは、グルーミングで削除されるまでディスクバックアップセット内に残ります)。
ログとレポート
Retrospect のレポート機能では、ログとレポートにより、実行履歴やエラーメッセージを確認できます。トラブルを診断する場合は、これらを参照して不良の原因を調べておく必要があります。Retrospect のナビゲーションバーから「レポート」をクリックし、ログとレポートの概要ウインドウにアクセスします。
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Retrospect でエラーが発生した場合やメディアが必要な場合などに、電子メール通知を出すように設定できます。詳細については、電子メール環境設定を参照してください。
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バックアップレポートには、ローカルおよびネットワークボリュームのそれぞれに対するバックアップ操作の詳細な記録が表示されます。
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操作ログには、Retrospect の実行、処理、結果、エラー等の記録が表示されます。
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セッション内容には、特定のバックアップセッションで実際にバックアップされたファイルが表示されます。
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データベースバックアップ履歴には、すべてのデータベースバックアップが一覧されます。バックアップの種類とバックアップセットに関する情報も含まれています。詳しくは「SQL Server Agent」および「Exchange Server Agent」を参照してください。
バックアップレポートの表示
「レポート」>「バックアップレポート」を順にクリックすると、バックアップレポートが表示されます。バックアップレポートの例を以下に示します。
Retrospect が繰り返し新しい情報を追加する操作ログとは異なり、バックアップレポートは、バックアップが行われるごとに完全に更新されます。バックアップ管理者は、最近のバックアップで生じた問題点を、ボリューム単位で確認できます。
バックアップレポートについて
バックアップレポートは、標準フォーマットとパフォーマンスデータフォーマットの 2 種類のフォーマットで表示できます。フォーマットの切り替え方法については、バックアップレポートのカスタマイズを参照してください。
どちらのフォーマットにも、次の情報が含まれています。
「ユーザ/ボリューム」は、元ボリューム名です。ログインしている場合には、クライアントコンピュータ名もリストされます。ボリュームの下には、そのボリュームの前回のバックアップの日時が表示されています。
「スクリプト」は、最後に成功したバックアップの、スクリプトの名前です。
レポート内の行を選択して、「スクリプトを編集」ボタンをクリックすれば、それが参照しているスクリプトを開くことができます。レポート内の行を選択して、「ログを検索」ボタンをクリックすれば、操作ログを相互参照できます。レポート内にリスト表示されている行は、選択して、「編集」メニューから「消去」を選択するか、Delete キーを押せば、消去できます。スクリプトを消去するか、バックアップセットを削除すると、その情報はレポートから削除されます。この結果、ボリュームのバックアップ済みを示すレポートが、バックアップ未実行のレポートに変わることがあります。
標準フォーマットのバックアップレポートには、「ユーザ/ボリューム」と「スクリプト」の他に、以下の情報が含まれています。
「経過日数」は、バックアップ後の日数です。
「エラー」は、それぞれのバックアップで発生したエラーや警告を表示します(操作ログ内でエラーを見つけるには、「ログを検索」コマンドを使用します)。
「バックアップセット」は、最後に成功したバックアップに使用されたバックアップセットの名前です。
パフォーマンスデータフォーマットのバックアップレポートには、「ユーザ/ボリューム」と「スクリプト」の他に、以下の情報が含まれています。
「時間」は、時間と分単位で、バックアップの継続時間を示します。大きな値は、元ボリュームでのバックアップの必要度が大きいことを示している場合があります。
「MB」は、そのボリュームからバックアップされたデータ量を、メガバイト単位で示したものです。
「MB/Min」は、元ボリュームからのバックアップ速度を、毎分メガバイト単位で示したものです。異常に遅い場合には、ネットワーク、バックアップデバイス、または他のハードウェアに問題があるかもしれません。
Retrospect では実行パフォーマンスのしきい値を指定できます。しきい値は、クライアントバックアップの速度が異常に遅いときに、バックアップを取りやめる基準として役立ちます。詳しくは、クライアント実行オプションを参照してください。
バックアップレポートのカスタマイズ
「レポートオプション」を使用すれば、バックアップレポートを標準フォーマットやパフォーマンスデータフォーマットで表示したり、レポートに入力されるイベントタイプやイベント日付、その他のさまざまなオプションを指定したりできます。「バックアップレポート」ツールバーの「レポートオプション」アイコンをクリックすると、変更するためのダイアログボックスが表示されます。
このオプションを使用して、バックアップレポートをカスタマイズします。
バックアップレポートの動作
バックアップレポートは、バックアップイベントのデータベースです。毎回のバックアップが完了すると、Retrospect は、データベースに新しいバックアップイベントを追加します。元ボリューム、宛先ボリューム、およびスクリプトの組み合わせごとに、成功しなかったバックアップの試みすべてと、成功したバックアップの最新のものを保存します。
スクリプト、元ボリューム、またはバックアップセットを削除すると、その項目のバックアップイベントがバックアップレポートデータベースから削除されます。
イベントの削除
バックアップレポートからイベントを削除するには、ツールバーの「イベントの削除」アイコンをクリックします。ダイアログボックスが表示され、以下の実行イベントをレポートから削除することができます。
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最近無事終了したバックアップを除くすべて
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無事終了したバックアップすべて
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終了しなかった試みすべて
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1 週間以上前の項目
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実行項目すべて
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すべての ProactiveAI Backup イベント
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これらのオプションの中で、ProactiveAI Backup イベントに影響を及ぼすのは、「すべての ProactiveAI Backup イベント」だけです。
特定の実行イベントを右クリックし、「削除」を選択することによって、バックアップレポートからその実行イベントを削除できます。
ProactiveAI Backup は、バックアップレポートに基づいて、ボリュームの前回のバックアップ日時を判定します。バックアップレポートからイベントを削除した場合、その関連ボリュームがアクティブな ProactiveAI Backup スクリプトの元ボリュームであれば、ProactiveAI Backup はそのボリュームの優先順位を高くして、すぐにバックアップを試みます。
操作ログ内のイベント検索
バックアップレポートの行を選択して、「ログを検索」ボタンをクリックすると、操作ログ内のそのイベントに関する詳細情報が表示されます。
イベントスクリプトの編集
バックアップレポートの行を選択して「スクリプトを編集」をクリックすると、スクリプトの概要ウィンドウが開き、実行結果としてそのイベントを生成したスクリプトが表示されます。
基本操作を使用してボリュームをバックアップした場合、バックアップレポートではそれが「スクリプト」列に示されます(「基本バックアップ」など)。
バックアップレポートの印刷とエクスポート
バックアップレポートを印刷するには、レポートを表示し、「ファイル」メニューから「プリント…」を選択します。レポートの一部だけを選択した場合は、その部分だけが印刷されます。特定の部分を選択しなかった場合は、レポート全体が印刷されます。バックアップレポートをテキストファイルとしてエクスポートするには、レポートを表示し、「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択します。
ログ環境設定で説明している環境設定オプションを設定して、Retrospect にバックアップレポートを自動的にエクスポートさせることもできます。
操作ログの表示
操作ログには、バックアップや復元などの操作中に生成された、すべてのメッセージが保存されます。トラブルを診断する場合は、ログを確認して不良の原因を調べておく必要があります。
操作ログを表示するには、「レポート」>「操作ログ」を順にクリックするか、「ウィンドウ」メニューから「ログ」を選択します。
以下の例は、操作ログに表示される内容のサンプルです。
ログには、正常に終了した各操作に関して以下の情報が示されます。
「コピー済」は、コピーされたファイルの数とサイズを示します。Retrospect のデータ圧縮機能を使用した場合は、そのセッションの圧縮率も表示されます。
「保存されたスナップショット」は、バックアップセットに保存されたボリュームスナップショットのサイズを示します。
「パフォーマンス」は、コピーの速度を 1 分当たりのメガバイト数で示します。検証をオンにした場合は、他の性能を表す数値も表示されます。
「時間」は、動作が完了するまでにかかった総時間を示します。実行中に「一時停止」ボタンをクリックしたり、メディアの挿入が遅れたりした場合は、待機時間も別に表示されます。待機時間の数値には、テープドライブの位置指定動作や、他の必要な動作で消費された時間も含まれます。
ログ項目の検索
Retrospect では、以下に示すコマンドを使って操作ログ内の項目を検索できます。「操作ログ」ウインドウと「編集」メニューには、次のようなコマンドがあります。
後方検索:このツールバーコマンドを選択すると、検索するテキストを入力するよう促されます。「OK」をクリックすると、Retrospect は、ログの現在の選択項目から始めて、(上から下にではなく)下から上に検索します。これは、最新の操作が、ログの最下部に記録されているからです。
もう一度後方検索:「検索」コマンドや「後方検索」コマンドの後に使用すると、前回指定したのと同じテキストを、下から上に向けて検索します。
検索:「編集」メニューでこのコマンドを選択すると、検索するテキストを入力するよう促されます。「OK」をクリックすると、現在選択している項目から、下へ向かって検索を行います。
次を検索:「検索」コマンドまたは「後方検索」コマンドの後に使用すると、同じテキストをもう一度、下へ向けて検索します。ログの終わりに達すると、先頭に戻って検索を続行します。
前を検索:「検索」コマンドや「後方検索」コマンドの後に使用すると、同じテキストをもう一度、上に向けて検索します。ログの先頭に達すると、終わりに戻って検索を続行します。
ログの消去
操作ログの内容を削除するには、ログを表示し、ツールバーの「ログ消去」アイコンをクリックします。
ログは通常、手動で消去する必要はありません。ログファイルのサイズが、環境設定で指定した上限(ログ環境設定を参照)に達すると、古いログ項目から自動的に削除されます。
ログの印刷とエクスポート
操作ログを印刷するには、ログを表示し、「ファイル」メニューから「プリント…」を選択します。ログの一部だけを選択している場合は、その部分が印刷されます。特定の部分を選択していない場合は、ログ全体が印刷されます。
操作ログをテキストファイルとしてエクスポートするには、ログを表示して、「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択します。
ログ環境設定で説明している環境設定オプションを設定して、Retrospect に操作ログを自動的にエクスポートさせることもできます。
セッションの内容の表示
内容レポートでは、バックアップまたはアーカイブのセッションで、バックアップセットにコピーされたファイルを表示することができます。
バックアップセットの内容を表示するには、ナビゲーションバーの「レポート」をクリックしてから、「セッションの内容」をクリックします。
上部のリストボックスから、内容を見たいバックアップセットを選択します。(別のバックアップセットにアクセスするには、「更に」をクリックします。)バックアップセットを選択すると、選択したバックアップセットに対応するバックアップセッションが下部のリストボックスに表示されます。内容を見たいバックアップセッション(複数可)を選択します。
この時点で、「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択して、リストをテキストファイルとしてエクスポートすることもできますし、「参照」をクリックすることもできます。「参照」をクリックした場合には、選択したセッション時にバックアップされたファイルとフォルダのリストが、ブラウザウィンドウに表示されます。
ブラウザウインドウのツールバーでは、リストの印刷やテキストファイルへのエクスポート、特定のファイルの検索やファイルプロパティの参照、特定のファイルの取り込み、表示形式の変更が行えます。複数のバックアップセッションについて、複数のブラウザウィンドウを同時に表示することもできます。上記と同じ手順で、複数のセッションを選択してください。エクスポートの際には、Retrospect は表示フォーマットにかかわりなく、ファイル名、サイズ、作成日付、作成時刻、修正日付、修正時刻、バックアップ日付、バックアップ時刻、Mac OS のタイプ、Mac OS のクリエータ、バックアップセット、およびパスの順で、フィールドをエクスポートします。
ブラウザウインドウとメニューの使い方については、ブラウザを参照してください。
実行オプション
Retrospect には、バックアップ、複製、アーカイブ、転送、復元の各操作(基本操作およびスクリプトによる操作)の実行方法を設定する多くのオプションがあります。たとえば、バックアップスクリプトで、ソフトウェアデータ圧縮をオンにし、クライアントコンピュータの時計を同期させるよう設定することができます。オプションの設定は、基本操作の設定中でも、スクリプトの編集中でも行えます。実行オプションは、実行中の操作やスクリプトだけに適用されるローカルなオプションです。すべての操作とスクリプトに適用されるオプションではありません。
Retrospect には、すべての操作の実行に適用されるグローバルな環境設定もあります。詳しくは、Retrospect の環境設定を参照してください。
基本操作やスクリプトのオプションを設定するには、概要ウィンドウの「オプション」ボタンをクリックしてから「追加選択」をクリックし、分類ごとにグループ化されている利用可能なオプションの全リストを表示します。それぞれの分類のオプションを表示するには、リスト内の分類名をクリックします。
オプションのオンとオフを切り替えるには、該当するオプションのチェックボックスまたはラジオボタンをクリックします。いくつかのオプションは日付や時刻を設定するコントロールを使用しており、他のものは数値やテキストを入力するようになっています。分類内のいずれかのオプションをデフォルト設定から変更すると、分類名は太字で表示されます。「デフォルトを使用」をクリックすると、表示されているオプションはすべて、デフォルトの状態に戻ります。「基本選択」をクリックすると、基本オプションウィンドウに戻ります。
ProactiveAI Backup の間隔オプション
これらのオプションは、ProactiveAI Backup スクリプトだけに適用されます(ProactiveAI Backup スクリプトについては、ProactiveAI Backup スクリプトを参照してください)。
バックアップの間隔:n 日/時間:これは、バックアップの最小時間間隔を指定するもので、デフォルトでは 1 日になっています。それぞれの元ボリュームは、可能な場合には、必要性の順位に従ってバックアップされます。クライアントユーザがバックアップを開始する場合を除き、これより短い時間間隔でバックアップが行われることはありません。
早期バックアップを行う:このオプションがオンの場合(デフォルト)、クライアントユーザは、バックアップ間隔を無効にして、Retrospect クライアントのコントロールパネルからバックアップを開始することができます。早期バックアップを要求しても、必ずしも、直ちにユーザのボリュームが優先リストのトップに来るわけではありません。まず、他の元ボリュームの処理が行われます。ProactiveAI Backup がクライアントのポーリングを行って、早期バックアップの要求が出されていることを知るのはその後です。その時点で、ProactiveAI Backup は、クライアントの元ボリュームのバックアップを行います。
ProactiveAI Backup のカウントダウンオプション
これらのオプションは、ProactiveAI Backup スクリプトでのみ利用できます。
カウントダウン時間:Retrospect は、バックアップ開始までの残り時間がここで指定した値になると、クライアントユーザにそのことを通知して、カウントダウンを始めます。デフォルトの時間は 20 秒です。(ゼロを入力すると、Retrospect はカウントダウンをスキップします)。クライアントコンピュータの元ボリュームをバックアップする場合、Retrospect はクライアントにダイアログボックスを表示します。このダイアログボックスには、カウントダウンメッセージ(後述)が表示されます。また、バックアップを延期するためのボタンや、カウントダウンを迂回して、直ちにバックアップを開始するためのボタンもあります。クライアントユーザが何もしなかった場合には、カウントダウンの値がゼロになると、Retrospect はバックアップを行います。
カウントダウンメッセージを入力:カウントダウン時間オプションでの設定に従って、バックアップのカウントダウンが始まると、このボックスに入力したテキストが、クライアントユーザに表示されます。「%%script%%」というテキストは、実行中のスクリプト名で書き替えられます。
ProactiveAI Backup のポーリングオプション
これらのオプションは、ProactiveAI Backup スクリプトでのみ利用できます。
元ボリュームのチェックの間隔:n 秒/分:Retrospect はこの時間ごとに、元ボリュームがバックアップ可能かどうかをチェックします。デフォルトでは 90 秒です。バックアップの実行中は、元ボリュームのチェックは行いません。
クライアントの接続間隔:n 秒/分:Retrospect はこの時間ごとに、クライアントにアクセスして、ユーザがクライアントのバックアップスケジュールを変更したか、または早期バックアップを要求したかどうかをチェックします。デフォルトでは 5 分です。バックアップの実行中は、クライアントへの接続は行いません。
再試行までの時間:n 分/時間:バックアップが失敗したかキャンセルされた場合に、元ボリュームのバックアップを再度試みるまでの待ち時間です。デフォルトでは 30 分です。
バックアップ実行オプション
これらのオプションは、バックアップ操作と ProactiveAI Backup スクリプトでのみ利用できます。
標準バックアップ:基本バックアップだけで利用できるオプションです。標準バックアップで説明している標準バックアップ(差分バックアップ)を実行します。
書き替えバックアップ:基本バックアップだけで利用できるオプションです。書き替えバックアップで説明している書き替えバックアップを実行します。
スクリプトによるバックアップの場合は、スクリプトのスケジュールを設定するときに、標準バックアップと書き替えバックアップのどちらかを選択できます。詳しくは、スケジュールの共通要素を参照してください。
検証:照合をオンにするとバックアップにかかる時間は長くなりますが、バックアップセットに情報が正しく書き込まれたことを確認することができます。Retrospect には、2 つの照合方法があります。
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完全検証では、バックアップ後に、バックアップ先のバックアップセット内のファイルとバックアップ元のファイルが照合され、ファイルが正しくコピーされたかどうかが確認されます。バックアップが複数のテープ、CD/DVD、またはディスクにわたる場合は、データが書き込まれたすべてのメンバーを再挿入する必要があります。
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メディア検証では、バックアップ先のバックアップセット内のファイルが、バックアップ中に生成される MD5 ダイジェストと比較されます。この方法では、バックアップ元ファイルの再読み取りは行われず、したがって完全検証を使用した場合には検出可能な問題でも、この方法では識別されません。ただし、メディア検証には次のようなメリットがあります。バックアップ後に Retrospect がボリュームを再スキャンする必要がないため、完全検証より高速であり、またバックアップ元ボリュームへの負担も小さくなります。また、バックアップ処理中に Retrospect がメディア検証を実行するため、複数のメディアにわたるバックアップでもバックアップセットメディアを再挿入する必要はありません。
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メディア検証オプションは、Retrospect の「バックアップ処理中に MD5 ダイジェストを生成」設定を無効にしている場合は利用できません。詳しくは、検証環境設定を参照してください。
検証スクリプトと「メディアの検証」コマンドではいずれも、バックアップセットメディアを検証する際に、可能であればメディア検証が使用されます。詳しくはスクリプトによる検証およびバックアップセットメディアの検証を参照してください。
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検証スクリプトと「メディアの検証」で複数のメディアにわたるバックアップを検証する場合は、メディアの再挿入が_要求されます_。
ソフトウェアデータ圧縮:「ソフトウェアデータ圧縮」では、ファイルを圧縮してからバックアップセットにコピーするので、バックアップセットの容量を節約することができます。復元の実行時には自動的に解凍され、元の状態に戻されます。圧縮による節約スペースは、「状況」ウィンドウと操作ログに表示されます。節約できる量は、圧縮するファイルのタイプによって異なります。テキストファイルは圧縮率が高く、アプリケーションファイルやシステムファイルは低くなります。データ圧縮をオンにすると、バックアップや復元にかかる時間は長くなります。
圧縮機能を内蔵したテープデバイスにコピーする場合は、より高速なハードウェア圧縮を優先させるため、ソフトウェア圧縮は自動的にオフになります。Retrospect は、内蔵の圧縮フィルタを使用して、WinZip などの圧縮ユーティリティで圧縮済みのファイルを識別し、ソフトウェア圧縮から除外します。「ソフトウェアデータ圧縮」オプションの初期設定はオフです。
アーカイブ実行オプション
これらのオプションは、アーカイブ操作でのみ利用できます。
アーカイブ操作には、バックアップ実行オプションで説明している「検証」、「ソフトウェアデータ圧縮」に加え、「ファイルを移動」オプションがあります。アーカイブは、ファイルを移動する点以外はバックアップと同じです。
ファイルを移動:このオプションは、コピー後に、元ボリュームからファイルを削除します。完全検証かメディア検証がオンで、ファイルの内容が完全に一致しない場合は、複製元のファイルは削除されません。「ファイルを移動」オプションをオンにする場合は、「完全検証」オプションも必ずオンにしてください。元ボリュームのファイルを削除する前に、最低 1 回は、検証オプションをオンにしてアーカイブ、バックアップまたは複製を行っておいてください。Retrospect クライアントコントロールパネルで読み込みアクセスだけを許可している場合には、Retrospect は、クライアントコンピュータのファイルを移動することはできません。デフォルトでは、このオプションはオフです。
関連するオプションを、ファイル実行オプションで説明しています。
「ファイルを移動」オプションを使用する前に、コピーだけして別のバックアップセットにアーカイブします。こうすれば、一方のバックアップセットが使用できなくなっても適正に対処することができます。
詳しくは、アーカイブに関するヒントを参照してください。
複製実行オプション
これらのオプションは、複製操作でのみ利用できます。
完全検証:これは、バックアップ実行オプションで説明したオプションと同じです。複製操作ではバックアップセットメディアが関与しないため、メディア検証オプションはありません。
バックアップレポートをアップデート:このオプションをオンにすると、Retrospect は複製操作をバックアップと同様に扱い、バックアップレポートへの情報の追加や更新を行います。
ファイル実行オプション
これらのオプションは、複製、アーカイブ、復元操作でのみ利用できます。
ファイルを移動:複製操作でのみ利用可能なオプションで、コピー後に、元ボリュームからファイルを削除します。完全検証オプションがオンで、ファイルの内容が完全に一致しない場合は、複製元のファイルは削除されません。「ファイルを移動」オプションをオンにする場合は、「完全検証」オプションも必ずオンにしてください。元ボリュームのファイルを削除する前に、最低 1 回は、検証オプションをオンにしてアーカイブ、バックアップまたは複製を行っておいてください。Retrospect クライアントコントロールパネルで読み込みアクセスだけを許可している場合には、Retrospect は、クライアントコンピュータのファイルを移動することはできません。デフォルトでは、このオプションはオフです。以下の関連するオプションも参照してください。
「ファイルを移動」オプションはアーカイブ操作にもあります。詳しくは、アーカイブ実行オプションを参照してください。
空のフォルダを削除しないで移動:このオプションを利用できるのは、アーカイブと複製の操作だけです。移動の結果空になったフォルダを、自動的に削除することはせず、そのまま残します。デフォルトでは、このオプションはオフです。
日付の修正更新:このオプションは、復元操作でのみ利用できます。復元したファイルの修正日付と時刻を、Retrospect が現在の日付と時刻に合わせます。デフォルトでは、このオプションはオフです。
転送実行オプション
これらのオプションを利用できるのは、バックアップセットとスナップショットの転送操作だけです(スクリプトで実行する場合、ナビゲーションバーの「ツール」から実行する場合の違いを問いません)。
スナップショットをコピー:バックアップセット転送だけで利用できるオプションです。バックアップセットに含まれるすべてのスナップショットを、宛先のカタログとメディアにコピーします。このオプションのデフォルトはオンです。このオプションをオフにした場合も、バックアップセットのスナップショットに含まれるすべてのファイルがコピーされますが、スナップショットはコピーされません。
Retrospect, Inc.このオプションの設定はデフォルト(オン)のまま変更しないことを推奨します。「スナップショットをコピー」をオフにすると、スナップショットによる復元が不能になり、復元するファイルの検索が必要になります。また、システムの状態やセキュリティ情報の復元も不能になります。
メディア検証:このオプションでは、バックアップ先のバックアップセット内のファイルが、転送中に生成される MD5 ダイジェストと比較されます。転送操作に関与するのはスナップショットとバックアップセットだけであるため、完全検証オプションはありません。
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メディア検証オプションは、オリジナルのバックアップではなく転送中に生成された MD5 ダイジェストに依存するため、Retrospect の「バックアップ処理中に MD5 ダイジェストを生成」設定を無効にしている場合でも利用できます。
ソフトウェアデータ圧縮:データ圧縮を使用すると、ファイルが宛先バックアップセットにコピーされる前に圧縮されるため、バックアップメディアの消費を抑制できます。復元の実行時には自動的に解凍され、元の状態に戻されます。圧縮による節約スペースは、「状況」ウィンドウと操作ログに表示されます。節約できる量は、圧縮するファイルのタイプによって異なります。テキストファイルは圧縮率が高く、アプリケーションファイルやシステムファイルは低くなります。データ圧縮をオンにすると、転送や復元にかかる時間は長くなります。
Retrospect は、内蔵の圧縮フィルタを使用して、WinZip などの圧縮ユーティリティで圧縮済みのファイルを識別し、ソフトウェア圧縮から除外します。
圧縮機能を内蔵したテープデバイスにコピーする場合は、より高速なハードウェア圧縮を優先させるため、ソフトウェア圧縮は自動的にオフになります。「ソフトウェアデータ圧縮」オプションの初期設定はオフです。
転送後に元バックアップセットの書き替え:転送成功後に転送元バックアップセットを書き換えます。書き換えは、バックアップセットの内容を示すカタログファイルの項目を消去し、バックアップ済みファイルが 1 つもない状態にします。書き換えたバックアップセットを次回、宛先として使用するときには、バックアップセットの最初のメンバーが検索され、その内容が消去された後、ファイルがコピーされます。バックアップセットに既存ファイルが存在しない状態になっているため、選択したすべてのファイルがコピーされます。
転送元のバックアップセットを書き換える前に、その中のすべてのデータが失われてもかまわないことを確認してください。
どの中間のデータベーススナップショットでも転送する:フルバックアップ以外の種類のバックアップ(ログ、増分、差分など)で作成されたデータベーススナップショットが転送元に含まれる場合に、選択されたデータベーススナップショットの作成日時の時点における最新状態に、元のデータベースを戻すために必要なすべてのバックアップを転送します。これにより、複数のスナップショットを手動で転送する必要がなくなります。
データベース復元オプション
このオプションは、SQL または Exchange データベースを復元する場合にのみ利用できます。
どの中間のスナップショットでも復元する:フルバックアップ以外のバックアップタイプ(ログ、増分、差分など)からデータベーススナップショットを選択した場合、Retrospect は、選択したスナップショットを復元する前に、最新のフルバックアップと必要な基本バックアップを復元します。これにより、複数のスナップショットを手動で復元する必要がなくなります。
この動作を変更するには、このオプションをオフにします。ほとんどの場合、このオプションは初期設定のままにしておきます。
取り込み実行オプション
これらのオプションは、現在のファイルか、より古いファイルを検索して、基本復元を行う場合にのみ利用できます。
最新バージョンのみ:検索基準と一致するファイルのうち、Retrospect は、バックアップセットに最後に追加されたものだけを使用します。古いセッションのファイルは無視します。初期設定ではこのオプションはオフになっており、Retrospect は、古いセッションおよび最新のセッションの一致するファイルを使用します。
最小フォルダ構成:必要最小限の階層構造で、オリジナルのフォルダにファイルを復元します。空のフォルダは復元しません。このオプションのデフォルトはオフです。
カタログファイル実行オプション
このオプションは、複製、復元、転送を除く、すべてのタイプの操作で利用できます。
復元用に元スナップショットを保存:このオプションは、Retrospect に対して、ボリュームスナップショットをカタログに保存し(古いスナップショットがあれば置き換える)、バックアップメディアにもスナップショットの別のコピーを保存するように指示するものです。デフォルトでは、このオプションはオンです。
スナップショットは、Retrospect の基本となる重要な要素です。詳細は、スナップショットを参照してください。このオプションをオフにした場合に生じる結果については、時間と容量を節約するためにスナップショットを保存しない場合の結果は?を参照してください。
クライアント実行オプション
これらのオプションは、復元と転送を除くすべてのタイプの操作で利用できます。ただし、これらのオプションが適用されるのは、Retrospect クライアントコンピュータをバックアップする場合だけです。
バイト単位でファイルを比較:このオプションは、Retrospect の高速クライアント比較を無効にし、ローカルのバックアップと同じ方法でファイルの検証を行うようにします。このオプションをオフにすると、Retrospect は、コピーされたファイルの検証の際に、より高速な、チェックサムベースの方式を使用します。どちらの方式でも、バックアップされたデータとオリジナルファイルを、信頼性の高い仕方で比較します。初期設定では、このオプションはオフになっています。そのままにしておくのがよいでしょう。
検証をオフにしているかメディア検証を選択している場合、このオプションは何の影響も及ぼしません。
最低速度:このオプションはスクリプトでのみ利用できるもので、遅すぎるバックアップを防止する点で役立ちます。ここに入力する数値は、クライアントコンピュータへのアクセス速度として受け入れ可能な最低値を決めます。Retrospect は、操作に先立ってクライアントへのネットワーク接続をテストしますが、ネットワークやクライアントが十分な速度で動作していないことを検出した場合には、操作を終了して、エラーを記録します。
このオプションは、Proactive Client Backup が、LAN にダイアルアップで接続しているノートブックコンピュータのボリュームをバックアップしようとした場合などに、それを防止する上で役立ちます。
Retrospect は、処理の開始時に一度だけ、クライアントの接続速度をチェックします。次に説明する、実行性能のしきい値オプションを使えば、より総合的なコントロールを行えます。
実行性能のしきい値:このオプションはスクリプトでのみ利用できるもので、遅すぎるバックアップを防止する点で役立ちます。これは、非常に遅いクライアントのために時間を浪費する代わりに、待ち行列によるバックアップや、他の操作の実行を可能にします。ここに入力する数値は、クライアントでのデータコピーのパフォーマンスとして受け入れ可能な最低値を決めます(分あたりのメガバイト単位)。Retrospect はクライアントのパフォーマンスを連続して測定し、更新します。最初のうち受け入れ可能なパフォーマンスが出ていても、後ほど最低値より下がった場合には、Retrospect は実行を中止します。初期設定では最低値は 0 に設定されていますが、この場合、Retrospect は実行のパフォーマンスを評価せず、パフォーマンスが低くても実行を中止しません。
同期クロック:このオプションは、各クライアントコンピュータの日付と時刻を、バックアップコンピュータの時計と一致させます。これは、時刻と日付を一致させる点で、また特に、夏時間と通常時間の切り替えが行われる際に有用です。Retrospect クライアントコントロールパネルで読み込みアクセスだけを許可している場合には、Retrospect は、クライアントコンピュータのクロックを同期させることはできません。デフォルトでは、この同期オプションはオフです。
照合実行オプション
これらのオプションは、複製と復元を除く、すべてのタイプの操作で利用できます。
元ボリュームをカタログファイルと照合:標準バックアップ中に、以前にバックアップしたファイルと照合するオプションです。Retrospect は、元ボリューム上のファイルを、バックアップセットカタログ中のファイル情報と比較します。Windows でのファイル照合基準は、名前、サイズ、作成日、および修正日です。Mac OS でのファイル照合基準は、名前、サイズ、タイプ、クリエータ、作成日、および修正日です。 Linux および でのファイル照合基準は、名前、サイズ、および修正日です。Retrospect は、これらの基準がすべて一致した場合、ファイルは既にバックアップされているものと見なします。基本バックアップの設定時にプレビューブラウザを開くと、既にバックアップされたファイルの前には、ひし形のマークが表示されます。
初期設定では、アーカイブ操作の照合オプションはオフになっています。この場合は、バックアップセット内に同じファイルがあっても、選択したファイルはすべてアーカイブされます。「ファイルを移動」オプションを選択しない場合、アーカイブスクリプトとバックアップスクリプトの違いは照合だけです。
転送操作では、このオプションは「元カタログファイルを宛先カタログファイルと照合」という名前になっており、転送先のカタログファイル内に存在しないファイルとスナップショットだけをコピーします。
重複ファイルをバックアップセットに追加しない:このオプションは、「元ボリュームをカタログファイルと照合」オプションと組み合わせることにより、以前にバックアップされたファイルが、バックアップセットに再び追加されないようにします。標準の Progressive バックアップを行う場合、つまり、新しいファイルか修正されたファイルだけをバックアップセットにコピーする場合には、これらのオプションを両方ともオンにしてください。このオプションをオフにすると、Retrospect は、標準バックアップを行うたびに、以前にバックアップしたファイルも含めて、すべてのファイルをバックアップセットに追加します。デフォルトでは、このオプションはオン(アーカイブ操作の場合を除く)になります。変更する必要性がない限りオンのままにしておかなければなりません。
同一場所のみ照合:このオプションは、「元ボリュームをカタログファイルと照合」がオンの場合にのみ利用できます。元ボリュームと宛先ボリュームのファイルが同一かどうかを判断する基準が厳しくなります(通常は、「元ボリュームをカタログファイルと照合」で説明した基準を満たせば、ファイルは同一と見なされます)。このオプションでは、もう 1 つの基準を追加します。ファイルは、同じボリュームからのものでなければなりません。
デフォルトでは、このオプションはオフになっています。特に変更する必要がなければ、そのままにしておいてください。
検証実行オプション
これらのオプションは、検証スクリプトでのみ利用できます。
検証済みでないバックアップのみ検証: Retrospect は検証したバックアップとまだ検証していないバックアップを追跡するため、通常はこのオプション(デフォルトではオン)を使用するようにします。一般的に、このオプションが選択された検証スクリプトの処理時間は、「バックアップセット全体を検証」オプションを使用する検証スクリプトより短くなります。
バックアップセット内のいずれのバックアップもまだ検証されていない場合は、このオプションの効果は「バックアップセット全体を検証」オプションを使用した場合と同じになります。
バックアップセット全体を検証:このオプションでは、バックアップセット全体が検証されます。バックアップセットが複数のメディアメンバーにわたる場合は、Retrospect の指示に従ってメディアを挿入する必要があります。このオプションは、古いバックアップセットのメディアに問題があると信じるに足る理由がある場合に選択することができます。ただし、「メディアの検証」コマンドを使用すれば、スクリプトなしで同じ機能が得られます。詳しくは、バックアップセットメディアの検証を参照してください。
スケジュール実行オプション
このオプションは、スクリプトの場合にのみ利用できます(Proactive Client Backup スクリプトを除く)。
このスクリプトを実行してもよい時間帯を定義するには、「スケジュール」をクリックしてください。スケジュールのデフォルトは、スケジュール環境設定で説明する、グローバルなスケジュール環境設定に応じて決まります。
共有実行オプション
このオプションは、復元と転送を除く、すべてのタイプの操作で利用できます。デフォルトでは、このオプションはオンです。
バックアップ中はボリュームをロック:このオプションは、バックアップ中に、Microsoft Networking を通してバックアップコンピュータに接続しているユーザを切断して、共有ボリュームが使用されないようにします。このオプションをオンにすると、切断前にユーザに対して表示する警告メッセージを入力できます。(Windows のユーザは、自動的に警告メッセージを受け取ります。。)また、何分前にユーザに警告するかも指定できます。このオプションがユーザをロックアウトするのは、サーバ自体で Retrospect を実行している場合だけで、クライアントには適用されません。
ロックアウトオプションの動作は、Windows Server 上の Services For Macintosh ネットワークボリュームでは異なります。Services For Macintosh のすべての共有ボリュームは、全部がバックアップの対象ではない場合でも、まとめてロックアウトされます。共有ロックアウトオプションを有効にした状態で、いずれかのボリュームをバックアップすると、すべてがロックされます。
デフォルトでは、このオプションはオフです。
メディア実行オプション
このオプションは、バックアップ、アーカイブ、転送の各操作や、検証スクリプトで使用することができます。このオプションは、ProactiveAI Backup、復元、複製の各操作では利用できません。
終了時にテープおよびディスクをイジェクト: このオプションは、スクリプト実行中にアクセスしたテープやディスクをスクリプト終了時に排出するよう Retrospect に指示します。
Windows システムオプション
これらのオプションは、転送を除くすべてのタイプの操作で利用できます。実際に使用できるオプションは、操作の種類に応じて変わります。この分類のオプションは、Linux、または Macintosh クライアントには影響しません。
バックアップまたはアーカイブ操作の場合の Windows システムオプション
複製操作の場合の Windows システムオプション
復元操作の場合の Windows システムオプション
システムの状態:Windows フォルダがファイル選択基準に含まれている場合に、Windows のレジストリ、COM+、Active Directory および証明書サービスをコピーします。Retrospect はこれらの情報をスナップショットに保存して、スナップショットを使用する復元方法の場合には、情報も復元します。
このオプションは、バックアップ、複製、アーカイブの各操作ではデフォルトでオンになります。また、ボリューム全体を復元している場合にもデフォルトでオンになります。
ウィザードモードでバックアップか複製を実行している場合に「オペレーティングシステムとアプリケーション」ファイルをコピーしないことを選択すると、「システム状態をバックアップ/複製」オプションが自動的に無効になります。高度な設定モードでは、選択したファイル形式に関係なく、このオプションはデフォルトでオンになります。
システム状態を復元するには、復元元のスナップショットにバックアップされたシステム状態が含まれていること、および復元先がシステムボリュームであることが条件になります。
システム状態を複製するには、複製元と複製先の両方がシステムボリュームである(両方にシステム状態情報が存在する)ことが条件になります。
Windows でシステム状態情報をコピーするには、Administrator または Backup Operator の権限を持っていなければなりません。
暗号化ファイルの検証エラーを無視:複製操作で利用可能なもので、初期設定ではオフになっています。NTFS ボリューム上の暗号化ファイルでの検証エラーを無視します。
セキュリティ情報を復元:復元操作でのみ利用できます(ファイルの検索による復元を除く)。このオプションを有効にすると、復元されたすべてのフォルダと復元されたファイル(復元先に存在しなかったもの)に対して NTFS セキュリティ情報が Retrospect によって復元されます。
復元元のスナップショットと復元先に同じファイルが存在し、しかも 2 つのファイルの唯一の差がセキュリティ情報だけである場合は、復元先のファイルのセキュリティ情報が維持されます。
セキュリティ情報を復元できるのは、バックアップ済みの場合だけです。詳しくは、Windows セキュリティオプションを参照してください。
一致したファイルのセキュリティ情報を復元するは、復元操作でのみ利用できます(ファイルの検索による復元を除く)。このオプションを前述のオプションと組み合わせて使用すると、Retrospect は復元されたすべてのファイルとフォルダに対して NTFS セキュリティ情報を復元します。
復元元のスナップショットと復元先に同じファイルが存在し、しかも 2 つのファイルの唯一の差がセキュリティ情報だけである場合は、復元先にあるファイルがスナップショットからのファイルで置き換えられます。
セキュリティ情報を復元できるのは、バックアップ済みの場合だけです。詳しくは、Windows セキュリティオプションを参照してください。
アーカイブ属性を設定:Retrospect は、復元操作中にアーカイブ属性を設定することができます(ファイル検索による復元を含む)。このオプションを選択すると、復元されるファイルに対して Retrospect がアーカイブ属性を設定します。
アーカイブ属性を設定すると、ファイルを次回にバックアップするときに、復元されたファイルに対するセキュリティ情報が Retrospect によってバックアップされます(ファイルのセキュリティ情報をバックアップするオプションを選択している場合)。詳しくは、Windows セキュリティオプションを参照してください。
Windows セキュリティオプション
これらのオプションは、バックアップ(ProactiveAI Backup バックアップを含む)、複製、アーカイブの各操作で利用することができます。これらのオプションを使用すると、NTFS ファイルやフォルダのセキュリティ情報をサーバやワークステーションからコピーすることができます。実際に使用できるオプションは、操作の種類に応じて変わります。
NTFS セキュリティ許可は、ユーザかグループのメンバーシップに基づいてファイルやフォルダへのアクセスを許可するか制限することを可能にする Windows オペレーティングシステムの機能です。これらの許可は、NTFS でフォーマットされたディスクでしか利用できません。
ワークステーションかサーバ上のすべてのファイルやフォルダのセキュリティ情報をコピーするには、かなりの時間がかかります。必要とするセキュリティ情報だけをコピーすれば、処理時間を短縮することができます。ただし、セキュリティ情報をコピーしなかったファイルやフォルダの復元には注意が必要です。これらのファイルやフォルダは、復元したコンピュータへのアクセスを有するユーザならだれでも入手することが可能になります。セキュリティ情報をコピーすべきかどうかの判断がつかない場合は、Retrospect のデフォルト設定を使用しなければなりません。
Retrospect は、NTFS セキュリティ情報を自身のスナップショットに保存します。このため、セキュリティ情報を復元するには、スナップショットごとに復元する必要があります。NTFS ファイルやフォルダのセキュリティ情報を復元するには、復元元のスナップショットを選択し、「Windows システムオプション」で説明しているセキュリティ情報復元オプションを使用します。
完全な復元を行うためには、フォルダのセキュリティ情報をバックアップしなければなりません。
バックアップやアーカイブ操作用の Windows セキュリティオプション
複製操作の場合の Windows セキュリティオプション
サーバからファイルセキュリティ情報をバックアップする:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS ファイルのセキュリティ情報を、サーバオペレーティングシステムが動作しているバックアップ元コンピュータからバックアップします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ対象のすべてのファイルに対してファイルのセキュリティ情報をコピーします。
また、前回のバックアップ以後にファイルに新しいセキュリティ情報が与えられたが、それ以外の変更がない場合は、Retrospect は該当するファイルに対して新しいセキュリティ情報をコピーします。ファイルのセキュリティ情報が変更されると Windows がアーカイブ属性を設定するため、Retrospect はこのアーカイブ属性を使用してこれらのファイルを識別します。
Retrospect が同一場所からファイルをバックアップした後でアーカイブ属性が設定された場合は、ファイルにそれ以外の変更が加えられていない場合でも、Retrospect はファイルのセキュリティ情報をコピーします。
Retrospect は、複数のバックアップセットにわたってアーカイブ属性の変更を追跡することができます。例えば、バックアップセット A に新しいセキュリティ情報を有するファイルのコピーが含まれ、バックアップセット B のコピーにはセキュリティ情報が含まれない場合、バックアップセット B への次のバックアップでは、ファイルとそのセキュリティ情報がコピーされます。
ワークステーションからファイルセキュリティ情報をバックアップする:このオプションのデフォルトはオフです。このオプションが有効になっている場合、Retrospect はNTFS ファイルのセキュリティ情報を、非サーバオペレーティングシステムが動作しているコピー元コンピュータや、Microsoft Networking Volumes からコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ対象のすべてのファイルに対してファイルのセキュリティ情報をコピーします。
「ファイルのセキュリティ情報をサーバからバックアップ」オプションの場合と同じように、Retrospect はアーカイブ属性を使用して新しいセキュリティ情報を有するファイルを識別し、バックアップします。
サーバからフォルダセキュリティ情報をバックアップする:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS フォルダのセキュリティ情報を、サーバオペレーティングシステムが動作しているバックアップ元コンピュータからコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ元のすべてのフォルダに対してフォルダのセキュリティ情報をコピーします。
ワークステーションからフォルダセキュリティ情報をバックアップする:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS フォルダのセキュリティ情報を、非サーバオペレーティングシステムが動作しているバックアップ元コンピュータや、Microsoft Networking Volumes からコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ元のすべてのフォルダに対してフォルダのセキュリティ情報をコピーします。
ウィザードモードでバックアップを実行している場合に「オペレーティングシステムとアプリケーション」ファイルをコピーしないことを選択すると、「フォルダのセキュリティ情報をワークステーションからバックアップ」オプションが自動的に無効になります。高度な設定モードでは、選択したファイル形式に関係なく、このオプションはデフォルトでオンになります。
サーバのファイルセキュリティ情報を複製:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS ファイルのセキュリティ情報を、サーバオペレーティングシステムが動作しているコピー元コンピュータからコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はコピー元のすべてのファイルに対してファイルのセキュリティ情報をコピーします。
ワークステーションのファイルセキュリティ情報を複製:このオプションのデフォルトはオフです。このオプションが有効になっている場合、Retrospect はNTFS ファイルのセキュリティ情報を、非サーバオペレーティングシステムが動作しているコピー元コンピュータや、Microsoft Networking Volumes からコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はコピー元のすべてのファイルに対してファイルのセキュリティ情報をコピーします。
サーバのフォルダセキュリティ情報を複製:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS フォルダのセキュリティ情報を、サーバオペレーティングシステムが動作しているバックアップ元コンピュータからコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ元のすべてのフォルダに対してフォルダのセキュリティ情報をコピーします。
ワークステーションのフォルダセキュリティ情報を複製:このオプションをオン(デフォルト)にすると、Retrospect は NTFS フォルダのセキュリティ情報を、非サーバオペレーティングシステムが動作しているバックアップ元コンピュータや、Microsoft Networking Volumes からコピーします。このオプションが有効になると、Retrospect はバックアップ元のすべてのフォルダに対してフォルダのセキュリティ情報をコピーします。
ウィザードモードで複製を実行している場合に「オペレーティングシステムとアプリケーション」ファイルをコピーしないことを選択すると、「フォルダのセキュリティ情報をワークステーションから複製」オプションが自動的に無効になります。高度な設定モードでは、選択したファイル形式に関係なく、このオプションはデフォルトでオンになります。
セキュリティストリームにおけるファイル検証エラーを無視:このオプションは複製操作でのみ利用でき、デフォルトではオフになっています。このオプションが有効になると、Retrospect は NTFS ボリューム上のセキュリティストリームでの検証エラーを無視します。
Windows のオープンファイルオプション
これらのオプションは、復元と転送を除く、すべてのタイプの操作で利用できます。
オープンファイルバックアップは、メインの Retrospect アプリケーションに対するアドオン製品です。Retrospect Single Server (Disk-to-Disk)、Retrospect Single Server、Retrospect Multi Server のいずれかをインストールしているバックアップコンピュータでは、オープンファイルバックアップのライセンスコードがあれば、Windows の各コンピュータで開かれているファイルをバックアップすることが可能です。Windows コンピュータ上の開いているファイルをバックアップするには、NTFS ボリュームがなければなりません。「設定」>「ライセンス」の順にクリックすると、現在のライセンスが表示されます。新しいライセンスを購入することもできます。
オープンファイルは、バックアップ、アーカイブ、複製が可能です。オープンファイルバックアップアドオンがある場合、このオプションの初期設定はオンです。
オープンファイルバックアップを使ってバックアップされたファイルを復元するには、宛先ボリュームで開かれたファイルを使用しているアプリケーションを閉じるか、停止してください。
オープンファイルのバックアップ:通常はコピーできない使用中のファイルを Retrospect がコピーできるようにするオプションです。デフォルトではオンに設定されています。
マルチボリュームデータセットの保護:複数のボリュームにファイルを保存するアプリケーションのバックアップまたはアーカイブを行います。
オープンファイルを複製できないときは停止:再試行がタイムアウトになるか、システム設定でオープンファイルバックアップがサポートされていない場合に、操作を中止します。このオプションをオフにすると、Retrospect は他のすべてのファイル(つまり、開いていないファイル)をバックアップまたは複製します。
ディスク休止しきい値:オープンファイルバックアップを実行する前に、元ボリュームのディスクがアイドル状態になるのを待つ時間の長さです。この時間が経過すると、再試行のタイムアウトが生じるまで、再び待機します。初期設定値は 5000 ミリ秒です。
再試行のタイムアウト:ディスクの休止状態(開かれているファイルをコピーできる状態)を検出するまで、Retrospect がディスク動作のモニタリングを継続する時間の上限。タイムアウトが生じると、Retrospect は、上記の「停止」オプションの設定に応じて、操作を直ちに中止するか、または、オープンファイルバックアップを行わずに操作を継続します。初期設定値は 10 分です。
Windows Outlook システムオプション
これらのオプションは、復元と転送を除く、すべてのタイプの操作で利用できます。
Microsoft Outlook データの強制バックアップ:Microsoft Outlook のデータファイルのバックアップを行うため、Outlook を終了させます。Retrospect によるバックアップの完了後、Outlook を使用するには、手動で起動する必要があります。
Windows SQL Server オプション
Retrospect には、バックアップ操作にのみ利用できる SQL Server オプションがいくつかあります。
バックアップタイプ:実行する SQL データベースバックアップのタイプを指定できます。初期設定では、Retrospect はフルバックアップを行います。
他の SQL Server オプションは、SQL データベースを復元する場合にのみ利用できます。
データベースの復元に、新しいデータベース名を使用:復元したデータベースに新しい名前を指定できます。
データベースのデータとログファイルの復元にカスタムパスを使用:復元したファイルに宛先パスを指定できます。
ある時点より前のレコードのみを復元:トランザクションログの復元に、時間と日付を指定できます。指定した日時以前のレコードのみを復元します。
SQL データベースを使用可能にする:復元操作が完了した後、データベースを操作可能にするよう SQL サーバに指示します。現在の操作が実行された後、差分またはトランザクションスナップショットを追加で復元する必要がある場合にのみ、このオプションをオフにしてください。
Windows Exchange Server オプション
Retrospect には、バックアップ操作にのみ利用できる Exchange Server オプションがいくつかあります。
バックアップタイプ:実行する Exchange データベースバックアップのタイプを指定できます。初期設定では、フルバックアップを行います。
他の Exchange Server オプションは、Exchange データベースを復元する場合にのみ利用できます。
ログファイルの復元にカスタムパスを使用:復元したファイルに宛先パスを指定できます。
Exchange データベースを動作させておく:復元操作が完了した後、データベースを操作可能にするよう Exchange サーバに指示します。現在の操作が実行された後、差分またはトランザクションスナップショットを追加で復元する必要がある場合にのみ、このオプションをオフにしてください。
復元後にデータベースをマウントする:データベース復元後にユーザがそのデータベースにログインできるようにします。現在の操作が実行された後、差分またはトランザクションスナップショットを追加で復元する必要がある場合にのみ、このオプションをオフにしてください。
Macintosh クライアントオプション
これらのオプションは、転送を除くすべてのタイプの操作で利用できます。実際に使用できるオプションは、操作の種類に応じて変わります。Windows、Linux のクライアントには影響を与えません。
バックアップまたはアーカイブ操作の場合の Macintosh クライアントオプション
複製操作の場合の Macintosh クライアントオプション
復元操作の場合の Macintosh クライアントオプション
照合時に属性変更日付を使用:このオプションは、バックアップ、アーカイブ、複製、および復元操作で利用できます。デフォルトでは、このオプションはユーザが指定しない限りファイルの照合が行われないアーカイブを除くすべての操作に対して有効になります。このオプションが有効になると、Retrospect は拡張属性か ACL だけが異なっているファイルを、属性変更日付を使用して識別し、コピーします。例えば、以前にバックアップしたファイルのバックアップ中に、そのファイルの ACL だけを変更する場合、ファイルが異なっている(したがって再度バックアップする必要がある)ことを Retrospect が知る唯一の方法は、属性変更日付をチェックすることです。
拡張属性と ACL は、Mac OS X 10.4 以上でサポートされます。
元(ボリューム/フォルダ/ファイル)のバックアップ時間を設定:これらのオプション(複製操作では利用不可)は、元ボリューム、フォルダ、またはファイルそれぞれのバックアップ時間を記録します(Mac OS は、ファイル、フォルダ、およびボリュームそれぞれの作成日、修正日、およびバックアップ日を記録しています)。 これらのオプションを使うと、「バックアップ時間」に基づいたセレクタを作成することが可能になります。バックアップ時間とは、実行が始まった時間のことです。Retrospect クライアントコントロールパネルで読み込みアクセスだけを許可している場合には、Retrospect は、クライアントコンピュータの元のバックアップ時間を設定することはできません。デフォルトでは、ボリュームのオプションはオンで、ファイルとフォルダのオプションはオフです。
ファイルの照合を行う際、Retrospect は、バックアップのタイムスタンプは使用しません。Retrospect の原理で説明されているように、より高度で柔軟な基準を使用します。
終了しない/完了時に終了:このオプションは、操作の終了後、Retrospect がクライアント Macintosh の Finder のシステム終了処理について何を行うかを指定するものです。
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このオプションの設定が実際の動作に反映されるのは、クライアント Macintosh がバックアップ待ちの状態にある場合だけです(実行環境設定を参照)。
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「完了時に終了」は、先読み時間内に、クライアントで他の操作が予定されていなければ、システム終了操作を行います(先読み時間については、スケジュール環境設定を参照してください)。
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「システム終了不可」を選択した操作では、クライアントはシステム終了しません。
初期設定では、このオプションは「完了時に終了」に設定されています。
アイコンの位置を再計算:このオプションは、復元操作でのみ利用できます。Mac OS の宛先ボリュームにコピーされたファイルやフォルダのアイコンの位置を調整して、重なり合うのを防ぎます。デフォルトでは、このオプションはオフです。
Access Control List(ACL)の復元/Access Control List(ACL)の複製:このオプションを利用できるのは、復元と複製の操作だけです。ボリューム全体を復元する時はデフォルトでオンになり、ファイルやフォルダを復元するときはデフォルトでオフになります。
ACL は、Mac OS X 10.4 以上でサポートされます。
UNIX クライアントオプション
このオプションを利用できるのは、バックアップ、複製、および復元の操作だけです。Windows、Mac OS のクライアントには影響を与えません。
照合時にステータス変更日付を使用: このオプションは、バックアップ、複製、ボリューム全体の復元の各操作ではデフォルトでオンになります。ファイル検索による復元やファイルおよびフォルダの復元では、デフォルトでオフになります。このオプションが有効になると、Retrospect は拡張属性だけが異なっているファイルを、ステータス変更日付を使用して識別し、コピーします。例えば、以前にバックアップしたファイルのバックアップ中に、そのファイルの拡張属性だけを変更する場合、ファイルが異なっている(したがって再度バックアップする必要がある)ことを Retrospect が知る唯一の方法は、ステータス変更日付をチェックすることです。
このオプションは、拡張属性をサポートするファイルシステムとカーネルに対してのみサポートされます。
バックアップセットの管理
Retrospect には、バックアップセットを効率的に管理するのに役立つツールが数多くあります。ツールバーから「設定」>「バックアップセット」を順にクリックすると、現在のバックアップセットのリスト表示、バックアップセットのリストの編成、バックアップセットの設定、作成、削除、既存のバックアップセットへの新しいメンバーの追加、などができます。
バックアップセットのリストの表示
Retrospect で現在使用中のバックアップセットのリストを表示するには、「設定」>「バックアップセット」の順にクリックします。「バックアップセット」ウィンドウが表示されます。
次の方法で、リストを修正できます。
新規バックアップセットの作成
新規のバックアップセットを作成するには、「新規作成」をクリックします。新規バックアップセットの作成手順は、新規バックアップセットの作成で説明しています。
古いバックアップセットの再作成
「バックアップセット」ウィンドウに自分のバックアップセットが表示されていない場合、カタログファイルを使用して、そのバックアップセットをリストに追加することができます。開始するには、「追加」をクリックします。「他のバックアップセットのアクセス」ウィンドウが表示されます。
このウィンドウから、次のことができます。
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既存のカタログファイルを開く:バックアップセットのカタログファイルの場所が分かっている場合は、「開く」ボタンをクリックします。カタログファイルが保存されている場所に移動してファイルを選択し、「開く」をクリックします。
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ストレージメディアからカタログファイルを再作成する:「再作成」ボタンをクリックします。カタログの再作成の説明に従ってカタログファイルを再作成します。
カタログファイルを開くか再作成したら、関連するバックアップセットがリストに表示されます。
バックアップセットの削除
バックアップセットのリストからバックアップセットを削除するには、バックアップセットを選択して、「削除」ボタンをクリックします。バックアップセットを削除するプロンプトが表示されたら、「OK」をクリックします。ここで行う削除は、バックアップセットの内容にも、カタログファイルにも影響しません。ただし、そのバックアップセットが使われているスクリプトからは、バックアップセットが削除されます。
バックアップセットは、後でリストに戻すことができます。ただし、カタログファイルを削除した場合とバックアップセットが保存されているメディアを消去した場合は戻せません。このプロセスについては、古いバックアップセットの再作成で説明しています。
バックアップセットのリストの編成
大量のバックアップセットを管理しなければならない場合、バックアップセットを整理するためのフォルダを使用できます。たとえば、別の離れた場所の安全な保管ボックスに移動したアクティブでないバックアップセット用に、フォルダを作成できます。
「バックアップセット」ウィンドウ内で作成するフォルダは、編成専用のもので、Retrospect 外では存在しません。
フォルダを作成して、バックアップセットを入れるには
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「バックアップセット」ウィンドウで、ツールバーの「新規フォルダ」アイコンをクリックします。
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フォルダの名前を入力して「作成」をクリックします。
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フォルダに移動するバックアップセットをドラッグアンドドロップします。
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フォルダに入れるバックアップセットを右クリックし、ポップアップメニューから「切り取り」を選択することもできます。フォルダを右クリックし、「貼り付け」を選択します。
新規バックアップセットの作成
新規バックアップセットの作成は、「設定」>「バックアップセット」をクリックして表示される「バックアップセット」ウィンドウから開始できるほか、一部の基本操作やスクリプト操作の設定時(高度な設定モードでのバックアップ先の指定時など)に表示される「バックアップセットの選択」ウィンドウからも開始できます。
「新規作成」ボタンをクリックして、新規バックアップセットの作成を開始します。「バックアップセット作成」ウィザードが起動します。
「ようこそ」画面
導入画面の内容を読んだ後、「次へ」をクリックして新規バックアップセットの作成を開始します。
「次へ」をクリックする前に導入画面のチェックボックスを選択すると、次回の新規バックアップセットの作成時に導入画面は表示されません。
バックアップセットタイプの選択
このバックアップセットに使用するバックアップメディアの種類を、該当するラジオボタンをクリックして選択し、「次へ」をクリックします。
テープバックアップセットの命名
「名前」フィールドに、バックアップセットの内容が分かるような未使用の名前を入力します。この名前は、カタログファイルおよびバックアップセットメディアの識別に使用されます。
他の手順に進む前にバックアップセットに名前を付けることが重要です。
テープバックアップセットにいったん付けた名前を、後で変更することはできません。
データ圧縮オプションを設定します。「ハードウェアデータの圧縮を許可」チェックボックスを選択すると、以下の条件が満たされる場合に、このバックアップセット内のデータがテープドライブで圧縮されます。
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テープドライブがデータ圧縮に対応している
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バックアップセットのデータが暗号化されていない
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暗号化と圧縮の両方を使用しなければならない場合は、セキュリティダイアログボックスで暗号化オプションを指定して、Retrospect のソフトウェア圧縮オプションを使用します。詳しくは、バックアップ実行オプションを参照してください。
WORM オプションを設定します。WORM テープバックアップセットを作成するには、「Make this a WORM Backup Set」を選択します。詳しくは、WORM テープサポートを参照してください。
複数のテープバックアップセットを一度に定義するには、「追加のテープセットの定義に直接進む」チェックボックスをオンにし、「次へ」をクリックします。
複数のテープバックアップセットの定義
最大 5 つのテープバックアップセットを一度に作成できます。
作成する各バックアップセットの名前を入力し、「次へ」をクリックします。
一度に作成するバックアップセットは、いずれもオプションの設定(ハードウェア圧縮、WORM、セキュリティ、およびカタログファイルの場所)が同じになります。
ディスクバックアップセットの命名
「名前」フィールドに、バックアップセットの内容が分かるような未使用の名前を入力します。この名前は、カタログファイルおよびバックアップセットメディアの識別に使用されます。
他の手順に進む前にバックアップセットに名前を付けることが重要です。
ディスクバックアップセットにいったん付けた名前を、後で変更することはできません。
次の手順でディスクを指定します。
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「選択」をクリックします。
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ハードディスクまたはリムーバブルディスクを選択して、ストレージとして追加します。
ローカルディスクやネットワークボリュームをマウス操作で選択できるほか、「高度な機能」をクリックして、使用するボリュームの UNC パスを直接入力することもできます。
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リムーバブルディスクは、ドライブにディスクをロードしないと表示されません。
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「OK」をクリックします。
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バックアップセットのデータに使用する最大ディスク容量を指定します。
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これはハードディスクの場合にのみ該当します。リムーバブルディスクの場合、ディスク全体が使用されます。
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「次へ」をクリックしてください。
CD/DVD バックアップセットの命名
「名前」フィールドに、バックアップセットの内容が分かるような未使用の名前を入力します。この名前は、カタログファイルおよびバックアップセットメディアの識別に使用されます。
CD/DVD ディスクバックアップセットにいったん付けた名前を、後で変更することはできません。
ファイルバックアップセットの命名
「名前」フィールドに、バックアップセットの内容が分かるような未使用の名前を入力します。この名前は、カタログファイルおよびバックアップセットメディアの識別に使用されます。
他の手順に進む前にバックアップセットに名前を付けることが重要です。
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ファイルバックアップセットの場合は、Windows のエクスプローラで名前を変更できます。
デフォルト以外の場所にファイルバックアップセットのデータを保存する場合は、「参照」をクリックし、場所を指定した後、「保存」をクリックします。
バックアップセットのセキュリティオプションの設定
この画面では、バックアップセットへのアクセスを制限するためのパスワードを指定できます。バックアップセットデータを暗号化するオプションもあります。
暗号化を使用すると、バックアップに要する時間が長くなります。
「バックアップセットのセキュリティ」リストボックスからオプションを選択します。
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「暗号化なし」:パスワードによる保護がバックアップセットに行われず、バックアップセットのデータは暗号化されません。
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「パスワードのみ」:バックアップセットにパスワードによる保護が行われます。保存されたデータは暗号化されません。
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「SimpleCrypt」:パスワードによる保護に加え、Retrospect 独自の暗号化フォーマットによるバックアップセットデータの暗号化が行われます。
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「DES」:パスワードにより保護され、データ暗号化標準に従ってバックアップセットデータが暗号化されます。
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「AES-128」:パスワードにより保護され、128 ビットのデータ暗号化標準(AES:Advanced Encryption Standard)に従ってバックアップセットデータが暗号化されます。
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「AES-256」:パスワードにより保護され、256 ビットのデータ暗号化標準(AES:Advanced Encryption Standard)に従ってバックアップセットデータが暗号化されます。
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パスワードを忘れると、バックアップセットにアクセスできなくなります。暗号化を巧みに免れる "マジックキー" や
"裏口" は存在しません。Retrospect テクニカルサポートスタッフでも解決することはできません。
パスワードを設定し、一定の条件下でそのパスワードを Retrospect に記憶させたい場合には、「パスワードを記憶」リストボックスからオプションを選択します。
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「アクセス用のパスワードはどれでも記憶する」:基本操作と自動操作で使用されるパスワードをすべて保存します。
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「スクリプトでアクセスするときのパスワードを記憶する」(デフォルト):自動操作で使用されるパスワードだけを保存します。たとえば、このオプションを設定したバックアップセットが、スクリプトによる夜間のバックアップの宛先である場合、手動でパスワードを入力する必要はありません。
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「どのアクセス用のパスワードも記憶しない」:いかなる場合でも、バックアップセットにアクセスするのに、パスワードを入力する必要があります。このオプションを設定したバックアップセットには、パスワードを入力せずにバックアップしたり、そのプロパティを表示したりすることはできません。一度パスワードを入力した後は、Retrospect を終了し再起動するまでは、パスワードを再び入力する必要はありません。
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「どのアクセス用のパスワードも記憶しない」パスワードオプションが選択されているディスクバックアップセットは、ユーザ開始型復元の Web ページからアクセスすることはできません。
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このオプションの設定は、バックアップセットのプロパティを変更することによって、必要に応じて変更できます。詳しくは、バックアップセットの設定を参照してください。
ディスクバックアップセットのグルーミングオプション
これらのオプションは、ディスクバックアップセットだけで有効です。バックアップ先のハードドライブに空きがなくなった(または割り当てたディスク領域がすべて消費された)ときに、Retrospect がどのように対処するかを、以下のオプションから選択します。
ディスクバックアップセットのグルーミングポリシーは、いつでも必要に応じて変更したり、無効化することができます。詳しくは、「オプション」タブを参照してください。
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「新しいディスクを要求する」:バックアップドライブに空きがなくなると、残りのバックアップの格納先として、別のハードドライブが要求されます。元のバックアップ先ハードドライブ上のデータはすべて保持されます。
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「最後だけを保持する n バックアップ」:バックアップドライブに空きがなくなったときに保持されるバックアップの数を、元ボリュームごとに指定します。指定した数のバックアップが、新しいものから保持されます。それより古いすべてのバックアップがハードドライブから削除され、バックアップデータ用の空き領域が確保されます。
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「Retrospectの定義済みポリシーに従って保持する」:バックアップドライブに空きがなくなると、Retrospect のグルーミングポリシーに従って古いバックアップが削除されます。Retrospect のポリシーでは、少なくとも 2 つのバックアップが元ボリュームごとに保持されます(前回のバックアップ日とその前のバックアップ日の最終バックアップが、元ボリュームごとに保持されます)。さらに、ディスクに十分な空きがあれば、先週の各曜日のバックアップと先月の各週のバックアップ、および各月のバックアップがそれぞれ 1 つずつ、元ボリュームごとに保持されます。
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グルーミングではファイルとフォルダが削除されますが、これらのファイルとフォルダを復元することはできません。グルーミングを有効にする前に、重要性の高いファイルとフォルダを保護するバックアップポリシーを、必ず作成してください。
カタログファイルの保存
そのバックアップセットの内容を参照するカタログファイルの保存先を指定します。(または標準の保存先を使用します。)
ファイルバックアップセットでは、カタログファイルとバックアップセットはどちらもこの場所に保存されます。
バックアップ先に使用する予定のリムーバブルディスク上にカタログを保存しないでください。Retrospect では、すぐにアクセス可能なボリューム上でカタログにアクセスする必要があります。ローカルなハードディスクが適当です。
ウィザードの終了
この画面には、ユーザが作成したバックアップセットのタイプに固有の情報が含まれます。情報に目を通してから、「完了」をクリックしてウィザードを終了します。
テープバックアップセットの場合は、この画面でチェックボックスを選択した後で「終了」をクリックすると、1 つ以上のテープを作成したバックアップセットのメンバーとして追加できます。詳しくは、バックアップセットへのテープの追加を参照してください。
このオプションは、複数のバックアップセットを一度に作成した場合には利用できません。
バックアップセットの設定
既存のバックアップセットのプロパティは、いつでも表示および修正できます。「設定」>「バックアップセット」を順にクリックして、現在のバックアップセットのリストを表示します。設定するバックアップセットを選択し、「プロパティ」をクリックします。
「バックアップセットプロパティ」ウィンドウが表示されます。
このウィンドウは、次の 6 つのタブに分かれています。
「概要」タブ:
「概要」タブには、以下のようなバックアップセットに関する一般的な情報が表示されます。
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「使用量」には、現行のバックアップセットメンバーでどのくらいの容量が使われ、そのメンバーにいくつのファイルが保存されているかが表示されます。
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「空き容量」には、現行のバックアップセットメンバーの残り容量が表示されます。
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「ストレージ」には、バックアップセット内のメディアメンバーの数とセッションの数、およびカタログファイル内のスナップショットの数が表示されます。
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「カタログファイル」には、バックアップセットのカタログが保存されている場所のパス名が表示されます。
「オプション」タブ
「オプション」タブには、カタログファイル、メディア制御、およびパスワード保存用のコントロールがあります。
カタログファイル圧縮オプションを使えば、カタログファイルを圧縮して、ハードディスクの容量を節約できます。
「高速カタログ再作成」オプションをオンにすると、新しいメディアメンバーごとに、カタログファイルのコピーを保存します。これにより、カタログファイルを紛失または破損した場合の再作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
「パスワード」オプションでは、パスワードで保護されたバックアップセットの、パスワード保護のレベルを選択できます。パスワードオプションは、バックアップセットを作成するときに暗号化またはパスワード保護を指定していない場合は、選択できません。
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「すべてのアクセスで要求」:このオプションを選択した場合、いかなる場合でも、バックアップセットにアクセスするのに、パスワードを入力する必要があります。パスワードを入力せずに、バックアップセットにバックアップしたり、そのプロパティを表示したりすることはできません。一度パスワードを入力した後は、Retrospect を終了し再起動するまでは、パスワードを再び入力する必要はありません。
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「すべてのアクセスで要求」パスワードオプションが選択されているディスクバックアップセットは、ユーザ開始型復元の Web ページからアクセスすることはできません。
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「スクリプトによるアクセスで保存」(デフォルト):このオプションを選択すると、無人でスクリプトを使用する場合にのみ、パスワードを保存します。たとえば、スクリプトによる夜間のバックアップで、パスワードで保護されたバックアップセットがバックアップ先である場合、手動でパスワードを入力する必要はありません。
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「すべてのアクセスで保存」:このオプションを選択すると、すべての種類の操作(基本、自動、有人、無人)について、パスワードを保存します。これは、パスワードをまったく持っていない場合と同じことです。
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パスワードオプションの変更は、Retrospect をいったん終了して再起動すると有効になります。
「メディア制御」ボタンでは、バックアップの動作、すなわちこのバックアップセットで次にバックアップを実行したときのストレージメディアの取り扱い方法を指定できます。バックアップ動作の詳細については、バックアップ動作を参照してください。
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「標準」は、現行のバックアップセットとメディアにデータの追加を続けます。
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「置き換え」は、メディアを消去して再利用し、さらにカタログを消去します。これは、バックアップセットのリセットと同じです。
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「新規バックアップセット」は、新しいメディアを使用する新規バックアップセットを作成します。
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「新規メンバー」は、新規メンバーを要求し、現在のバックアップセットに追加します。このオプションは、CD/DVD、テープ、ディスクなどの現行メンバーの容量が限界に近い場合に、途中でメディアを交換することなく、無人で実行を完了するための手段として役立ちます。
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「グルーミング」は、グルーミング操作を開始し、バックアップセットの指定グルーミングポリシーでもはや不要になったディスクバックアップセットにあるファイルやフォルダを削除します。Retrospect が、バックアップ中などでさらにディスクスペースを要求する前に、このオプションかグルーミングスクリプトを使用して古いファイルやフォルダを削除します。詳しくは、スクリプトによるグルーミングを参照してください。
「容量」ボタンは、テープバックアップセットの場合にのみ利用でき、Retrospect のテープの推定容量を変更できます。推定容量は表示に使われるだけで、実際にコピーされるデータの量には影響しません。メディアへの実際の書き込みでは、常に利用可能なすべての容量が使われます。メディアの容量が常に Retrospect の推定より大きいという場合以外は、デフォルトの「自動」のまま変更せず、Retrospect に容量を推定させてください。実際の容量を確認するには、「メンバー」タブをクリックします。このことを、いっぱいになったテープを含むいくつかのバックアップセットで行えば、メディアで実際に利用できる容量をほぼ正確に見積もることができるでしょう。
グルーミングオプションを利用できるのは、ディスクバックアップセットだけでです。ディスクバックアップセットは、ディスクの空きがなくなるか、指定された上限容量まで消費されたときに、古いデータを自動的に削除(グルーミング)して、新しいデータ用の空きを確保するように設定することができます。最低限残すべきスナップショットの数を元ボリュームごとに指定するか、Retrospect のグルーミングポリシーに任せます。Retrospect のポリシーでは、少なくとも 2 つのスナップショットが元ボリュームごとに保持されます(前回のバックアップ日とその前のバックアップ日の最終スナップショットが、元ボリュームごとに保持されます)。さらに、ディスクに十分な空きがあれば、先週の各曜日のスナップショットと先月の各週のスナップショット、および各月のスナップショットがそれぞれ 1 つずつ、元ボリュームごとに保持されます。詳しくは、ディスクグルーミングを参照してください。
グルーミングではファイルとフォルダが削除されますが、これらのファイルとフォルダを復元することはできません。グルーミングを有効にする前に、重要性の高いファイルとフォルダを保護するバックアップポリシーを、必ず作成してください。
「バックアップセット作成」ウィザードでディスクグルーミングのオプションを設定する方法についての詳細は、ディスクバックアップセットのグルーミングオプションを参照してください。
「スナップショット」タブ
「スナップショット」タブには、バックアップセットカタログファイル内にあるアクティブなスナップショットが表示され、各スナップショットに関する基本情報を得ることができます。
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スナップショットを選択し、「プロパティ」をクリックすると、そのスナップショットのバックアップセット、タイプ、ユーザ、作成日時、OS、およびファイルシステムが表示されます。
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「追加」をクリックすると、ストレージメディアから古いスナップショットが取り込まれます。「スナップショットの取り込み」ウィンドウで、セッションを選択して、「取り込み」をクリックします。
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スナップショットを選択して「削除」をクリックすると、そのスナップショットのエントリがカタログファイルから削除されます(スナップショット自体はバックアップメディアに残っており、後で取り込むことが可能です)。グルーミングが有効なディスクバックアップセットからスナップショットを削除すると、そのスナップショットと関連ファイルは削除されます(削除されたスナップショットとファイルを、後で取り込むことは_できません_)。
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スナップショットを選択し、「参照」をクリックすると、バックアップセット内のファイルとフォルダのリストが表示されます。
グルーミングオプションを有効にしたディスクバックアップセットでは、スナップショットを個別に選択してグルーミング(手動グルーミング)を行い、ディスクの空きを確保することができます。
スナップショットを手動グルーミングする際には、同じバックアップセット内の他のスナップショットにも、指定したグルーミングポリシーに基づくグルーミングが施されます。グルーミングポリシーについては、「オプション」タブを参照してください。
スナップショットを手動グルーミングするには
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Retrospect のナビゲーションバーで「設定」>「バックアップセット」の順でクリックします。
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グルーミングが有効なディスクバックアップセットを選択します。
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「スナップショット」タブをクリックします。
グルーミングするスナップショットが「スナップショット」リストに表示されない場合は、「追加」をクリックしてディスクから取り込みます。
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グルーミングするスナップショットを選択して「削除」をクリックします。
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「削除」をクリックして、選択したスナップショットをバックアップセットのカタログファイルから削除します。
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バックアップセットのプロパティウィンドウを閉じます。
グルーミングダイアログボックスが表示されます。
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「今すぐ」をクリックすると、バックアップセットのグルーミングがただちに開始されます。
バックアップセットを後でグルーミングする場合は、「後で」をクリックします。バックアップセットは次回のグルーミングセッションで、自動的にグルーミングされます(グルーミングセッションは、バックアップセットのグルーミングポリシーに従って開始されます)。
Retrospect によってロックされているスナップショットにも、ロック解除すればグルーミングを実行できます。
スナップショットをロック解除するには
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Retrospect のナビゲーションバーで「設定」>「バックアップセット」の順でクリックします。
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グルーミングが有効なディスクバックアップセットを選択します。
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「スナップショット」タブをクリックします。
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ロックされているスナップショット
を右クリックし、「アンロック」を選択します。
スナップショットをロックするには
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Retrospect のナビゲーションバーで「設定」>「バックアップセット」の順でクリックします。
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グルーミングが有効なディスクバックアップセットを選択します。
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「スナップショット」タブをクリックします。
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スナップショットを右クリックし、「ロック」を選択します。
選択しているスナップショットがロックされ、その名前の横にロックアイコン が表示されます。このスナップショットはグルーミングの対象外になります。
「セッション」タブ
「セッション」タブには、バックアップセット内のすべてのアーカイブおよびバックアップセッションが表示されます。あるセッションでバックアップされたファイルのリストを表示するには、そのセッションを選択して、「参照」ボタンをクリックします。
「メンバー」タブ
「メンバー」タブには、バックアップセットのメディアメンバーの概要が表示されます。また、そのメディアの扱い方を指定できます。
このタブは、ファイルバックアップセットでは表示されません。
バックアップセットのメンバーが紛失または破損した場合、そのメンバーを紛失しているものとして指定できます。指定することで、これまでにそのメンバーに保存したファイルはもう利用できないことが Retrospect に認識されます。
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テープバックアップセットと CD/DVD バックアップセットの場合、紛失または破損したメンバーを選択して、「セットの紛失」をクリックします。
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ディスクバックアップセットの場合は、メンバーを選択して、「プロパティ」をクリックし、「このメンバーは失われたか、破損しています」をオンにします。
次回のバックアップまたはアーカイブ操作で、Retrospect は紛失しているファイルを新しいバックアップセットにコピーして、それらのファイルを保護します。
テープバックアップセットとディスクバックアップセットの場合、前もって新しいバックアップセットメンバーを設定できる「追加」ボタンが「メンバー」タブにあります。詳しくは、メンバーをバックアップセットに追加するを参照してください。
ハードディスクバックアップセットの場合、メンバーを選択してスキップさせることができます。あるメンバーがスキップされるように指定された場合、Retrospect は自動的に次のメンバー(または新しいメンバー)を探します。
ハードディスクバックアップセットメンバーをスキップするには
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スキップするメンバーを選択して、「プロパティ」をクリックします。
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「このメンバーをスキップする」チェックボックスをオンにします。
Retrospect がディスク上の利用可能なスペースをすべて使い切った場合(またはディスクへのバックアップに問題が生じた場合)、このチェックボックスは自動的にオンになります。使用可能なメモリ量を変更し(可能な場合)、チェックボックスをオフにすると、再びこのメンバーの使用が試みられます。
「関連付け」タブ
「関連付け」タブは、テープバックアップセットの場合、および高度テープサポートのライセンスを所有している場合にのみ利用可能です。
Retrospect で複数のテープドライブを使用している場合、バックアップセットを特定のドライブに関連付けしたい場合があります。たとえば、テープドライブが高速ドライブと低速ドライブの 2 台ある場合、クライアントコンピュータ用のバックアップセットを低速ドライブに、ローカルサーバ用のバックアップセットを高速ドライブに関連付けできます。これにより、ネットワーク速度とドライブ速度が同期するようになり、テープドライブのヘッドの位置調整にかかる時間が少なくて済みます。
初期設定では、バックアップセットに利用可能なテープドライブをどれでも使用できます。
テープドライブを関連付けするには
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「選択したテープドライブ」ラジオボタンをクリックします。
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1 台以上のテープドライブを選択します。
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「任意のテープドライブ」を選択することで、関連付けを削除することもできます。
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「プロパティ」ウィンドウを閉じます。
関連付けについて詳しくは、テープドライブへのテープバックアップセットのバインドを参照してください。
メンバーをバックアップセットに追加する
時間を節約し、メディアがいっぱいになったときに無人のバックアップが停止するのを防ぐために、テープバックアップセットとディスクバックアップセットにバックアップセットメンバーをあらかじめ定義しておくことができます。
バックアップセットのタイプによって、プロセスは若干異なります。
バックアップセットへのディスクの追加
ディスクをバックアップセットのメンバーとして追加することにより、ディスクを使用する準備をしておくことができます。無人でスクリプトが実行されているときに、追加のストレージスペースが必要になった場合、メンバーとして追加したディスクが自動的に使用されます。
ディスクのメンバーを追加するには
「設定」>「バックアップセット」をクリックします。
ディスクバックアップセットを選択し、「プロパティ」をクリックします。
「メンバー」タブをクリックします。
「追加」をクリックします。
追加するディスクの場所まで移動し、ディスクを選択して「OK」をクリックします。
ハードディスクを選択した場合は、そのディスクの概要を表示したウィンドウが開きます。このウィンドウで、ディスクの容量のうち、どの程度までをバックアップセット用に使用するかを指定できます。
「高度な設定」ボタンをクリックし、追加のオプションを指定します。
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バックアップデータフォルダの場所。場所を指定しないと、フォルダは自動的にディスクのルートレベルに保存されます。
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自動バックアップの際に Retrospect が自動的にログインできるようにする、ネットワークボリュームへのパスワード。
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システム以外のローカルボリュームの場合には、Retrospect にディスクの消去と名前変更を行わせることもできます。
「OK」をクリックしてディスクを追加します。
バックアップセットへのテープの追加
テープをバックアップセットのメンバーとして追加することで、前もってテープの使用を準備しておくとよいでしょう。無人でスクリプトが実行されているときに、追加のストレージスペースが必要になった場合、メンバーとして追加したテープが自動的に使用されます。
テープのメンバーを追加するには
「設定」>「バックアップセット」をクリックします。
テープバックアップセットを選択し、「プロパティ」をクリックします。
「メンバー」タブをクリックします。
「追加」をクリックします。
バックアップセットに追加するテープを選択し、「OK」をクリックします。
テープライブラリをお持ちであれば、複数のテープを選択して一度に追加することができます。
既存のバックアップセットに属しているテープを追加することはできません。空のテープ、消去済みのテープ、および内容が認識できないテープが追加可能です。
メンバーの追加が終了したら、「終了」をクリックして、テープバックアップセットの「プロパティ」ウィンドウを閉じます。
テープバックアップセットへのメンバーの追加は、「記憶装置」ウィンドウでも実行できます。詳しくは、使用するテープの準備を参照してください。
スクリプトのメンテナンス
本項では、作成したスクリプトのメンテナンスに必要な各種作業について説明します。メンテンス作業には、以下のものがあります。
スクリプトのチェック
Retrospect を終了して自動実行モードでスクリプトを実行する前に、スクリプトが有効であることを確認しておくとよいでしょう。バックアップデバイスで必要なメディアが利用可能になっていることを確認することもできます。
スクリプトをチェックするには
ナビゲーションバーから、「自動化」>「スクリプトの有効化」を順にクリックします。
「スクリプトの選択」ウィンドウにスクリプトのリストが表示されます。
テストするスクリプトを選択して、「OK」をクリックします。
スクリプトの定義がチェックされ、元ボリュームと宛先ボリュームが正しく定義されているかどうかが確認されます。スクリプトに必要なデータが不足している場合は、メッセージが表示されます。「編集」をクリックしてスクリプトを修正します。
スクリプトが完全な場合は、スクリプトの準備ができたことを知らせるメッセージが表示されます。
このウィンドウに表示される情報は、バックアップセットのタイプとバックアップデバイスに現在ロードされているメディアによって異なります。
「OK」をクリックしてウインドウを閉じます。または、「メディアのチェック」をクリックして、必要なバックアップセットメンバーが利用可能かどうかをチェックします。
Retrospect を終了すると、次回スケジュールされている有効なスクリプトのメディアのチェックを要求するプロンプトが自動的に表示されます。
スクリプトの設定を修正する
元ボリューム、宛先バックアップセット、ファイル選択基準、オプション、スケジュールなど、スクリプトの作成時に指定した設定は、いつでも修正することができます。スクリプトの修正は、スクリプトの概要ウィンドウから行います。
スクリプトの設定を修正するには
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ナビゲーションバーから、「自動化」>「スクリプトの管理」を順にクリックします。
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修正するスクリプトを選択して、「編集」をクリックします。
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スクリプトの修正は、スクリプトの作成の場合と同じです。詳しくは、「スクリプトによる自動実行」を参照してください。
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ツールバーの「保存」アイコンをクリックして、修正したスクリプトを保存します。
スクリプトの複製、名前の変更、削除
既存のスクリプトを複製し、その設定内容を修正して新しいスクリプトを作成することができます。スクリプトは名前を変えて残すことも、完全に削除することもできます。
スクリプトを複製、名前変更、削除するには
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ナビゲーションバーで「自動化」をクリックしてから、「スクリプトの管理」をクリックすると、スクリプトのリストが表示されます。
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複製、名前の変更、または削除するスクリプトを選択します。
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スクリプトを複製するには、ツールバーの「複製」をクリックします。
新しいスクリプトの名前を入力して「新規」をクリックします。
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スクリプトの名前を変更するには、ツールバーの「リネーム」をクリックします。
スクリプトの新しい名前を入力して「OK」をクリックします。
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スクリプトを削除するには、ツールバーの「削除」をクリックします。
削除を確認するダイアログボックスが表示されるので、確認して「OK」をクリックします。スクリプトがリストから削除され、スケジュールされていた実行も予定から除外されます。
スクリプトの削除や複製を行うときの確認メッセージを表示させたくない場合は、Shift キーを押しながら各コマンドを選択します。
スケジュールされたスクリプトの表示
Retrospect は、予定されているスクリプトのリストを管理します。このリストを表示して、実行が予定されているスクリプトとその時期を確認できます。スケジュールされたイベントを削除するか、スクリプトを編集してそのスケジュールを変更することにより、実行スケジュールを修正することもできます。
すべてのスケジュール済みスクリプトの実行スケジュールを表示するには、「アクティビティモニタ」>「予定」を順にクリックします。
スケジュールされている Proactive スクリプトを表示するには、アクティビティモニタの「Proactive」タブをクリックします。
「予定」ウィンドウに、スクリプトの実行が予定されている日付、時刻、曜日が表示されます。このウィンドウには、スクリプトの名前、バックアップ動作、宛先も表示されます。
スケジュールされたイベントの削除
あるスケジュール済みイベントとそれ以前の同じスクリプトのイベントを一括して削除するには、そのイベントを選択して、「削除…」をクリックします。削除を確認するダイアログボックスが表示されるので、確認して「OK」をクリックします。そのイベントと、それ以前の同じスクリプトの全イベントがスケジュールから削除されます。
スケジュールされたスクリプトの編集
ウィンドウに表示されたイベントに関連したスクリプトを編集するには、そのイベントを選択して、「スクリプトの編集…」をクリックします。「スクリプト」ウィンドウが表示されます。「スケジュール」ボタンをクリックし、スケジュールを修正してください。
スケジュールの修正方法については、スクリプトのスケジュール作成を参照してください。
スクリプト実行のスキップ
スクリプトの実行を一定期間だけ休止したい場合は、スクリプトのスケジュールをオフにして、再びオンに戻す時期を指定することができます。この設定は、会社全体が一週間の休暇に入るため、バックアップデバイスのメディアを交換する人がいない場合などに便利です。
スクリプトの実行をスキップするには
「自動化」>「スクリプトの管理」をクリックして、スクリプトのリストを表示します。
スクリプトを選択し、「編集」をクリックします。
スクリプトの概要ウィンドウが表示されます。
「スケジュール」をクリックします。
選択したスクリプトの予定実行日時がリストアップされます。
ウィンドウ下部の「スキップ」チェックボックスをクリックします。
日時フィールドがウィンドウの下部に表示されます。
スクリプトの実行を再開したい日時を設定し、「OK」をクリックします。
その日時より前に予定されているイベントは、実行されません。
スケジュールウィンドウに複数のスケジュールが表示されているときは、この機能によって延期されるのは選択したスケジュールだけではありません。このスクリプトに設定されているすべてのスケジュールが延期されます。
Retrospect の環境設定
Retrospect の環境設定を調整し、ユーザのニーズに最も合うようにアプリケーションの動作を修正することができます。Retrospect の環境設定はグローバルであり、Retrospect により実行されるあらゆる操作に影響します。
Retrospect 環境設定にアクセスするには、ナビゲーションバーの「設定」をクリックしてから、「環境設定」ボタンをクリックします。「環境設定」ウィンドウが表示されます。
左側のリストには、分類のオプションが表示されます。右側には、指定した分類に属するオプションの内容が表示されます。オプションを設定したら「OK」をクリックし、選択を保存します。
各オプションのデフォルト設定を変更すると、リストの分類名が太字で表示されます。デフォルトの設定に戻すには、分類名を選択して、「デフォルトを使う」をクリックします。
実行環境設定
実行環境設定は、Retrospect の実行ユニット、先読み時間、パスワード保護を制御します。
実行環境設定には、次の 4 つの分類があります。
全般環境設定
使用している Retrospect 製品と、ライセンス購入したアドオンの種類によって、実行中に設定を変更する、独立した操作をパラレル実行する、リソースの競合を処理する(競合している実行の順序付けなど)、ProactiveAI Backup システムに複数の実行を開始させる、テープライブラリの複数ドライブを同時に使用する、などが可能です。詳しくは、複数実行を参照してください。
Retrospect Desktop は、複数の同時実行に対応していません。
「実行ユニット」では、Retrospect で実行できる同時操作の最大数を指定できます。使用している Retrospect 製品が複数の実行ユニットに対応している場合、このオプションは、バックアップコンピュータのメモリ総量に基づいて自動的に最適数に設定されます。
コンピュータにこの設定をサポートするのに十分なメモリとバックアップデバイスがある場合は、最大 8 つの同時実行が可能です。
「実行履歴の制限」では、アクティビティモニタの「履歴」タブに保存される操作の最大数を指定します。この最大数に達すると、Retrospect は一番古い操作を新しい操作に置き換えて、この制限以内に留めます。詳しくは、「履歴」タブを参照してください。
「実行イベントの制限」では、アクティビティモニタの「イベント」タブに保存されるイベントの最大数を指定します。この最大数に達すると、Retrospect は一番古いイベントを新しいイベントに置き換えて、この制限以内に留めます。詳しくは、「イベント」タブを参照してください。
スケジュール環境設定
先読み時間:n 時は、予定されたスクリプト実行のために、Retrospect が先読みを行う時間の長さを定義します。これは、バックアップコンピュータや Macintosh クライアントのシャットダウン時や、自動処理完了後の Retrospect の動作に影響します。デフォルトは 12 時間です。
詳しくは、終了時チェック環境設定、Macintosh クライアントオプション、および スタートアップ環境設定を参照してください。
「スケジュール」では、スクリプトの実行を許可する時間帯を定義できます。この環境設定は、Proactive Client Backup スクリプト以外のすべてのスクリプトに影響しますが、個々のスクリプトに対して修正できます。スクリプトの実行が許可される時間帯のデフォルトは、1 週間 7 日、1 日 24 時間です。
スケジュールをカスタマイズするには
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「スケジュール」をクリックします。
週単位のスケジュールウィンドウが表示されます。
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週の中の曜日を選択するには、それをクリックします。週の中の連続した曜日を選択するには、クリックしてからドラッグします。前の選択状態を保ったまま別の日を選択するには、Shift キーや Ctrl キーを押しながらクリック、またはドラッグします。
時間帯を変更するには、クリックしてから数値を入力するか、コントロールを使います。
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「開始」は、予定を開始し始めてもよい時刻です。
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「終了」は、終了時刻の前の時間帯(時間と分)です。この期間に現在の操作が完了しても、次の操作は開始されません。
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「停止」は、Retrospect がスクリプトによる自動実行を完全に停止する必要がある時刻です。次の開始時刻まで、操作は行われません。
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それぞれの時間は、時間を示すスケジュールバー上のアイコンをドラッグして設定することもできます。ただし、最初は実際に数値を入力して、これらのコントロールの動作を確認してみてください。
いずれかの時間設定を変更すると、スケジュールバーも変化して、開始、終了、停止の時間設定をグラフィカルに表現します。
それぞれの曜日の下にも、スケジュールバーが小さく表示されますが、これにはコントロール機能はありません。
「常時」と「できない」ボタンはそれぞれ、実行時間を 24 時間すべて、または設定なしに変更します。
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完了したら「OK」をクリックします。
セキュリティ環境設定
「保護」は、Retrospect を手動で開始する際のパスワードを指定できるようにします。スクリプトによる自動実行には影響しません。ユーザが間違ったパスワードを 3 回続けて入力すると、操作ログにエラーが記録されます。初期設定では、パスワード保護は設定されていません。
プロテクトをオンにすると、Retrospect の「ファイル」メニューで、「アプリケーションのロック」という項目が有効になります。この項目を選択すると、Retrospect は自動モードにロックされ、不用意に実行が中断できないようになります。アプリケーションのロックを解除するには、マウスをクリックするか、キーを押してから、パスワードを入力します。
「ユーザの操作が 15 分間なければ Retrospect をロック」を使用すると、15 分後に Retrospect が自動的にロックされるよう指定することができます。Retrospect がロックされると、ロックの解除にパスワードの入力が求められます。この設定は、Retrospect がパスワードで保護されている場合にのみ選択することができます。
「解除」は、パスワードを入力すれば、Retrospect アプリケーションの保護を解除します。「解除」は、Retrospect がすでにパスワードを有している場合にのみ表示されます。
「Retrospect 実行資格…」では、Retrospect を実行するときのユーザアカウントを選択できます。
「ログインユーザで Retrospect を起動」は、Retrospect で利用できるリソースを、ログインユーザがアクセス権を持つリソースだけに制限します。このオプションを選択すると、自動起動してスクリプトを実行させる場合も、Retrospect はローカルシステムアカウントで起動し、そのアカウントに許可されているリソースだけにアクセスします。
したがって、ログインユーザとして Retrospect を実行するよう選択した場合は、SQL や Exchange のサーバやネットワークボリュームにアクセスできない可能性があります。
「指定されたユーザで Retrospect を常に起動」では、Retrospect を実行するユーザアカウントを指定できます。手動で起動するか、自動起動させるかに関係なく、Retrospect は指定されたアカウントで動作します。
SQL や Exchange のサーバをバックアップするか、ネットワークボリュームにアクセスする必要がある場合は、これらの全リソースへのアクセス権を持つ管理者アカウントを作成し、その情報をここに入力します。
SQL と Exchange については、バックアップするすべてのデータベースサーバにアクセスする権限を、作成するアカウントに与える必要があります。詳しくは「SQL Server Agent」および「Exchange Server Agent」を参照してください。
ネットワークボリュームの場合は、元ボリューム、宛先ボリューム、またはカタログファイルの保存場所として使用するボリュームのすべてにアクセスする権限を、アカウントに与える必要があります。
状況に応じて、ドメインかローカルコンピュータ名のいずれかを「ログオン先」フィールドに入力します。
「ターミナルサービスセッションで Retrospect を起動」では、アプリケーションが自動的に起動したときに、Retrospect をターミナルセッション(利用可能な場合)で実行するよう選択できます。詳しくは、ターミナルサービスとリモートデスクトップを参照してください。
スタートアップ環境設定
「Retrospect 起動サービスを使用」は、起動アプリケーションが常に実行されるように、サービスとして登録します。これにより、次に説明する自動起動環境設定、終了時チェック環境設定で説明するアラート環境設定、および報告環境設定で説明する報告環境設定が有効になります。
「自動的に Retrospect を起動」は、実行予定のスクリプトがある場合に、Retrospect を自動的に起動します。デフォルトでは、このオプションはオンです。
Retrospect ツールバーで「すべての実行アクティビティを中止する」ボタンを選択すると、この環境設定は自動的にオフになり、無効化されます。そのボタンの選択を解除すると有効化され、設定がオンに戻ります。詳しくは、「停止」ボタンを参照してください。
「起動続行」、「終了」、「ログオフ」、「再起動」、および「シャットダウン」は、別のスクリプトが先読み時間内に実行されるようにスケジュールされていない場合の、スクリプト完了時の Retrospect の動作を決定します。詳しくは、スケジュール環境設定を参照してください。このオプションのデフォルトは「終了」です。
「タスクバーアイコンの表示」は、Windows のタスクバーのシステムトレイ部分に Retrospect のアイコンを表示するかどうかを指定します。この環境設定のデフォルトはオンです。詳しくは、システムトレイアイコンを参照してください。
クライアントの環境設定
「クライアントの環境設定」は、秘密鍵と公開鍵の作成、クライアントの自動追加、および ユーザ開始型復元を制御します。
Retrospect Desktop の場合は、これらの環境設定は利用できません。
クライアント環境設定には、次の 2 つの分類があります。
環境設定の追加
「キーの作成」は、秘密鍵証明書(privkey.dat)と公開鍵証明書(pubkey.dat)を「C:¥ProgramData¥Retrospect」に作成します。これらの鍵を使用すると、複数の Windows 版 Retrospect クライアントのユーザを Retrospect のバックアップクライアントデータベースに一度に追加することができます。詳しくは、クライアントの追加を参照してください。
「クライアントを自動的に追加する」は、Retrospect が公開鍵証明書でインストールされた Windows 版 Retrospect クライアントのユーザを自動的に検出し、それらのユーザをバックアップクライアントデータベースに追加することを可能にします。このチェックボックスを選択し、Retrospect が新規クライアントを検出する頻度(日数か時間)を指定します。「OK」をクリックして選択を確認すると、Retrospect は新規クライアントを直ちに検出します。また、指定の期間だけ待機した後、再び新規クライアントをチェックします。
デフォルトでは、Retrospect は検出したクライアントをバックアップクライアントコンテナの「Automatically Added Clients」フォルダに追加します。この設定を有効にし、スクリプトで記述されたバックアップ元として 「Automatically Added Clients」 フォルダを選択すると、Retrospect によって新規クライアントがこのフォルダに自動的に追加され、バックアップされます。バックアップ管理者の操作はいっさい不要です。
この環境設定では、Retrospect がマルチキャスト方式かサブネットブロードキャスト方式を使用して検出できるクライアントだけが追加されます。これらの方式の詳細については、アクセス方式を参照してください。
メディアの環境設定
メディア環境設定は、メディアの要求、メディアの消去、テープのテンション調整など、Retrospect によるストレージメディアの取り扱いを制御します。
メディア環境設定には、次の 4 つの分類があります。
消去環境設定
これらのオプションは、すでにデータが書き込まれているメディアにのみ影響します。
「同名メディアの自動再利用」この環境設定を選択すると、すでにメディアにデータが入っている場合に、同じ名前の宛先メディアを自動的に消去します。このオプションは、デフォルトではオフです。
たとえば、このオプションをオンにし、「1-Backup Set A」という名前のテープバックアップセットメンバーに書き替えバックアップを行う場合、その名前を持つメンバーがテープドライブにロードされていると、Retrospect は自動的にそのテープの内容を消去し、再利用します。この場合、Retrospect は、テープの内容を本当に消去してもよいかどうか尋ねる警告ダイアログボックスを表示しません。
「消去確認を省略」この環境設定をオンにすると、バックアップを行っていて、メディアを消去する必要があるときに通常表示される確認メッセージが省略されます。デフォルトでは、このオプションはオフです。
たとえば、「1-Backup Set A」という名前のテープバックアップセットメンバーに標準バックアップを行うときに、テープドライブにロードされているメンバーの名前が異なる場合、Retrospect はメディア要求ウィンドウを表示し、そこでユーザは現在ロードされているテープを選択できます。「消去確認を省略」オプションをオンにし、テープを選択して「続ける」をクリックすると、Retrospect はそのテープの内容を消去して使用します。「消去確認を省略」オプションをオフにした場合、Retrospect は、テープの内容を本当に消去してもよいかどうか尋ねる警告ダイアログボックスを表示します。
ハンドリング環境設定
「テープのテンション調整」は、テープの早送りと巻戻しを行って、テープの張りと位置が均等になるように調整します(これは、一部のドライブにのみ当てはまります)。デフォルトでは、このオプションはオフです。
「リムーバルディスクをイジェクトしない」 は、操作中に他のメディアが必要になった場合でも、Retrospect がリムーバブルメディアを取り出さないようにします。デフォルトでは、このオプションはオフです。
「終了時にテープおよびディスクをイジェクト」は、Retrospect の終了時に、テープカートリッジや CD/DVD を取り出します。デフォルトでは、このオプションはオフです。
「Removal Storage Manager を停止」は、Retrospect が通信バスでデバイスをスキャンする際、Windows の Removal Storage Manager を自動的に停止します。初期設定のとおりにサービスを停止すると、リムーバブルストレージの管理コンソールで、テープライブラリや他の記憶装置を、オペレーティングシステム内蔵のバックアップユーティリティとともに管理することはできなくなります。
デバイスの管理を Retrospect で行わず、Removal Storage サービスに任せる場合は、この環境設定をオフにし、両方同時に使用できるように Removal Storage サービスを設定します。詳しくは、Retrospect と Removable Storage マネージャを同時に使用するを参照してください。
Removal Storage サービスを設定していない場合に、この環境設定をオフにすると、問題が生じる可能性があります。
「書き込みエラーが発生したら自動的に新しいメディアを使用」は、メディアの不具合が検出されたときに、Retrospect にテープライブラリやオートローダへのバックアップ、アーカイブ、または転送の操作を継続させます。このオプションを選択した場合、メディアの不具合が検出されると、ライブラリ内で次に利用できるテープが検索され、それを使って処理が継続されます。
メディアの不具合が検出されたテープは「記憶装置」ウィンドウで、赤のテープアイコンで表示されるようになります。
要求環境設定
「メディア要求の時間切れ」では、実行時のメディアの待ち時間を指定します。この時間が経過すると、Retrospect は実行を中止し、スケジュールされた次のイベントの準備状態に入ります。デフォルトではこのオプションはオフになっており、時間切れは起こりません。
「空のメディアを使用」は、バックアップセットの現在のメンバーが利用できないときに、そのメンバーに空きが残っているかどうかに関係なく、他の利用可能な空きメディア(テープ、ディスク、または CD/DVD)を Retrospect に使用させます。空きメディアが宛先バックアップセットにメンバーとして追加され、標準バックアップ(前回のバックアップ後に作成または変更されたファイルのみ)が実行されます。
このオプションは、デフォルトではオフになっており、Retrospect はバックアップセットの現在のメンバーが利用できないとき、常にメディア要求を表示します。新規メンバーバックアップでは、関連するバックアップ動作について説明しています。
この環境設定は、WORM テープを使用する場合はオフにしてください。WORM テープは、内容を消去したり再利用することができません。この環境設定をオンにすると、WORM テープに空きを残したまま、新しいテープに移る可能性があります。
検証環境設定
「バックアップ処理中に MD5 ダイジェストを生成」は、バックアップ操作やアーカイブ操作用、およびオフライン検証用にメディア検証オプションを有効にします。詳しくは、スクリプトによる検証、バックアップ実行オプション、およびバックアップセットメディアの検証を参照してください。
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この環境設定は、バックアップ中に大幅な性能低下が発生した場合にのみ無効にします。
通知環境設定
通知環境設定は、Retrospect が表示するアラートの種類、ログのサイズ、および電子メール通知を制御します。
通知環境設定には、次の 3 つの分類があります。
終了時チェック環境設定
「次のスクリプトの有効性をチェック」は、Retrospect の終了時に、この動作を行います。次に実行する予定のスクリプトを自動的に検証して、その情報を表示します。デフォルトでは、このオプションはオンです。
「実行エラーおよびメディアの準備を通知」は、スクリプトの自動実行中にエラーが生じた場合、アラートメッセージを表示します。また、後ほどメディアが必要となる場合にも、アラートメッセージを表示します。デフォルトでは、このオプションはオンです。このオプションは、自動実行環境設定の「Retrospect 起動サービスを使用」(スタートアップ環境設定を参照) がオンの場合にのみ、利用できます。
「S.M.A.R.T ハードドライブのエラーを表示」 は、HP Compaq SMART ハードドライブボリュームにエラーが生じた場合、Retrospect を起動して、バックアップウィザードを開始します。デフォルトでは、このオプションはオンです。
ログ環境設定
「ログのサイズ制限 (M Bytes)」は、操作ログのサイズがこのフィールドで設定した値以内に制限されます。設定できる値は、1MB から 100MB までです。ログのサイズが制限値に達すると、ログの古い部分から削除されます。デフォルトのサイズは 10 MB です。
「バックアップレポートと操作ログのエキスポート」は、操作が完了するたびに、バックアップレポートファイル(Backup Report.utx)と操作ログファイル(operations_log.utx)を生成または更新します。これらのファイルは、「場所を選択」ボタンで指定した場所に置かれます。
これらのファイルを手動でエクスポートする方法の詳細については、バックアップレポートの印刷とエクスポートおよび ログの印刷とエクスポートを参照してください。
電子メール環境設定
「エラー通知とメディア要求の電子メール送信」は、操作が失敗したりメディアが必要なときに、それを通知する電子メールを 1 人以上に宛てて送信させます。
このオプションが利用できるのは、「エラー通知とメディア要求の電子メール送信」チェックボックスがオンの場合だけです。
電子メール通知を有効にすると、バックアップサーバ名フィールドにホストコンピュータ名が自動的に入力されます。ユーザが別の名前を入力することもできます。この情報は、電子メール通知の「Subject」フィールドに入ります。
「送信元アドレス」フィールドに送信者アカウントを入力し、「宛先」アドレスフィールドに 1 か所以上の受信者アカウントを(セミコロンで区切って)入力します。「送信」メールサーバフィールドにメールサーバの DNS 名(mail.retrospect.com など)を入力します。
メールサーバで SMTP 認証が行われる場合は、そのチェックボックスをオンにして、ユーザ名とパスワードを入力します。
プロアクティブスクリプトとその他のスクリプトの比較 – プロアクティブバックアップではバックアップソースの優先度が賢く調整されるので、電子メールはバックアップソース毎に送信されます。その他のスクリプトについては、スクリプトのソースが全て完了すると電子メールが1通送信されます。一方、イベントにアクション (バックアップメディアのリクエストなど) が要求される場合、電子メールはスクリプト実行の終了時ではなく直ちに送信されることになります。
電子メール報告の改善 – 改善された電子メール報告により各バックアップに関する膨大な情報が伝えられます。オペレーションログが追加され各バックアップが漏れなく伝えられるようになりました。これらの詳細ログにより、どんなデバイスからもバックアップを監視でき、問題が起きれば直ちにエラーや警告に基づいて電子メールをフィルタリングして問題にフォーカスします。様々な電子メールクライアントを用いたフィルタリングを単純化するため、ログは添付ファイルとしてではなく電子メール本文の一部としてフォーマットの中に含まれます。ログのフォーマットとコンテンツは Retrospect ユーザーインターフェースに表示されるログと一致します。
報告環境設定
「外部アプリケーション向けの通知を有効にする」を使用すると、EMC Legato NetWorker Management Console(NMC)などのアプリケーションが Retrospect に接続し、Retrospect のイベントを表示することが可能になります。これにより、バックアップ管理者が NetWorker と Retrospect バックアップサーバを単一のコンソールから監視することが可能になります。
Retrospect が外部アプリケーションにイベント通知するのは、Retrospect 起動サービスが有効になっている場合に限られます。詳しくは、スタートアップ環境設定を参照してください。
イベントの詳細については、「イベント」タブを参照してください。NetWorker 管理コンソールから Retrospect バックアップサーバーを監視し、管理する方法については、NMC ドキュメントを参照してください。
Retrospect Desktop の場合は、この環境設定は利用できません。
更新環境設定
「利用可能なアップデートの自動チェック」は、デフォルトで選択されています。選択すると、Retrospect は現在使用されている Retrospect のバージョン向けの更新(無料)をチェックします。更新が見つかると、Retrospect は利用可能な更新のリストを表示します。更新は、ダウンロードしてインストールすることができます。Retrospect 更新は、無料でダウンロードすることができます。追加のデバイスサポートや、Retrospect の現行バージョンに関する問題の対処法などが提供されます。この環境設定が有効になっているか否かに関係なく、「ヘルプ」メニューから「Retrospect 更新」を選択すればいつでも手動で更新を検索することができます。詳しくは、Retrospect 更新の手動チェックを参照してください。
バックアップコンピュータがインターネットに接続されていない場合は、Retrospect は更新をチェックできません。
「インターネットへの接続にプロキシサーバを使用する」を使用すると、プロキシサーバ情報を指定することができます。プロキシサーバは、内部ネットワークとインターネット間にあるサーバです。プロキシサーバを使用するかどうかが不明の場合は、ネットワーク管理者に問い合わせてください。インターネットへの接続にプロキシサーバを使用する場合は、このチェックボックスを選択してプロキシサーバ情報とポート番号(cache.satchmo.com, port 8080 など)を入力します。
サウンド
Retrospect をインストールすると、バックアップコンピュータの Windows サウンドコントロールパネルに、Retrospect のイベント通知音と完了音が含まれるようになります。これらのイベントに、利用可能な他のサウンドを割り当てることもできます。
Retrospect の移動
バックアップコンピュータを切り替える決定をした場合、単に Retrospect とバックアップデバイスを新しいコンピュータにインストールするだけでは不十分です。Retrospect の環境設定、クライアント、カタログ、スクリプト、スケジュールを現状のまま使用するには、新しいバックアップコンピュータに他のファイルもいくつか移動する必要があります。
Retrospect を新しいバックアップコンピュータに移動するには
新しいコンピュータに Retrospect をインストールします。
古いバックアップコンピュータから新しいコンピュータに、カタログファイル(拡張子 .rbc と .rbf を持つ)をコピーします。
カタログファイルの保存場所の初期設定は、..¥My Documents¥ Retrospect Catalog Files です。
古いバックアップコンピュータから新しいコンピュータに、設定ファイル(Config77.dat)をコピーします。
設定ファイルの保存先は、Retrospect アプリケーションと同じフォルダか、..¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥Retrospect のいずれかです。
次に、移動したカタログファイルを、新しいバックアップコンピュータ上の Retrospect に認識させます。
最も簡単な方法は、すべてのカタログを Windows のエクスプローラで選択し、それらを Retrospect のアプリケーションアイコンにドラッグすることです。各カタログの「バックアップセット設定」ウィンドウが表示され、Retrospect がカタログを認識したことになります。
古いコンピュータや新しいバックアップコンピュータをバックアップしたい場合には、次のような追加の手順が必要です。
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新しいバックアップコンピュータがこれまでクライアントとしてバックアップされていた場合、今ではそのボリュームはローカルであるので、クライアントはもう必要ありません。クライアントは削除してください。Retrospect スクリプトで、新しいコンピュータのクライアントボリュームを使用していたスクリプトがあれば、そのスクリプトで元ボリュームを編集し、現在ローカルになったボリュームを追加してください。
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古いバックアップコンピュータをまだバックアップする必要がある場合には、そのコンピュータに Retrospect クライアントソフトウェアをインストールし、新しいバックアップコンピュータの Retrospect で古いコンピュータのボリュームにアクセスできるようにしなければなりません。クライアントのインストールと設定を終えたら、そのボリュームをスクリプトに追加します。「設定」>「ボリューム」を順にクリックし、「削除」コマンドを使用して、これまでローカルであったボリュームを削除します。「削除」コマンドを使用すると、ボリュームデータベースからそのボリュームに関する設定が削除されます。また、それらを使用していたスクリプトも削除されます。
カタログと設定のバックアップ
バックアップ計画の一部として、バックアップコンピュータそのもののバックアップも行うべきです。そのための最も簡単な方法は、そのコンピュータをバックアップスクリプトに含めることです。バックアップすべき最も重要なファイルは、Retrospect のバックアップ設定ファイル(Config77.bak)とカタログファイル(一連の .rbc ファイル)です。
Windows エクスプローラか Retrospect を使用して、これらのファイルをバックアップできます。これらを、リムーバブルディスクやファイルサーバなど、他のボリュームに定期的にコピーすれば、障害発生時の復旧が容易になります。または、Retrospect の複製スクリプトを修正して、ファイルを他のボリュームのフォルダに自動的にコピーするよう設定してください。Retrospect のファイルセレクタを使用して、適切なファイルを選択し、他のバックアップの完了後に、スクリプトを毎日実行するようにスケジュールを設定します。
バックアップコンピュータを複数のバックアップセットにバックアップしておけば、カタログと設定は、障害が生じた場合でも、自動的に保護されることになります。それぞれのバックアップセットには、他のバックアップセットのカタログのバックアップが含まれます。または、複数の大きなカタログがある場合には、それら専用のバックアップセットにバックアップすることを考慮してください。そうすれば、障害やカタログの紛失時に、より容易に復元することが可能になります。
カタログのバックアップ
カタログファイルはバックアップセットを管理するための重要な要素ですが、ハードディスク上に保存することが多いため、ファイルと同様の危険を抱えています。カタログファイルを紛失すると、カタログを再作成するまで、ファイルの復元を行うことはできません。再作成には非常に時間がかかります。このため、通常のファイルとともに、カタログファイルもバックアップしてください。
カタログファイルの保存場所の初期設定は、..¥My Documents¥ Retrospect Catalog Files です。
カタログファイル専用のバックアップセットを作成して、その中にカタログファイルを定期的にバックアップすれば、ファイルを復元する際の手間を軽減できます。
設定のバックアップ
Retrospect の設定ファイルには、クライアントデータベース、スクリプト、スケジュール、環境設定、カスタムセレクタ、および他の重要な情報が含まれています。Retrospect は、Config77.dat という名前の設定ファイルを使用します。これは、Retrospect アプリケーションと同じ場所か、または次のパスにあります:
Retrospect は毎回の終了時に、Config77.dat のバックアップコピーを、Config77.bak という名前で自動的に保存します。このファイルは定期的にバックアップしてください。アクティブな設定ファイル(Config77.dat)が紛失したり、壊れたりした場合には、削除してから Retrospect を起動してください。Retrospect は、Config77.bak から新しい Config77.dat を作成します。
ファイルサーバの操作
Retrospect はファイルサーバとして、Microsoft Windows Server、および Apple の Mac OS X サーバをサポートしています。Retrospect は、バックアップコンピュータから Windows のエクスプローラによってアクセスできるものであれば、どのサーバのファイルでもバックアップすることができます。
Retrospect はクラスタや共有ポイントをサポートしていません。
サーバの内容に伴うバックアップ
サーバの内容を移動する場合(たとえば、もっと性能の高いコンピュータを新しいサーバにする場合)には、別個のバックアップを 2 つ作成し、それぞれ検証を行っておく必要があります。完全検証は、データの完全性を保証する機能で、デフォルトでオンになっています。バックアップを 2 つ作成するのは、一方が何らかの理由で破損したとしても、作業を続けられるようにするためです。
DHCP サーバと WINS サーバの情報のバックアップ
Retrospect は、アクティブな DHCP や WINS サーバの特定のファイルはバックアップしません。しかし、オペレーティングシステムが独自のバックアップを維持しているので、それらを Retrospect でバックアップすることができます。
DHCP サーバはそのファイルを、「dhcp」フォルダの「backup」というフォルダに、1 時間に 1 回コピーします。WINS サーバは、初期設定では、必要なファイルのコピーを行いませんが、コピーするように設定することはできます。
WINS を動作させている Windows サーバをバックアップすることが必要な場合には、下記の手順を実行して、これらのファイルを Retrospect でバックアップできるようにしてください。
設定のバックアップ
バックアップに DHCP/WINS バックアップデータベースのパス(バックアップフォルダと configbk フォルダ)が含まれていることを確かめてください。
「すべてのファイル」と「OS フォルダ」セレクタを使えば、ファイルを確実にバックアップに含めることができます。
DHCP や WINS のデータベースの復元
DHCP データベースや WINS データベースを復元するには、フルバックアップからの復元の手順に従ってください。これらのステップが完了すると、DHCP や WINS サーバの情報は復元されます。
Microsoft Exchange Server
Retrospect Exchange Server Agent は、Microsoft Exchange のサーバとメールボックスのバックアップを最適な仕方で行うための、特別なサポートを提供します。これは、別途購入するアドオン製品です。また、ライセンスコードが必要です。
Exchange Server Agent は Microsoft API を利用して、連続して動作し、バックアップのために止めることができない Microsoft Exchange サーバを自動的に保護します。
詳しくは、「Exchange Server Agent」を参照してください。
Microsoft SQL Server
Retrospect SQL Agent は、Microsoft SQL サーバのバックアップを最適な仕方で行うための、特別なサポートを提供します。これは、別途購入するアドオン製品です。また、ライセンスコードが必要です。
Retrospect SQL Agent は Microsoft API を利用して、連続して動作し、バックアップのために止めることができない Microsoft SQL サーバを自動的に保護します。
詳しくは、「SQL Server Agent」を参照してください。
Mac OS ファイルサーバのバックアップ
この項では、Retrospect を使用して、Mac OS ファイル共有によって共有されているボリュームをバックアップする方法について説明します。これらの操作では、ボリュームの復元後にもアクセス権が変化しないようにするための、特別の手順が必要となります。
サーバの復元方法は、Mac OS ファイルサーバの復元で説明しています。
共有ボリュームでは、どのユーザやユーザのグループがファイルやフォルダを見たり、変更したりできるかを決める、アクセス権の設定を保持しています。これらの権限が有効なのは、サーバが動作していて、ボリュームが共有されている場合だけです。
サーバのアクセス権を保持するには、バックアップ中にもファイル共有が動作している必要があります。後の復元操作の際、Retrospect は、同じユーザとグループに対して、バックアップ中に有効だった権限を割り当て直します。そうしないと、復元され、回復されたフォルダのアクセス権は、ボリューム所有者かサーバ管理者に戻ってしまいます。
開いているファイルの操作
オープンファイルバックアップでは、使用中のファイルのバックアップ、複製、アーカイブを行えます。オープンファイルバックアップは、複数のボリュームにわたる、相互に関連した開いているファイルのコピーを可能にすることにより、複数ボリュームのデータセットを保護します。
オープンファイルバックアップの必要条件
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Retrospect Single Server (Disk-to-Disk)、Single-Server、または Multi-Server
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オープンファイルバックアップ用のライセンスコード。オープンファイルバックアップは、別途購入してください。「設定」>「ライセンス」の順にクリックすると、現在のライセンスが表示されます。新しいライセンスを購入することもできます。
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Windows コンピュータ上の開いているファイルをバックアップするには、NTFS ボリュームがなければなりません。
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バックアップするボリュームがクライアントの場合には、Retrospect Client 6.0 以上が動作していなければなりません。
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Retrospect Desktop をお持ちの場合、バックアップコンピュータで Windows XP が動作し、NTFS ボリュームがあれば、オープンファイルバックアップを使用できます。この場合にオープンファイルバックアップを使用するためのライセンスコードは必要ありません。
オプション
Retrospect には、Open File Backup に特有の多数のオプションがあります。詳しくは、Windows のオープンファイルオプションを参照してください。
SQL サーバと Exchange サーバのバックアップ
SQL サーバと Exchange サーバは、オープンファイルバックアップを使用してバックアップできます。Retrospect SQL Agent と Retrospect Exchange Agent は、これらのサーバのバックアップを最適に行うための特別なサポートを提供します。Retrospect, Inc. は、SQL サーバと Exchange サーバのバックアップに、オープンファイルバックアップの代わりにこのエージェントの使用を推奨します。
詳しくは「SQL Server Agent」および「Exchange Server Agent」を参照してください。
オープンファイルバックアップのヒント
オープンファイルバックアップを使用する場合、Retrospect, Inc. は以下のヒントに従うことを強く推奨します。
実際のシステムで使用する前にオープンファイルバックアップを十分にテストしてください。環境はそれぞれ異なるので、データが正確かつ完全にバックアップされることを確認しておくことは重要です。開いているファイルを含むボリュームの完全なバックアップと復元を実行します。復元したボリュームで、データの完全さとアプリケーションの動作をチェックしてください。
環境、スケジュール、オープンファイルバックアップオプションを最適化して、ディスクができるだけ長い時間、非動作状態になるようにします。オープンファイルによるバックアップでは、開いているファイルを正確にコピーするために、元ボリュームのディスクが一定の期間、非動作状態になることを必要とします(ディスクの非動作時間)。
エラーメッセージが出るのを避けるために、以下の点に注意してください。
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オープンファイルバックアップを使用するスクリプトのスケジュールを、ピークの時間帯を避けて設定します。
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ディスクの非動作時間と再試行のタイムアウトについて実験を行って、最適な値を決めます。ディスクの非動作時間の値を小さくすると、実行の機会は増えますが、データの一貫性が失われる可能性も高くなります。ディスクの非動作時間の値を大きくすると、実行の機会は減りますが、データの一貫性が失われる可能性は低くなります。
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オープンファイルバックアップを実行する際には、元ボリュームのディスク動作を増大させるようなアプリケーションを無効に、または停止します。これには、アンチウィルスソフトウェアや、ディスクデフラグソフトウェアが含まれます。
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オープンファイルバックアップ操作に複数のボリュームが含まれているものの、開いたファイルデータの中に、複数のボリュームにわたっているものがない場合には、「マルチボリュームデータセットの保護」オプションがオフになっていることを確かめてください。
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開いているファイルをバックアップする機能を備えたアプリケーションが別にあると、Retrospect のオープンファイルバックアップで問題が生じる場合があります。
ベスト プラクティス
Retrospect では、オープン ファイル バックアップを使用する前に、すべてのアプリケーションを閉じている間に、すべてのビジネス関連サーバに対してフル バックアップを実施することを推奨しています。 オープン ファイル バックアップ機能は、ビジネス関連サーバをその動作中にバックアップするように設計されていますが、初めてバックアップする前にサーバをシャットダウンする方が、より安全性を高めることができます。 最良の結果を得るには、動作中のビジネス関連サーバのバックアップをピークの時間帯を避けて実行するようにスケジューリングします。
コピー前の遅延
オープン ファイル バックアップを使用する場合、バックアップを開始してからコピーが始まるまで、ディレイが生じます。 このディレイの間、Retrospect はバックアップ対象のディスク上の「ディスク非動作しきい値」を待っています。 Retrospect は、オープン ファイル バックアップが開始されてから、「再試行タイムアウト」期間が経過するまで、ディスク非動作しきい値に対応しようと試みます。 そのため、コピー前のディレイは、再試行タイムアウトの時間と同じ(デフォルトでは 10 分)になります。 ディスク非動作しきい値と再試行タイムアウトの指定についての詳細は Retrospect ユーザガイドを参照してください。
複数のボリューム
パフォーマンスを向上させるために、オープン ファイル バックアップ操作に複数のボリュームが含まれていても、開いたファイルデータの中に複数のボリュームにわたっているものがない場合には、「マルチボリューム データセットの保護」実行オプションをオフにしてください。
管理者特権
バックアップ コンピュータにログインし、手動で Retrospect を起動する場合、あるいは、Retrospect 起動サービスを使用して自動的に Retrospect を起動し、自動運転を行う場合は、オープン ファイル バックアップでローカル コンピュータをバックアップできるよう、管理者権限でログオンしなければなりません。
Windows エラーメッセージ
オープン ファイル バックアップを使用するには、バックアップするディスク上に十分な空きディスク容量が必要です。 空きディスク容量の少ない環境でオープン ファイル バックアップを実行すると、Windows はエラーメッセージを出力することがあります。 たとえば、「ディスクのファイル システム構造が壊れているかまたは使用できません」、「遅延書き込みエラー」などです。 エラー メッセージの中に「スナップショット」という言葉が含まれる場合は、要求されたボリュームのバックアップができないことを示します。
このような場合、データは失われず、ディスクは壊れていません。 オープン ファイル バックアップが完了できなかったということです。 この問題を解決するには、バックアップするディスクの空き容量を増やし、コンピュータを再起動します。 再起動せずにオープン ファイル バックアップを使用しても同じように失敗することがあります。
ウィルス スキャン ソフトウェア
Retrospect では、オープン ファイル バックアップの使用中は、ウイルス スキャンを実行しないよう推奨しています。 バックアップ中にスキャンを実行しなければ、アンチウィルス ソフトウェアをインストールし、有効にしておいてもかまいません。
開いている暗号化ファイルのバックアップに関するエラー
Windows コンピュータ上でオープン ファイル バックアップを使用して、開いている暗号化ファイルをバックアップしようとした場合、エラー -1102 を受け取ることがあります。 ファイルをバックアップするには、ファイルを閉じて再度バックアップしてください。
ターミナルサービスとリモートデスクトップ
Microsoft ターミナルサービスを使えば、キーボードとマウス、および表示情報だけをネットワークで送受信することによって、リモートサーバ上のアプリケーションを制御することができます。ターミナルサービスの各ユーザは、それぞれ個別にサーバとのセッションを確立し、各ユーザのセッションはサーバによって、他のユーザセッションから独立して管理されます。リモートサーバで動作している Retrospect をターミナルサービスで管理するための手順を以下に示します。
サーバへの接続とサーバの管理
Windows サーバは、Retrospect が適切なユーザアカウントで実行されるように設定する必要があります。
Windows サーバにリモートデスクトップ(またはターミナルサービスのクライアント)で接続するには
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Windows の「スタート」ボタンをクリックし、「プログラム」、「アクセサリ」、「通信」の順に選択して「リモートデスクトップ接続」をクリックします。
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サーバの IP アドレスを入力して「接続」ボタンをクリックします。
Windows Storage Server 2003 のサーバに Web ブラウザで接続するには
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Internet Explorer を起動します。
-
サーバの IP アドレス(末尾に :8098 を付加)を入力してサーバに接続します。
例:https://192.168.1.1:8098
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「メンテナンス」タブをクリックします。
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リモートデスクトップのアイコンをクリックします。
Retrospect を実行するユーザアカウントの作成と変更
デフォルトの Administrator アカウント以外でバックアップ作業を行えるように、サーバで Backup Administrator を作成し、管理者権限を割り当てます。
Backup Administrator アカウントの作成と管理者権限の付与
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「マイコンピュータ」を右クリックして「管理」を選択します。
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「コンピュータの管理」で「ローカルユーザとグループ」を展開し、「ユーザ」を選択します。
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「操作」メニューで「新しいユーザ」を選択します。
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「ユーザ名」と「フルネーム」に Backup Administrator と入力します。
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十分に安全と思われるパスワードを入力します。
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「ユーザは次回ログオン時にパスワードの変更が必要」チェックボックスをオフにします。
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「パスワードを無期限にする」チェックボックスをオンにします。
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「作成」ボタンをクリックします。
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作成したユーザをダブルクリックしてプロパティを表示します。
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「所属するグループ」タブをクリックします。
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「追加」ボタンをクリックします。
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「選択するオブジェクト名を入力してください」フィールドに Administrators と入力し、「名前の確認」をクリックします。
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「セッション」タブをクリックします。
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「切断されたセッションを終了」オプションが「しない」に設定されていることを確認します。
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プロパティウィンドウで「適用」をクリックし、さらに「OK」をクリックします。
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バックアップ管理に Administrator アカウントを使用する場合は、アカウントに必ず上記のオプションを設定してください。
Backup Administrator アカウントの作成後、リモートウィンドウを閉じて現在のセッションを終了するか、現在のアカウントからログオフします。続いて Backup Administrator アカウントでログインし、ターミナルサービスの接続プロパティを設定します。
ターミナルサービスの接続プロパティを設定する手順は次のとおりです。
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「管理ツール」コントロールパネルを開きます。
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ターミナルサービス構成のコントロールパネルを開きます。
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「接続」を強調表示して RDP-Tcp を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
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「セッション」タブをクリックします。
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「ユーザ設定より優先にする」オプションがオフになっていることを確認します。
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「適用」をクリックし、さらに「OK」をクリックします。
リモートサーバへの Retrospect のインストールと設定
Retrospect をターミナルサービスで使用できるように、次の手順に従って Retrospect のインストールと設定を行います。Retrospect にリモートアクセスするには、常に Retrospect を同じアカウント(前項で説明した Backup Administrator など)で実行する必要があります。Retrospect を常に特定のアカウントで起動するには、Retrospect のセキュリティ環境設定を変更する必要があります。
Retrospect をインストールするには、次の手順を実行します。
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ターミナルサービスまたはリモートデスクトップでサーバに接続します。
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Retrospect インストーラをサーバにコピーします。
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Retrospect をインストールします。
Retrospect を設定するには、次の手順を実行します。
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ターミナルサービスまたはリモートデスクトップでサーバに接続します。
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Retrospect を実行するアカウントでログオンします。
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Retrospect を起動します。
Retrospect の初回の起動時には、Retrospect の起動ウィザードが実行されます。
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ユーザアカウント画面で「 Retrospect を常に特定ユーザで実行する」を選択し、ユーザ名、パスワード、およびドメイン情報を入力します。
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このユーザには、使用するすべてのネットワークリソースと SQL/Exchange サーバへの管理者権限が必要です。
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「OK」をクリックします。
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「はい」をクリックして、ターミナルサービスセッションで Retrospect を起動します。
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Retrospect の起動ウィザードを終了します。
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「今すぐ再起動」をクリックして Retrospect を再起動します。
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Retrospect のログインおよびターミナルサービス関係の環境設定は、ナビゲーションバーで「設定」>「環境設定」を選択して「セキュリティ」をクリックすれば、必要に応じて随時変更できます。詳しくは、セキュリティ環境設定を参照してください。
Retrospect の継続的な実行
ターミナルサービスセッションからログオフすると、実行していたすべてのアプリケーションが終了します。Retrospect も例外ではありません。Retrospect を継続して動作させるには、「スタート」メニューのログオフオプションでターミナルサービスからログオフせず、ターミナルサービスのウィンドウを閉じてください。
ウィンドウを閉じるとターミナルサービスセッションから切断されますが、セッションはそのまま継続されます。Retrospect も終了されず、ターミナルサービスでリモートサーバに次回接続したときにも、Retrospect が動作しています。